ドーハ『ナインボール世界選手権』は、
オランダのニルス・フェイエンが、
オーストリアのアルビン・オーシャンを
破って初優勝を飾りました。
ニックネームは「ターミネーター」。
構えた時の険しい目付きと、
だいぶ身体の右側(右耳の下?)でキューを
振る独自のフォームで知られています。
身体も大きいですし、
本当に軍人みたいにイカツイオランダ人です。
今回は8強が揃った時点、
いや、4強に絞られた時点で、
本命視されていたでしょうか。
日本のビリヤードファンにとっては、
2001年の『東京9ボール』で彗星のごとく現れ
2位になったプレイヤーとしてお馴染みですね
(優勝はE・レイズ)。
欧州的な確率重視の組み立てと正確性だけでなく、
恐らく若い頃、アメリカ武者修行時代に培ったと
思われる思い切りの良い攻撃的なショットを
兼ね備えたプレイヤーです。
今までの獲得タイトルは、
14-1のワールドタイトル(2008年)と
『ワールドプールマスターズ』(2013年)。
今回の優勝直後、
WPA(世界プールビリヤード連盟)の
インタビューにフェイエンは冷静に答えています。
かいつまんで訳すと……、
「以前、エイトボール世界選手権で
2回ファイナルで敗れたことがあって、
序盤はとても緊張したけれど、
中盤以降は良いプレーをすることができたと思う。
12-8とリーチをかけた時に優勝の事が頭をよぎったけど、
最後はそれを払いのけることができた。
これは自分にとって初めてのナインボールタイトルの
ファイナルだった。
このチャンスに興奮していたし、
これを活かすのは今しかないと思っていたよ。
でも、今回の勝利が僕の人生を変えることはないだろう。
僕は家に帰り、また次の大会に備えるだけさ。
僕は家族といるのが好きなどこにでもいる父親だよ。
この優勝はちょっとしたご褒美みたいなものだね」
…………
余談ですが、今回のファイナルを、
BDは2011年世界チャンピオン
赤狩山幸男プロ(JPBA)と観ていました。
「フェイエンは、
かなりしっかり練習していることが
プレーからもはっきり感じられますね。
例えば、ミスしたショットでも、
身体が全く動いていない。
これはなかなかできないことですよ。
個人的にもフェイエンを応援したいかな。
確か自分が勝った2011年だったと
思いますが、
フェイエンとは、現地のホテル、
練習のビリヤード場、試合会場、ジム、
レストラン……と、
全て一緒の動きをしていた日があって(笑)、
親近感がありますね」
と語るカーリー。
トップはトップを知る、ということでしょうか。
敗れたとはいえ、
オーシャンも良く食い下がっていましたね。
とても見応えのあるファイナルでした。
両選手の健闘に拍手。