今週末は関東でスヌーカーの
『ジャパンオープン』がありますね。
僕は取材・観戦には行かないのですが、
大会の成功と出場選手の皆さんの健闘を
お祈りしています。
…………
さて。
先週、僕は
小倉のビリヤード場『淡路』にいた訳ですが、
そこには、10月の『北陸オープン』
(JPBAプロ公式戦)で、
自身6年ぶりとなる優勝を果たした
北谷好宏プロ(JPBA)が所属しています。
(※父・好美プロ〈JPBF〉、
弟・英貴プロ〈JPBA〉と
家族で『淡路』を経営しています)。
またとない機会! ということで、
北陸オープンのことをじかに
好宏プロに聞いてみました。
…………
――優勝した時、思ったことは?
「『ああ、僕もまだ勝てるんだなぁ』というか、
『勝つってこんな感じだったなぁ』というか。
今年は公私ともにいろんなことがあって、
練習が満足にできていませんでした。
試合も何試合も休んでいましたしね」
――えっ、あのプレー内容からすると、
みっちり練習ができていたのかと……。
「いや、そうじゃなかったんです。
特に北陸の直前は『プレ国体』が九州で
あったじゃないですか?
(※正式名称は
『全国アマチュアビリヤード都道府県選手権』。
開催地は長崎だが、スリークッションは淡路で行われた)
それに関連する仕事も山のようにあって、
もう北陸に行くかどうか迷うレベルでした(笑)」
――そうでしたか。しかし、
それにしてはよく球を入れてましたね。
「まあまあ入ってましたね。
やっぱり練習が足りてない自覚があったし、
すごく気持ちが謙虚というか丁寧というか、
ちゃんと狙って撞いてましたね。
練習が足りていて自信がある時ほど、
僕は『入るやろ』『入って当然』みたいな
傲慢なところが出てきちゃうんでしょうね。
それで外して負けたこともあります」
――決勝戦の相手は、
今年絶好調の土方隼斗プロでした。
「『やっぱり来たか』と。強い相手ですし、
簡単に勝てることはないと思ってました」
――ただ、僕が知る限り、相性も対戦成績も
北谷プロの方がだいぶ良いとか?
「いや、そこまでじゃないですよ。
練習で撞いた時に勝ち越したぐらいで。
僕は隼斗のプレースタイルというか
あの球撞きが好きでね。
一緒に撞いてて楽しくなれるんです。
たぶん認めきった上で撞けるから
こっちも良い状態でプレーできるんだと思います。
でもね、もう今年は隼斗がスゴいでしょう?
ジャパンオープンから何からいっぱい勝って。
だから、『行ける』なんて思ってなかったですよ」
――決勝戦の間、弟さん(英貴プロ)や
親交あるプロ達が皆でそわそわしながら応援していて。
「わかっていましたよ(笑)。
ありがたいことではありましたけど、
ちょっと隼斗に悪かったなぁと」
――この決勝戦でもよく球が入ってました。
「そう……だったかもしれないですね。
序盤で隼斗が、彼だったら問題なさそうな
7番をポロッとやっちゃったでしょ。
それで『あれっ?』と思って。
そういうのもあって、
自分も良い感じで撞けたと思います。
……そうそう、隼斗と言えば、
試合翌日にちょっと嬉しいことがあって」
――なんでしょう?
「僕、いつも隼斗が試合で優勝すると、
次の日に『おめでとう』のメールをしてるんですよ。
今回はね、初めてもらいましたよ、
隼斗から翌日に祝福メールを(笑)。
いやぁ、可愛いなぁと思ってね(笑)。
そんなことも含めて、
『勝つってこういうことなんだなぁ』
と思いましたね」
…………
ここのところ優勝がなかったためか、
過小評価されているやもしれませんが、
北谷好宏プロは、現在の日本の
トップランカー達も異口同音に認める撞球巧者です。
ブレイク、シュート力、キュー切れに
非凡なものがあり(無論それだけじゃないですが)、
「簡単に取り切る(マスワリする)」プロの
代表格と言えるでしょう。
優勝した北陸オープンでは、
そのことを自ら証明するような、
レベルの高いプレー内容と
覇者にふさわしい落ち着き払った態度を
見せてくれました。
そんな北谷プロを、11/21からの
『全日本選手権』でも注目したいと思います。
なお、弟の英貴プロはまだ
公式戦での優勝がありませんが(過去最高は準V)、
よく上位に進出していますし、
全日本選手権ではヒデプロにも注目です!
「もし弟が全日本選手権で勝つようなことがあったら、
僕、嬉しすぎて背後からドロップキックするなぁ。
そして、賞金の何割かをこれまでの
お礼としてもらいます(笑)
うーん、何割かな?」(兄)。
そこは兄弟で決めてください(笑)。