白い所に、
ベ、ベースのインレイ(飾り)が入ってる!
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1月にチラリとお見せしたGina Cue(ジナ・キュー)。
だいぶ紹介が遅くなりましたが、
これもUK Corporation代表・大原秀夫氏所蔵の逸品です。
ジナは、創業50周年を迎えた
アメリカの老舗カスタムキューメーカー。
創始者のErnie Gutierrez(アーニー・ギュテレス)は
名匠としても知られています。
日本にも昔からジナファンが多く、
名作の誉れ高いモデルも多いことから、
今もよく取引されているカスタムキューの一つです。
写真のキューは2012年に製作されたもの。
フォアアーム側のシュッと伸びる
長短8剣の白いハギと、
スリーブ側のカーブを活かしたインレイの
コントラストが美しいですよね。
バット材のメイプルは杢目がはっきりと出ている
「Figured Maple」(フィギュアド・メイプル)。
良い材料をふんだんに使いながらも、
派手すぎない、気品あるデザインです。
貝で作られたベース・ギターのインレイは、
大原さんがプロのベーシスト(ミュージシャン)である
ということを知っているアーニーの粋な計らいです。
以下、UK大原氏の談話:
「今まで色々なジナキューを手にしてきましたが、
シルバーベニア
(ハギやインレイに見られる銀のサシ色)の
キューは持ったことがなかったので、
オーダーしたのがこれです。
そうしたら、
『できたよ。ヒデオ用にベースのインレイも
入れておいたよ』と(笑)。
想定していた価格の倍近かったんですが、
私も勢いで買ってしまいました(笑)。
デザインそのものは
8剣の、まあまあよくあるものでしょう。
それが2年前のことですが、
もう創業50周年を迎えているし、
引退宣言もしているから、
今はもっと点数を絞って高額なものを
作っているんじゃないでしょうか。
アーニーは質が高いキューを作れるだけでなく、
商才も豊かでクレバーな人物です。
そして、彼には跡取りがいないんですよ。
となると、
この先もジナの価値は下がらないでしょうね。
本人もそのことはわかっていると思います」
…………
この先、ジナの新作は何本出てくるのか……。
限られた数になることは間違いなさそうですね。
ぼ、僕も欲しくなってきました(不純)。
※本シリーズの別記事はこちら