サトシ選手のフォーム、その2

青木聖選手
青木聖選手

 

一つ前のエントリから続く)

 

キューが視界の左側にあるってことは、

 

例えば、的球が右側にある時と

左側にある時で狙い方が変わりませんか?

 

厚みとかどう取ってるの?

 

「それが上手く説明できないんですけど、

 

他の人とは厚みの取り方が違う

というか、狙い方が違ってるというか。

 

入るように狙っているとしか……

……うーん、なんでしょうね」

 

ふむ。

 

これ以上は、

科学的な分析が必要かもしれません。

 

でも、中国(元台湾)の

「神童」呉珈慶も

もしフォームについて聞かれたら、

 

青木選手と同じことを

言いそうな気がします。

 

彼は左利きで、

青木選手と対照的に

キューが右目の下を通ってまして。

 

鮮烈な世界選手権制覇劇から8年。

見慣れたと言えば見慣れてますが、

 

改めて見ると独特なフォームです。

 

あれでめちゃめちゃ球を入れている。

 

思うに。

 

幼い時から撞いていて、

トップクラスになっていく人って、

視覚に頼って撞いてはいないのかな。

 

反復によって、

「絶対シュート感」みたいな

ものが備わっているのかもしれません。

 

 数万回なのか数十万回なのか

わからないですけど、

 

「手球を的球のこの辺にこう当てた時に

的球がポケットに入った」という

 

成功体験の尋常じゃない繰り返しで

培われたものがあるんでしょう。

 

 だとしたら……。

 

人間の感覚って素晴らしすぎる。

 

そして、

「誰にとっても正解のフォーム」は

存在せず、

 

狙った所に毎回正確に手球を運べる

フォームがその人にとって

「良いフォーム」だと

改めて思う次第です。

 

※快く電話取材に応じてくれた青木選手、

どうもありがとうございました。

 

呉珈慶。この写真だとちょっとわかりづらいかな。右目の下をキューが通ります
呉珈慶。この写真だとちょっとわかりづらいかな。右目の下をキューが通ります