〈BD〉追悼タッド・コハラ氏

タッド・コハラ氏。2006年のICCSにて。撮影/K.Kagomiya
タッド・コハラ氏。2006年のICCSにて。撮影/K.Kagomiya
今年のICCSに出展したTAD CUE Collection 撮影/K.Kagomiya
今年のICCSに出展したTAD CUE Collection 撮影/K.Kagomiya

 

昨日行われたJPBA東日本男子プロツアー

『グランプリイースト』(GPE)最終戦(第7戦)の

予選ラウンドで、

 

GPE年間ランキング暫定1位の赤狩山幸男プロと

5位の井上浩平プロが敗れました。

 

これで2位:羅立文、3位:土方隼斗、

4位:栗林達の3プロがMVPを獲得するチャンスが

広がりました。

 

今日、決勝トーナメントが行われます。

 

『バグース六本木』で行われる本大会、

お近くの方はぜひ観戦(※有料)をオススメします。

 

…………

 

さて。

 

アメリカのカスタムキューの名工、

タッド・コハラ氏(TAD CUE)が

先週亡くなられたことはすでにB.D.でも触れましたが、

 

氏の逝去の報を受けて、

 

日本のカスタムキュー愛好家/コレクターである

「キューメイニア」K.Kagomiyaさんが、

 

Facebookで哀悼の意を表していました。

 

短いながらも心打たれる文章でしたので、

 

Kagomiyaさんの許可を頂き、

 

B.D.が日本語に翻訳した文章と、

原文(英語)をここに転載させて頂きます。

 

文中にある「タッドキューコレクション」とは、

上の2枚目の写真のことです。

 

…………

 

大原秀夫(UK Corporation)さんと

私(K.Kagomiya)は、

 

アトランタで開かれた今年のICCS

(インターナショナル・キュー・コレクターズ・ショー)で、

「タッドキューコレクション」を展示しました。

 

タッド・コハラ氏の訃報を耳にしたのは

ショーの前日、10月17日の夜でした。

 

あまりの衝撃に言葉を失いましたが、

哀しみを共有できる人達がそこにたくさんいたことで、

私達はかろうじて堪えることができました。

 

何年もの間、タッドキューを所有している人がいます。

また、タッドさんと面識のある人もいます。

そして、皆がタッドさんの業績を認めています。

 

タッドさんの息子のフレッドが、

キュー作りを継承してもう何年も経ちます。

 

タッドの伝統は失われることはないでしょう。

 

(原文)

 

Hideo and I displayed our TAD's custom cue collections at the ICCS2013 in Atlanta, GA. We were told that Tad Kohara passed away in Oct. 17 evening, the day before the show begun. We were so shocked, however, we could bear the fact because there were people who can share the sadness with us. Some have owened Tad cues for many years, some met Tad-san before, and everyone appreciates Tad-san's works. Fred Kohara, Tad-san's son, took orver making Tad's custom cue years ago, TAD tradition will continue.

 

…………

 

残念ながら、

B.D.は一度もタッド氏とお話をする機会が

ありませんでした。

 

しかし、周囲には、

今もプロ・アマ問わず多くのタッド使いがいて、

本当に嬉しそうにマイキューの話をします。

 

「まさにTADだよねぇ」と言われるあのデザインと、

あの撞き味を生み出したことは、

 

木工芸術の見地からしても、

キューメイキングの見地からしても、

本当に素晴らしいこと。

 

大きな大きな「ブランド」を引き継いだ息子さんに

のし掛かるプレッシャーは、

計り知れないものとなるでしょうが、

 

きっと良いキューを作り続けてくれることでしょう。

 

身内に後継者がいて、

タッドキューの命脈が途切れることがないというのは、

幸福なことなのかもしれません。

 

タッド氏の冥福をお祈りいたします。

 

…………

 

下の写真は何年も前の『全日本選手権』で

K.Kagomiya氏が撮影した、

 

内垣建一プロのグリップとキューのお尻側。

 

使われて一層輝くのがTAD CUE。

 

人馬一体ならぬ「人キュー一体」の境地です。

 

内垣建一 with TAD CUE 撮影/K.Kagomiya
内垣建一 with TAD CUE 撮影/K.Kagomiya