カスタムキューを多数取り扱っている
その代表、大原秀夫氏が所蔵している
キューを見ていく本企画
(※過去記事はこちら)。
今回紹介するのは、
1989年から1996年にかけて
多くの名キューを世に送り出した
「オメガ」のキュー(後にオメガ/dpk)。
オメガの設立者の一人である、
Mike Bender(マイク・ベンダー)が
手掛けた一本です。
ベンダーと言えば、昨年末にBDでは
2本のベンダーキューを紹介しましたね
(こちらから)。
彼は独立する前、
オメガでキューを作っていました。
…………
これは、アメリカのベテランプロ選手であり、
TV解説者としても活躍していた
Billy Incardona(ビリー・インカードナ)の
名前を冠したモデル。
フォアアームのベース材はバーズアイで、
エボニーの5剣ハギが入り、
その内側の象牙のインレイには
スクリムショウ(彫刻)が施されています。
スリーブはエボニーがベースで、
長方形の象牙ウィンドウが5つインレイされ、
こちらにもスクリムショウが入っています。
華美すぎることなく、
バランスよく引き締まった感じで、
質実剛健な印象を与えるデザインです。
大原氏は、オメガという会社の起こりから
説明してくださいました。
大原氏談:
「オメガは、マイクとマットのベンダー兄弟と
もう一人の人物によって、
1989年にシカゴの郊外で設立されました。
当時の名前は『オメガ・キュー・カンパニー』。
「オメガ」の名付け親は、
シカゴのキューディーラーのジョン・ライトです。
彼はギリシャ系のアメリカ人で、
英語のアルファベットの最後の文字「Z」に相当する
ギリシャ文字の最後の文字「Ω」(オメガ)を
社名に使うことにしました。
しばらくして運営が思わしくなくなり、
David Paul Kersenbrock
(デビッド・ポール・カーセンブロック)を加えて、
『Omega/dpk』となりました。
1991年にはマイク・ベンダーが
オメガ/dpkから独立。
その後も
オメガ/dpkではキューが作られていましたが、
結局、1996年に製作を止めてしまいます。
最近では
「オメガ・キュー・カンパニー」のキューも
「オメガ/dpk」と言って
売る人・買う人が多いのですが、
今は見極めが難しいです。
さて、このビル・インカードナモデルは
10本作られたうちの1本です。
製作年は……1989年ぐらいのはず。
当時は、まだビルが
元気にトーナメントの第一線で活躍していて、
TVコメンテーターの仕事もよくやっていました。
彼本人のネームバリューも高かった時代だったので、
このキューを入手するのは簡単ではなかったです。
私は、先に話したディーラー、
ジョン・ライトから手に入れました。
写真が私の所に送られてきて、
次の日にもうオーダーしちゃったというのを
覚えてます(笑)。
後日、これを携えてアメリカに行った際、
ベンダー本人に見せたら
とっても嬉しそうな顔をしてました。
これはNot for Saleです。
余談ですが、
なぜか私はベンダーが作ったキューを
いつも数本持っていますね。
売らずに手元に置いているものが
常時5、6本あります。
デザインは、Simple but Great だと思います。
キューに入れられるスクリムショウというのは
自由度が高いゆえにコテコテしたものが多いですが、
これは直線とスクエアだけでやっているところに
オリジナリティがありますね。
スクリムショウもこういう風に入れると、
まとまりとスッキリした感じが出て
カッコいいものになるという好例でしょうか」
…………
大原さん、ありがとうございました。
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BD Official Partners :
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt
末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation
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