〈BD〉山形・B-Life、移転のちょっと裏側。……に見る、地方都市ビリヤード場の今

B-Life新店舗。以下、新店舗写真は全て大井仁プロ撮影
B-Life新店舗。以下、新店舗写真は全て大井仁プロ撮影
店舗入口
店舗入口

 

ここには地方都市でオーナープロが経営する

ビリヤード場のリアルな姿と、

生き残りのためのヒントがあると思います。


…………


昨年10月の

『GPE-7』(グランプリイースト)で

自身初の3位入賞を果たした、


山形の大井仁プロ(JPBA)。


実はあの試合の時期、

大井プロは精神的には絶不調な状態でした。


自身が16年間経営してきたビリヤード場、

『B-Life』を移転することは決めたのに、


肝心の移り先がなかなか決まらない

という状況だったのです。


その後、事態が好転して、12月に

無事移転オープンにこぎつけたのですが、


「幸運だったとしか言えない」

顛末だったようで、そう聞くと、

興味が湧いてしまうというのが記者の性。


B-Lifeさんには、

一昨年BDもお邪魔しています。


なぜ移転することにしたのか?


山形大学ビリヤードサークルの皆は

どうなったんだろう???


……など、色々な疑問・質問を

大井プロにぶつけてみました。

 

…………

 

大井仁プロ(JPBA)
大井仁プロ(JPBA)


Information(新店舗データ):

山形県山形市小白川町1丁目1-10 シンガポールガーデン1F

023-624-7977

ポケット6台、3C1台、ダーツ5台

創業は1999年1月1日

B-Lifeのブログはこちら

(旧店舗の住所は、

山形県山形市薬師町1丁目16-10)


…………


――移転オープン、おめでとうございます。

そもそも、なぜ移転することにしたのですか?


「昨年の夏ぐらいから、B-Lifeも

目に見えて不況の波が大きくなってきまして、

このままじゃ危ないなと思いまして。


東北のプロ達とも話をしていたんですが、

旧店舗の家賃は、

他の所と比べても随分高かったんです。


固定費を圧縮していかないと、

ますます苦しくなってしまうだろうと考えて、

場所を替えようということになりました。


余談ですけど、仙台の北谷一郎プロとも

そんな話をしていたんですが、


やっぱり今は、

東京と名古屋のビリヤード場以外は、

全国的に厳しい状況にあるよね、

なんて話題にもなりましたね」


旧店舗。2013年撮影
旧店舗。2013年撮影
旧店舗内。2013年撮影
旧店舗内。2013年撮影


――あくまでビリヤード場は続ける道で。

 

「それはもうもちろんです。

 

ビリヤード場を辞めることは

全く考えてなかった。

 

旧店舗はビリヤード9台・ダーツ5台で

やってきましたけど、


たとえ、3~4台に大きく規模を

縮小してでもやるつもりでした」


――移転先はすぐ見付かったんですか?


「実はここに決まる前に、

別の物件に一度決まったんですが、


9月末に申し込んで10月11月と申請が通らず。


お客さんにも心配されるほど

具合の悪い日々を過ごしていました。


そうこうしてるさなかに、

色々なご縁がありまして、

今の場所に決まったんです。


これがまた山形大学のすぐ脇なんですよ。


家賃が高かったから3、4年間誰も入らず、

ついこないだ学習塾が入ったんですが

半年で出ちゃったという場所で。


その後、僕がかなり安い額で

借りられることになったんです。

しかも、床も壁も状態の良いままで」


――移転前と比べても安い訳ですね?


「はい。本来の賃料なら旧店舗よりも

だいぶ高くて無理な場所でした。


それが、賃料が半額ぐらいに下がって、

旧店舗よりも安くなったんです。


だから、家賃は減ったのに

物件的にはステップアップという形に

なりました。


これは本当に巡り合わせが良かったとしか

言えません」

 

移転オープン前の搬入風景
移転オープン前の搬入風景

 

――旧店舗でいつまで営業して、

新店舗はいつオープンしたんでしょうか?


「旧店舗は12/13までで、

こっちは12/22からです。


1週間ちょっとで慌ただしく移りました。


学生達も撤去作業を手伝ってくれたりして(笑)、

週末には業者さんに入ってもらって。


助けてくれた皆さんに感謝しています」


――旧店舗からどのぐらい離れた場所ですか?


「3kmですね。


より良い立地になりました。

山形の繁華街も近いし、山形大学のすぐ脇です。


山形大学のサークルのメンバーも

すごく喜んでくれています。

学校の目と鼻の先です」


――新店舗にはスリークッション台を

入れましたね。


「やっぱりウチも10年~15年ぐらいの

長い常連の方が増えてきまして。


ポケットだけでは物足りなくなってきた、

3Cを入れてほしいという声は

以前からあったんです。


なので、以前から台を探していました。


で、この移転を機会に新しく

『ビバーチェ』テーブルを入れました。


昨年の『和歌山プレ国体』で使われた台です。


今は僕も3Cを撞いてる方が長いかな(笑)」

 

山形大学サークルメンバー
山形大学サークルメンバー

 

――まだ移転オープン2週間ですが、

お店はどのような状況でしょうか。


「お陰様で、良い感じでお客さんが

来てくださっています。


最近来られてなかった古い常連さんも、

これを機会に顔を出してくれたり。


一般のお客さんも、

徐々に増えていっている感じです。


お陰様で僕のメンタルも回復しました(笑)。


実はこの物件は築20数年なんですが、


その初期の頃、ビリヤード場だったそうです。

僕はそのお店があった時代に

来たことはないんですけどね。


でも、昔を知る方に、

『今と同じ場所に3Cテーブルが

置かれていたんだよ』と言われました。


そのビリヤード場の後、また別の、

ちょっとゲームセンター色の強い

ビリヤード場になりました。

そのお店は僕も記憶にあります。


なので、この建物にとって、

新生B-Lifeは3つ目のビリヤード場になります」


――それはちょっと不思議なお話ですね。


「ですね。

ウチはなんとか長く続けていきたいです(笑)」


――最後に、大井プロから見た、

今の山形のビリヤード事情はいかがでしょうか?


「そうですね……。


B-Lifeの場合は、

幸いにも山形大学のビリヤードサークルの

メンバー達がたくさん来るので

若いプレイヤーがいると言えばいるんですが、


若い社会人のプレイヤーが少ない、というか

増えていかないんですよね。


これは県内の他のビリヤード場も同じかもしれません。


山形という場所の場合、

多くの若者が仙台や東京で就職しますから。


だから、毎年サークルに新入生は入って来ますけど、

長く通えるであろう若い社会人は少ない。


これは地方都市はどこもそうなんでしょうか。


でも、それは仕方がないことですからね。

なんとか頑張っていきたいなと思います」

 

…………

 

祝・再出発。そして、末永い営業を祈願!

 

…………

 

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