ロンドンでの『WorldCup of Pool』の
日本vsアメリカ戦の開始(21日2時)を
待っておられる方、こんばんは。
僕も待っています。皆で待ちましょう。
以下、別のトピックですが、
とてもエキサイティングな動画です。
…………
7月の『全日本アーティスティック選手権』で
僕は初めて廣島章雅選手(アマ)と知り合いました。
試合後の打ち上げの席でお話を聞いていたら
これまたとんでもなくアーティスティックに熱い方で、
「こんな方がいたのか。世の中は広い」と思わされたものです。
さて、そんな廣島さんから先日連絡がありました。
「新作動画アップしました~」と。
観てみたところ、これがビリヤード動画の
新たな可能性を感じさせるものでビリビリきました。
アーティスティックビリヤードの有名なショットの一つ
「切り引き」を収めた90秒程の動画です。
どうでしたか?
これ、何がスゴいって、
廣島さんが一人で実演・撮影・動画編集まで
やってるということです。
それから、途中でプレイヤー目線のアングルが
あったと思うのですが、
そこでは、
「身に付けて、取り付けて、楽しむ」のコピーで知られる
小型カメラ、『GoPro』を使っています。
恐らくオデコに付けたのでしょう。
目線の高さっぽい臨場感あるカットが混じってます
GoProでのビリヤード撮影、僕もやりたかったんですよねぇ。
(例えば、CUE'S誌の赤狩山幸男プロの連載とか)
その他の部分も、聞けばビデオカメラではなく
デジタル一眼レフカメラ(Canon Eos 70D)の
ムービー機能で撮っているそうです。
いわゆる「デジイチムービー」ですね
(ちょっと映画フィルムのような、綺麗なボケ味がありますよね)。
おしゃれだわー。
すっかり興奮してしまった僕は廣島さんに質問いっぱい。
――いやぁ、楽しかったです。
実演からアップロードまで、どのぐらい時間が掛かりましたか?
「トータル15~20時間くらいだと思います。
ちなみに映像編集ソフトとして、
Final Cut Pro X を使ったのですが、
この企画をやる2日前にインストールし、
今まで全く触った事がない状態からのスタートでした。
元々Macは使えるので……」
――(驚!)この企画をやってみての感想は?
「『今までにない球動画への試み』の試作品として、
最低限のモノは作れたと思います。
協力してくださったビリヤード場『ルーツ』さんにも
感謝しています。
でも、勢いでやったので疲れました(笑)」
――今後、このシリーズで別のショットを撮ったり
するんですか?
「まだまだ試みの段階なので種目によってテイストは
変わるかもですが、時間の許す限り制作していきたいと思ってます。
クオリティーはこの試作品が最低ラインと考えています 。
あと、1種目で90秒は長い方だと思うので
2~3種目で90秒くらいにまとめていくかもしれません」
――特にスロー再生になった時に、ボールやキュー、
それから体の挙動がよくわかりますね。
「自分でも何回も見返してみて勉強になってます(笑)。
今後も協力者を巻き込みつつ、色々と作っていきます!」
…………
いやぁ、「好き」って気持ちがあれば、
なんでもできてしまうという格好の例と言いますか、
廣島さんの情熱に敬服しました。
で。
肝心の「切り引き」についての説明がなかったですね。
切り引きというのは、
的球と手球がとても近接している状態で引き球を
する際のテクニックのことです(例えば間隔5mmとか)。
アーティスティックビリヤードで使われることが多いですが、
ナインボールなどではまず使わない技です。
的球と手球が近接している状態で
普通に引き球をしようとすると、
ビリヤードをする人ならわかると思いますが、
完全に「二度撞き」状態になってしまい、
的球も手球もドーン!と前に行ってしまいます。
でも、インパクト時にキュー先を払うようにして
逃がす(=切る)ことで、
二度撞きを避けながらも、
しっかりとした引きのスピンを手球に与えることができ、
手球はその場で少し跳ねた後にバックスピンで
キュルルッと引き戻ってきます。
このyoutube動画のタイトルには何やらアルファベットや
数字が色々と付いていますが、
ざっくり言えば、この切り引きが、
【B】というセットの10種の中の10番目であり、
「アーティスティック国際規格100種目」の中の
66番目のものでもあるということです。
さらに「10点」というのは、
成功した時に付与されるポイントのことで、
10点が最高難度です(一番低いものは5点)。
つまり、この切り引きは難しいということです。
この先、廣島ムービーでどんなショットが
出てくるか楽しみですね。
……それにしても廣島さんはこの撮影用に
何回切り引きを撞いたんだろうなぁ……。