先日、2回に渡って、
カスタムキュー販売を手がける
『UK Corporation』代表・大原秀夫氏所蔵の、
レアなオールドTAD(タッドカスタムキュー)を
3本ご紹介しました。
3本の内の1本は、
1994年ナインボール世界チャンピオンであり、
現在はキャロムのプロ(JPBF)として
活躍を続けている
奥村健プロが使用していた
1976~1977年製と思われるモデルです。
これ。↓
そして、
原稿に添えるイメージ画像として
約30年前の
「これとはまた別のTADを使う奥村健」
のモノクロ写真を掲載しました。
これ。↓
そうしたところ、
後日奥村プロから(夫人のりかプロを通して)
連絡があり、
「記事を見て思い出したことがあってね。
あのモノクロ写真で僕が持っているTADは…………
UKの大原さんが入手された
ズバリそのものだという気がするんだよ。
記事では『別物』ということになっていたけどね」
!?!?!?!?
ど、ど、どういうことでしょうか。
ハギやスリーブのデザインは酷似していますが、
グリップの上下の装飾が違いますよね?
リングの部分が白くなっているし……。
「うん、僕、
上のリングの部分とグリップの後端に
白いビニールテープを巻いていたと思うんだ」
な、な、なんと……!
確かに、このTADのグリップの上下に白い
ビニールテープを巻いたら、
30年前の写真のTADに限りなく近い……
というか、「そのもの」になりますね。
「僕は、あの柄のTADはあのキューしか
使ってないと思うから、たぶん同じものだと思うよ」
そうでしたか~。
白いテープが「別物」と思わせた犯人だったとは。
BDとしてもUKの大原さんとしても、
来歴の一端が判明して、少しスッキリしました。
ということで、
このモノクロ写真に付けるキャプションは、
「約30年前、このTADを使う奥村健」
が、正しかったということをここにご報告致します。
ちなみに、トップの写真は、
1980年の『全日本選手権』のパンフレットからの
抜粋ですが、
ここで奥村プロが手にしているTADも同じものです。
(※余談ですが、このパンフレットの
奥村プロの紹介文の末文が奮ってます。
「エキサイティングなプレーをする
関東のちょっと翔んでるプロ」って。
ディフェンディングチャンピオンを
捕まえてそんな(笑))
…………
しかし、です。
そもそもなぜ奥村プロはTADのリング部に
白テープを巻いたのでしょう。
「キューを明るくしたかったんです。
ワンポイントでおしゃれになると思ってね(笑)」
えー!?!?!?
(キューバランスの調整のためとか、
実用上の理由だと思ってました……)