ポケットビリヤードの『全日本選手権』男子の部で、
日本人最高位の5位タイ入賞を果たした
北谷好宏プロ(JPBA)の談話が取れました。
以下に記します。
北谷好宏(Yoshihiro Kitatani)RESULT
(Race to 9)
勝者1回戦 W-7 鎌田充昭
勝者最終 2-W Johan Chua
敗者最終 W-0 Reza Masoumi
(Race to 11)
Best 64 W-3 Li He Wen
Best 32 W-9 A・Paglayan
Best 16 W-10 菅谷慎太郎
Best 8 8-W 柯乗逸 Ko, Pin-Yi
…………
――率直な感想をお願いします。
「疲れましたね(笑)。
最後はスタミナ切れを自覚していました。
でも、それなりに満足もできています」
――その「満足」の部分、詳しくお願いできますか。
「今まで『こいつは別格』と、
線引きをしてた外国選手にも勝てたことですね」
――それは例えばベスト32のA・パグラヤン?
「はい。今までなら『スッとやられちゃうんだろうな』と
思ってしまってたでしょうね。
ベスト64のリー・ヒーウェンもそういう選手。
でも、普通にプレーできましたね」
――なぜ、そうなれたのでしょうか。
「『相手は関係ない』と思えているからでしょう。
自分より上手い人がいっぱいいるのは
もうわかりきってます(笑)。
でも、これは試合だから、
上手い人が勝つと決まってる訳じゃない。
『俺は俺や!』と思えるようになってきました」
――2004年にも5位タイになっています。
「ああ、もうあの時とは精神的なものはだいぶ違いますね。
あの時は強い外国選手ばかりでただただ緊張してました。
触られただけで倒れそうでしたよ(笑)」
――今回はベスト8で柯乗逸に敗れました。
「あの試合も、最後は負けちゃったけど、
それなりに相手にプレッシャーを掛けられたかな。
1-6までは気持ち良く行かれて、
僕も『コイツ、うめーなぁ』なんて思いましたけど、
だんだんムカついてきてね(笑)。『抵抗してやる』と。
だけど、最後は体が動いたし、スタミナ切れを感じた。
2、3球それで飛びましたね」
――ベスト16(菅谷慎太郎戦)がヒルヒルで、
終わって休む間もなく柯乗逸戦でしたね。
「ええ、食事をする時間はなかった。
僕の試合が終わるのが遅くなってしまったからだし、
それはしょうがないですけどね」
――話を変えますが、10月の『北陸オープン』で優勝して、
そこから良い状態を維持できていたんですか?
「実は大会直前に体調不良で寝込んでました(苦笑)。
少し良くなってそのまま尼崎入りして試合をしました。
さすがに1回戦は『体が硬いなぁ』と思いましたね。
次の試合(チュア戦)では、僕は2点しか取ってないですけど、
それは配置に恵まれなかっただけで、
相手にプレッシャーを掛けられているのはわかったんですよ。
それで『このままのスタイルで行こう』と」
――しかし、今年は様々なご事情で練習時間も減ってしまい、
試合もだいぶ休んだということなのに、
それを感じさせないプレーでした。
「ええ、丸2ヶ月キューが握れない期間もあった割には
頑張れましたね(笑)。
たぶん頑張れたのは精神的なことが理由です。
今までは人と戦っていたけど、
今は球と向き合えているのかなと思います」
――この前おっしゃっていた、『謙虚な気持ちで
ちゃんと狙って撞けた』ということにも繋がりますか?
「はい。それでも、北陸の時は
『まさか優勝まで行けるのか』という感じでしたけど(笑)。
北陸の時は、決勝日の初戦(vs高橋邦彦プロ)に
勝てたことが大きいですね。
そのあたりから、緊張感も良い緊張に変わりました。
『先球(的球)を見る時間を増やそう』と思って
やっていたらタイトルに結び付いた。
それを今回、選手権でもやったらそこそこできました」
――トータルで自分に良い点数を付けられますか?
「100点とは言えないですけれど、
自分でやろうと決めたことはできたので、
それなりに満足はできています。
来年に向けて自信がつきました」
…………
北谷プロ、ありがとうございました。
そして、そんな「あにぃ」の奮闘を
会場で熱心に見守っていた弟の北谷英貴プロも、
度重なる顔芸(いや、あれが素でしょうか(笑))、
ありがとうございました。