仙台から帰宅しました。
数日間、東北の旅のことを書きます。
…………
一昨日、僕は
『東北プロフェッショナルオープン』の取材で
仙台の『プールウェブ』にいました。
(※浦岡隆志プロが優勝。
近日フォトギャラリーのアップとともに
試合のことを書こうと思います)
僕はお昼にお店に着いて、取材の準備をしながら
山形の大井仁プロと宮城の林研字プロとおしゃべり。
すると、
「B.D.さん、ぜひ林プロの
ある『記録』について書いてくださいよ!」
と大井プロが言い出しまして。
…………
――何ですか、記録って?
「センターショットの連続成功記録です」(大井)
※センターショットとはポケットビリヤードの
練習の定番ショットです。上図参照。
「たぶん僕以上の人はなかなかいないんじゃ
ないかと……」(林)
――うおっ。面白そうですね。
ズバリ、何連続成功なんですか?
「601です」
――ろっぴゃくいちぃー? なぁー(遠い目)。
ちょ、ちょっと確認させて下さい。
まず、それを達成したのはいつですか?
「2011年の秋か冬です」
――どこで?
「今、お店の名前は変わってしまったんですが、
仙台市の『ザ・キュー』です」
――なぜやろうと思ったんですか?
「あるCクラスの人がセンターショットを
100何球連続で成功したという話を聞いたんですよ。
それで、『俺もやってみようと』」
――で、すぐに601が出たと。
「いやいや。何回かやって、
その100何球が越えられなかったんです(笑)」
――プロなのに(笑)。
「プロなのに(笑)。
それでムキになってやってたら……
出ちゃったんです。601」
――で、602球目はどんな風に
ミスったんですか?
「普通に外してしまいました。
もう集中力も完全に切れていて…………」
――あれ? あまり残念そうじゃないですね。
「ええ。もう300とか400を越えた辺りから、
『俺は一体何のためにこれをやっているんだろう』
とわからなくなってきたんです」
――ダメですよ、意味を考えたら。
僕も急にそう思ってしまったじゃないですか(笑)。
601達成に掛かった時間は?
「だいたい5時間でした。
途中で休憩も挟みながら急がずにやったので。
たぶん急げば2、3時間でできるんじゃないですかね」
――少なくとも、僕が聞いた中で
最多連続成功数であることは間違いありません。
「はい、僕の周りでも601以上はいなかったです。
そもそも……
挑戦しようって人、いないかなって(笑)」
――しーっ。それを言っちゃ……。
うぉっほん。
B.D.は林研字プロを
“センターショットキング”であると公認します。
601以上があるという人、
これから記録を塗り替えてやるぜ!
という人いませんかー?
……林プロ、自分で記録を更新しても
良いんですよ?
「いえ。再挑戦するとしたら、
誰かに601を抜かれたら、です(笑)」
――うぅ……。
例えば、他のプロとかはこの記録を知ってるんですか?
「いや、そんなに言ってないです。
『へぇー、そうなんだー、
よくそんな時間があったねぇ』
とか言われそうじゃないですか(笑)」
――しーっ。それを言っちゃ……。
…………
そんなやり取りの3時間後、
林プロは試合でアマチュア選手と
壮絶なヒルヒルマッチを戦い、
(※ヒルヒルとは両者ともあと1点の状態。
この試合は8ゲーム先取だったので7-7のこと)
どうやらゲームボールを外して負けたらしく、
試合後、30分ほど椅子で一人、
真っ白な灰になっていました。
全く話し掛けられる状態ではありません。
翌日、僕は関東に戻ってから
センターショットの話の確認とともに
尋ねてみました。
――ヒルヒルで負けてしまったそうですね。
「ええ、そうです。
僕がゲームボールを外して負けました」
――難しい球だったんですか?
「いえ。難しくなかったです。
センターショットより
短い真っ直ぐの球でした……」
…………
えっ、それより難しいのを
601球連続で入れた人が!?!?
と一瞬、笑ってしまったんですが、
すぐ笑いが引っ込みました。
まるで違いますものね。
「練習と試合」って、
ほんと面白いテーマですよねぇ。
それと。
上に挙げた林プロと僕のやり取りは
途中から自虐ネタっぽくもなってますが、
「601」は本当にスゴいと思います。