大雪の週末。
クルマ、バイク、自転車など、
危なっかしい動きをしているものをよく見かけました。
雪の時は「いつもと同じように運転できる訳ではない」と
肝に銘じておかないといけませんね。
…………
いつもと同じように運転できる訳ではない
………………!?
このフレーズで、
自分の脳内に閃いたことがありました。
それは、
「新(さら)ラシャ」のこと。
テーブルに張ったばかりの新品のラシャ
(ビリヤードクロス)のことを、
「さらラシャ」と言います。
新ラシャで撞いたことのある中上級者なら
経験的にわかっていると思うのですが、
新ラシャは全く摩耗していないので、
「普通のラシャ」
(テーブルに張られてから数週間以上経っていて、
それなりに使われてきたもの)と比べると、
だいぶボールの動きが異なります。
わかりやすいのは手球の動きです。
押し球や引き球を撞いた時の
「手球のカーブ具合」も違いますし、
クッションからの出方も異なります。
「新ラシャでは、いつもと同じようには
手球を操縦できない」のは常識なのです。
(※とりあえず、
真っ直ぐやそれに近い厚い配置での
引き球はかなりよく引けるので、
「キュー切れアーップ!」なんていって
数日間は楽しめる訳ですが……)
プロやハイアマチュアの試合は、
特設会場など、新ラシャのテーブルで
行われることも多いのですが、
常に新ラシャのテーブルで
練習できているという人は稀です。
なので、試合本番では、
普段とは違う新ラシャのコンディションを
いち早く読み、
それに対応できるかどうかがカギとなります。
…………
前置きが長くなりましたが、
数ヶ月前、
2011年ナインボール世界チャンピオンの
「カーリー」こと、
赤狩山幸男プロ(JPBA)と
技術的な話をしていた時に彼が教えてくれた、
「新ラシャの時の手球の動き方の一つの目安」
を思い出したので、ここで紹介します。
こんな配置です。
1番ボールは、
クッションからボール1個分浮いています。
この位置の手球を撞いて
1番を左上コーナーに入れて、
撞点・下+右ヒネリのマキシマム、
いわゆる「順下マックスで引っ張る出し方」で
ショットした場合、
手球の第2クッションはどこになるか、
という問題です。
カーリーの経験では、
ある程度使われてきた「ノーマルのラシャ」だと、
2クッション目が「X」地点になるのだそう。
もちろん、ヒネリが良く乗った、とか、
1クッション目でヒネリが良く噛んだ、とか、
手球が的球に対して気持ち厚めに当たった、
などの理由で、もっと手球を引っ張れることがあり、
その場合は、「Yに出ることもある」と。
少なくとも
「サイドポケットへのスクラッチはない」という
判断を下すそうです。
これだけでもずいぶんと参考になりますが、
本題は、
「では、新ラシャではどこに出せるのか?」です。
長くなってきたので、
答えの発表は近日中にさせてもらいますが、
皆さんはどこだと思いますか?
まず、「X」は除きます。
選択肢は以下の7つ。
Y:ノーマルラシャの時の
「だいぶ引っ張れた場合」に相当
A:楽勝でノーマルラシャの時を越える
B:サイドポケットへのスクラッチを
ギリギリかわすぐらい
C:サイドポケットへスクラッチ
D:サイドポケット手前(左側)がやっと
E:お話にならないぐらい引きもヒネリも入らない
…………
……さあ、どれでしょうか。
2箇所ぐらいでアバウトに考えても構いません。
解答は今週中……! の予定。
カーリーを始め、
新ラシャで撞き慣れているトッププロ達は、
色々な配置で、
「普通はこうだけど、新ラシャだとこう」
ということが頭にインプットされています。
それはキャロム(スリークッション)でも、
スヌーカーでもそうです。
この辺り、「教科書には載らない」
実戦的知識と言えますね。