〈BD〉ノー・ヘッドアップ。ボーニングの世界選手権プラクティス

Shane Van Boening
Shane Van Boening


9月の『世界選手権』の取材に行った時に、


記憶に残っている光景が

アメリカNo.1選手、

S・V・ボーニングの

プラクティスタイムです。


世界選手権では試合前に、

試合テーブルを使って、

各自15分~30分ほど練習ができます。


本大会準優勝だったボーニングが、

最終日の朝、


準決勝と決勝戦が始まる前に、

繰り返し撞いていたのがこんな球でした。↓



ロングの真っ直ぐのストップ。

手球はクッションから球1~2個分浮き。


ストップさせるには、

少しキューを立てる必要があります。


この配置をだいぶ念入りに……

20球~30球ぐらいはやっていたでしょう。


百発百中……という訳ではなく、

1~2球外れた後に、2~3球連続で入る、

というような感じでした。


球が入る入らないよりも、

スタンスやストロークの確認が

メインだったのだろうと思います。

レストはオープンのままでした。


結構なスピードでキューを突っ込んでましたが、

体の動きやヘッドアップはほぼ皆無。


写真を3枚並べてみましょう。↓


上から、

テイクバック

インパクト

フォロースルー

です。



頭部はほとんど動かず、

黒目だけが動いています。


ヘッドアップしながらタイミングを合わせる

選手もいますので、一概には言えませんが、


ヘッドアップするしないは

選手のその日、その試合の

コンディションの良し悪しのバロメーターとして

BDもよく見ています。


この時のボーニングは、

ヘッドアップは全くなし。

あまりも同じように滑らかに撞き続けているので、

思わずじっと見入ってしまいました。


ボーニングがこの練習をしている時、


何人かのカメラマンが

超至近距離で連写しまくってましたが、


ボーニングは一瞥もくれず、

ニコリとすることもなく、

入り込んで練習してました。

コンセントレーションも万全だったと思います。


本稿と直接的な関係はないですが、

ボーニングのこんな動画を発見しました。

引き球です。↓



…………


余談ですが、

特筆すべきは彼のインパクトサウンドで、

非常に硬い音がします。


全日本選手権でもそう感じた方が

いたんじゃないでしょうか。


同じ場所に選手が何人いても、

撞音で「あ、ボーニング、いるな」と

わかるレベル。


硬い音の原因がどこにあるのかは

わかりません。


タップ、先角、シャフト、ジョイント、

それともバット……なんでしょうか。


あるいは、世界選手権では

ずっとコレ(↓)を付けっぱなしだったので、

そのせいかもしれません



キュー尻のエクステンション。


さすがにこれを付けっぱなしだと

バランスがだいぶ変わると思うんですが、

ボーニングは意に介する様子もなく

普通に撞いてました。


ウワサでは彼が契約して

使っているCUETECキューは、

チューンナップされてない

市販品同等のものだと聞いたこともあります。


これだけきれいに腕が振れるなら、

特別なキューである必要がなく、

慣れたキューでありさえすれば

十分ということなのかもしれませんね。


以上、偉大なショットメーカー、

ボーニングのあれこれでした。


…………

 

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