〈BD〉カスタムの輝き・「ハーセック」編

 

カスタムキューを多数取り扱っている

UK Corporation

 

その代表、大原秀夫氏が所蔵している

キューを見ていく本企画

(※過去記事はこちら)。

 

今回ご紹介するのは

Joel Hercek(ジョエル・ハーセック)です。

 

アメリカ・イリノイ州在住のハーセックは、

あの名匠、バートン・スペインの

機材とノウハウを引き継いで

1990年代に製作を始めたメーカーです。

 

…………

 

 

ハーセックが2000年前後に作ったキューが

この4剣ハギのクラシカルなモデル。

 

フォアアームは

バーズアイメイプルをベースにして、

エボニーのハギを黒・黄緑・茶色の種板が

縁取っています。

 

スリーブはエボニーに、

象牙のレクタングル(長方形)と

ダイヤデザインを入れ、

スクリムショウ(彫刻)を施しています。

 

リングも象牙+スクリムショウで作ってあり、

上下を黄緑の種板で挟んであります。

 

気品と高級感あるデザインですね。

 

このキューは「Not for sale」です。

 

 

大原氏談:

 

「これはハーセックが

ブレイクする直前に作られたモデルです。

 

ハーセックは元キューディーラーで、

 

バートン・スペインがガンを告知された後に、

彼の技術や機材やノウハウを引き継いで、

メーカーになりました。

 

バートンが作ったハギも受け継いでいたので、

恐らくこのキューには

それが使われているでしょう。

 

このキューを僕が入手した後、

彼のキュー価格は一気に高騰。

 

僕はこれを

2800ドルぐらいで購入したと思いますが、

こないだ聞いた話では、

今だと7000ドルを越えるんじゃないか

ということです。

 

彼の製作技術は確かですし、

プライドもあります。

 

ハーセックの工房に行ったことがありますが、

棚にはざーっと失敗作が並んでいて。

 

パッと見、問題なく見えるんだけど、

『ほら、ここが失敗してるだろ』

と見せてくれる。

 

要は、同じ過ちをしないようにするため、

戒めの意味でここに置いていると。

 

そして当時は、

失敗しないように同じデザインで2本作って、

出来の良い方を売るということをやってました。

 

最近は技術力が更に上がって

なんでもできるようになったので、

私からすると、ちょっと気持ちの悪い

デザインも出てきてます(笑)。

 

ハーセックのちょっとしたこだわりは、

ジョイントキャップが塗装されていないところ。

 

普通なら塗装してポリッシュして

ごまかしちゃうようなところですが、

技術の高さをアピールするためでしょう、

何も塗ってないです。

 

それから、

これはバートン・スペインのハギの

特徴になりますが、

『フル・スプライス』になっています。

 

多くのメーカーが

フォアアームとハンドル(グリップ部)を

ボルトで繋いでいるんですが

これは木だけで組まれている。

 

糸巻きを外すとこのハギが

グリップの所で途切れてないことがわかります。

 

この工法だとバットが

ものすごく強靭になるという利点があります。

 

そういった特徴もさることながら、

私が好きなのはこのデザインの美しさ。

 

ハギにオリーブ色の種板をあしらうこのセンス。

上品で洒落てますよね」

 

 

(了)

 

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