〈BD〉「最後まで折れずにできた」――GPW-1優勝・大井直幸の談話

Naoyuki Oi 2016   Photo :  Akira Takata
Naoyuki Oi 2016 Photo : Akira Takata

 

先週末、大阪で行われた

『Grand Prix West 第1戦』

(JPBA西日本男子プロツアー)。

 

優勝した大井直幸プロの談話をお届けします。

 

日本No.1選手として、

挑まれる立場で戦うことの難しさについても

聞いています。

 

大井プロの次の試合は

『チャイニーズ8ボール世界選手権』です。

 

…………

 

Naoyuki Oi

JPBA40期生

1983年1月10日生 東京都出身・大阪府在住

JPBA年間ランキング1位・4回('06年、'12年、'14年、'15年)

2012年『ナインボール世界選手権』3位

2014年『全日本選手権』準優勝1回

『全日本ローテーション』優勝2回

『北陸オープン』優勝5回

『北海道オープン』優勝2回

『東海ナインボールグランプリ』優勝2回

『グランプリウエスト』(GPW)では通算13勝

『ワールドカップオブプール』3位・2回

他、優勝・入賞多数

EXCEEDプレイヤー

 

Flexsche Cup 2015
Flexsche Cup 2015

 

――今のお気持ちを。

 

「今年に入って、

『関西オープン』、『京都オープン』と

2戦連続準Vだったんで、

勝ちたかったと言えば勝ちたかったし、

嬉しいですね

(※京都オープンは

プロランキング非対象イベント)。

 

京都オープンは特に気持ちの面が

良くなかったんだけど、

今回は少なくともそこだけは良かった。

 

細かく言えば

まだぬるいところもあったけど、

最後まで折れずにできました」

 

――京都オープンも今回も

ファイナルでアマ選手と当たりました。

やりづらさは?

 

「それは全然ないですよ。

僕はなんとも思わない。

というか、そういうことを

考えてる余裕はなかったですから。

 

それに、アマチュアと言っても

ファイナルまで来るんだから、

プロより上手いとも言えますよね」

 

――挑まれる立場になって久しいですが、

そうなって球や精神面は変わったんでしょうか?

 

「変わった……かなぁ。

やっぱり変わってきましたね。

 

良い部分もあるんだけど、

どちらかと言うと悪い部分が強いかな。

 

日本の試合だと、

自分とばっかり戦ってると思う。

 

その感じが、結果として

上手くなるとか強くなるのを

妨げている気はしています。

 

ビリヤードは、誰とやっても

自分がパーフェクトに撞けば勝てる。

それはわかってるんですけど、

実際のところパーフェクトになんて

撞けないじゃないですか。

 

撞けないのに、

日本にいる時はそれを求めてる。

 

パーフェクトになることばかり求めちゃって、

メンタルコントロールできなくなっちゃう。

 

あんまりにも出来が悪いと

心が折れたりもするし。

 

その辺、まだ本当の意味では

戦うということがわかってないんでしょうね。

 

試合はしてるけど、戦ってはないような。

 

最近、ビリヤードの試合っていうのは

そういうんじゃないよなって

改めて思ってます。

 

だって、外国に行って外国人とやると、

パーフェクトを求めるだのなんだの

そんなこと考えてる余裕はないからね。

 

最終的に勝てばいい。

自然とそう思えている。

 

そういう国内国外での考え方の違い?

その辺をどうにかせなあかんなと思ってて。

 

それはもうどんどん海外に

出て行くことでしか解決しないよね」

 

――海外だと自分が挑む側になれる?

 

「"挑む"ということじゃないかな。

 

強い相手ばかりだし、

自分がワンミスしかしてなくても、

相手がミスらなくて負けちゃうような

場だけど、

 

"挑む・挑まれる"というんじゃなくて、

同じレベルで戦っている感じ。

 

国内ではそういう気持ちになれる試合は

少ないですね。

トップレベル相手だとそうなるけれど。

 

変な余裕が生まれてしまう。

余裕があるから考えちゃう。

『今日はアカンわ』とか。

それは本当の戦いをしてないっていう

ことじゃないかなと。

 

最近は、相手が強いとか、

自分が追い詰められたっていう時に、

良いパフォーマンスが出せていると

思うんだけど、

 

それってもう単純に

集中してる・してないの問題でしょう。

 

集中して頑張ってたらまあ良いんですよ。

仮に球が外れてもね。

 

今回のGPW-1はその点がまあまあできたから、

良かったんです。

 

でも、そこに達してない試合もあるからね。

ちょっと冷めちゃってるというか。

 

その状況が良い訳じゃないってこともわかってます。

何かを変えないといけないから、

手っ取り早いのは海外に行くことだろうって。

 

行かないと変わらない。

行かないと勝てない。

行かないと刺激がない。

今はそう思ってるんです」

 

――実際に海外遠征を増やすんですか?

 

「そのつもりです。

 

海外戦とランキングポイント対象試合が

かぶった場合でも、

今年は海外戦を選ぶことが増えると思います。

 

例えば秋の『USオープン』とか。

今年は行きたいですね。

 

今までは、特に秋ぐらいになると

国内のランキング争いも終盤になってくるし、

どうしても国内公式戦を優先してたけど、

もうそれも良いかなって。

 

この状況を守っててもずっと一緒だからね。

単純にそれじゃ面白くないってのもあるし、

海外に行きたい時に行かんかったら、

いつ行くんだって話だし。

 

今でも国内で勝つのは嬉しいですよ、

もちろん。

 

嬉しいけど、手放しに喜ぶことは少なくて、

勝ってホッとしちゃってる。

それは何か変だな、と。

 

何を捨てても良いぐらいの気持ちで

やりたいよね。

 

海外にいると、予選だろうがなんだろうが、

ひとつ勝っただけで優勝したように嬉しいもん。

 

そうなれる場所にできるだけたくさんいた方が

良いんだろうって思います」

 

――種目は違いますが、まずは3月の

『チャイニーズ8世界選手権』ですね。

 

「そうそう。今は一旦、

チャイニーズ8(C8)モードになってます。

さっきもプロ達と練習してました。

 

でも、C8は趣味ですから」

 

――趣味!?

 

「まだその程度ってことですよ。

 

外国人選手とやったら

勝負はわからないけど、

 

トップクラスの中国選手とやったら……

まあ、趣味の人だよねぇ(笑)。

 

でも、ポケットをやる上で、

C8はすごく良いなってつくづく思ってます。

 

ずっとC8ばかりやり続けてると、

ちょっとポケットビリヤードが下手になるのも

事実なんですけど、それがまた良いんですよ。

 

ポケットビリヤードを再発見できてね。

『もう一回ちゃんと練習せなあかん』

っていうテンションになるから。

 

C8が良い箸休めになっているというか、

ポケットを高められる種目だと思います」

 

(了)

 

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