ナインボールで残り⑦⑧⑨の3球。
これをどう取るか。
ハイアマ達の取り方は
昨日のエントリをご覧下さい。
…………
で、肝心の佐藤プロの、
「昔からこう取ることが多かった」
というショットセレクションは……。↓
まず、⑦を右上コーナーに入れて、
手球は軽い引き球で左長クッションに入れて、
クッションから10cm~15cmほど浮かせる。
⑧に真っ直ぐにはしませんが、
厚めに出します。
…………
そして……
⑧を入れて、
撞点:上+気持ち逆ヒネリ
(ここでは左ヒネリ)の、
押し球ツークッションで⑨へアプローチ。
これは結構しっかり撞く球です。
パワーをそこそこ掛けますし、
押し球のラインコントロールの
精度も求められます。
このチョイス、
確かに少数派かもしれません。
…………
「……ですかねぇ(笑)。
私は前から⑧のこの押し球は慣れていて
得意なのもありますし、
今までこの配置が来たら
ほとんど自動的にこう組み立ててましたね。
この取り方だと、
⑨が土手撞きになっちゃうことも
あるんですけどね(笑)」(佐藤)
では、なぜ佐藤プロは、
「自動的に」こう取るようになってきたのか。
聞けば、
「厚め厚めに取るのが好きという訳でもない」
そうです。
考えられる理由の一つは……、
「たぶん背が高くないからかな」。
なるほど。
佐藤プロは身長156cm。
5cmぐらいのヒールのあるクツを履いても
まだ160cmちょっと。
そうすると、
ポジションの考え方の基本とも言える、
「センター出し」
(テーブル中央に手球を出しておけば
どの球にも繋ぎやすい)をした時に、
体を目一杯伸ばして構えても
手球に届かないとか、
届きはするけど、
しっかり撞点を撞けないという配置が
出てきます。
例えば、下図は昨日の図に手を加えて、
手球をより⑧に近付けた絶好球ですが、
佐藤プロはちゃんと撞けません
(体を伸ばしても届きません)。↓
こういう経験を繰り返すとどうなるか。
「微妙にテーブル中央を避けて
手球をポジションすることがある」
ことになります。
同様の話を、
他の女子選手からも聞いたことがあります。
テーブルど真ん中よりはその周囲、
時にははっきりクッション寄りの場所に
手球をポジションすることが
「普通」になってくるということです。
「それが積み重なってきて、
この配置ではこの取り方が
パターン化したんだと思います。
だから、この⑧から⑨のこの押し球も
たくさん撞いているので苦手意識はないです。
私の場合は(笑)。
皆には
『嫌だ』とか『出しミスだと思ってた』と
言われましたけど(笑)。
逆に、私以外の人達が選んでた
⑧から⑨の押し球2クッションは、
私はあまり選んできてないし
撞いてきてないから、
少し違和感がありましたね。
押し球で1クッション目に入るポイントの
イメージが少し薄いというか。
フリによっては
左下コーナーへのスクラッチも見えるので、
積極的に撞きたい球ではなかったです。
でも、今回、いい機会だと思って
冷静にラインをイメージして撞いてみたら、
ちゃんと撞けたし、
『あ、こっちかな』って思えました」
恐らく、佐藤プロのチョイスは
多数派ではないと思いますが、
本人は何度も
これで取り切ってきたことがあるので、
佐藤プロにとっての「正解」ではあった訳です、
これまでは。
これからは昨日の(ハイアマ達の)
取り方に変わっていくのでしょう。
皆さんなら、
どんなショットを選ぶでしょうか。
…………
……ということで、強引にまとめると、
「佐藤プロ、引き出しが増える」の巻でした
(ほんと強引ですね……)。
でも、真面目な話、
自分のやり方に疑問を持ち、
すぐ検証や学習をして、
「自分は凝り固まっていた」と
はっきり表明していたところに
プロ2年目の向上心を感じました。
佐藤プロがFacebookに書いていたことには
頷くことしきりだったので、
(それを少し編集して)
本稿の締めの言葉とします。
「知らず知らずのうちに、
自分の考え以外受け入れない頭に
なっていたので、
何回もこういう配置が来ているのに、
違うことをやってみようと
思えてなかったです。反省ですね。
自分の中の正解は正解じゃないかもしれない。
本当、知らないことがいっぱいあって、
出来ない事も多いけど、
それを知ることが成長に繋がると思う。
奥が深いな、ビリヤード」
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