(↑キューをやや立て気味にしていますが、
常にこうではありません)
梅田プロは決して大柄ではありませんが、
構え(フォーム)とストロークは雄大です。
動画では端折っていますが、
素振りもはっきりとしています。
大きく、しっかり引いて、
正確に戻していく――
それが梅田流でしょうか。
腕以外の部分はカッチリと
ロックされたように微動だにせず、
腕だけが振り子人形のように動く
イメージです。
(スロー動画を観て)
「そうですか?
自分では、これはあんまりよく
振れてないと思うけどなぁ(笑)。
ただ、思ったより身体は動いてないですね」
と梅田プロ。
「確かに身体は動いてません。
……あの、そもそも
身体が動かないのは良いことなんですか?」
と尋ねるBD。
「いや、必ずしもそうではない。
絶対に動いちゃダメということはないですよ」
(梅田)
このやりとりを聞いていた
小林英明プロも「そうそう」と話に加わります。
「僕は、球が当たるなら
身体が動いたって良いと思いますよ」
(小林)
「そうだね。
例えば世界のトップ連中を観てても、
D・ヤスパースなんかは割と身体が動くし、
それでもばんばん当ててるしね」
(梅田)
「梅田さんも動きながら当ててる時もある」
(小林)
「うん。
身体が動く動かないとか、
ヘッドアップするしないよりも、
まず大事なのは目線かな。
腕を振っている時に、
球を目で見てしまうと、
一緒に目が上がって行ってしまい、
キュー先も上がっちゃう。
それだとショットに悪影響が出ますね」
(梅田)
なるほど。
話が目線に及んで来たので
さらに質問を重ねてみます。
「キャロム選手の皆さんは、
ショット時にどこを見ているんですか?
ポケットでは的球を見ながら撞く人が多いですが」
(BD)
「うーん、どこも見てないですねぇ。
たぶんそれはD・サンチェスや
T・ブロムダールなんかも
同じじゃないかと思いますね。
というか、球を見ることで
目が上がってしまうのが嫌だから、
むしろ下を向いて撞くとか、
目をつぶって撞いた方が良いと思ってるぐらい。
実際、それでも当たるんですよ」
(梅田)
「ほんとそうです。
BDさん、うちの親父
(※小林伸明プロ。世界チャンピオン2度。
梅田竜二・小林英明両プロの師でもある)
の名言、知ってます?
『目で球を見て撞いてるようじゃダメ。
ここで見るんだよ』
(と、右拳〈グリップ〉の
親指と人差し指から成る輪の部分を
パンパンと叩く)
ここですね。ここで"見る"んです。
この話はね、僕もそう思います」
(小林)
キューを握った拳の、"前面"で見る。
なるほど。
確かに右拳視点で手球越しに
的球との位置関係をイメージすると、
違った地平が拓けてくるような
気がします。
両プロ、貴重なお話を
ありがとうございました。
ぜひまた詳しく教えてください。
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