先週末の『ハウステンボス九州オープン』では、
男子プロ・アマに混じって5位タイという快挙。
そして来週、日本のエースとして、
台湾開催の女子ナインボールメジャーイベント、
『アムウェイオープン』(ステージ2)に
挑む河原千尋プロ。
意気込み・目標をうがかいました。
話は、優勝した5月中旬の
『大阪クイーンズオープン』から始まります。
…………
1985年1月5日生
JPBA39期生
JPBA女子年間ランキング1位・5回('10、'11、'13、'14、'15)
2013年『ジャパンオープン』優勝
『全日本女子プロツアー』優勝7回
『関西オープン』優勝4回
『東海グランプリ』優勝3回
『全日本女子ナインボールオープン』優勝3回(3連覇)
『セントラルレディースオープン』優勝2回
『北陸オープン』優勝1回
『関東レディースオープン』優勝1回
『大阪クイーンズオープン』優勝2回
『全日本選手権』準優勝2回
アジアンインドアゲームズ銀メダル2回、銅メダル1回
その他、優勝・入賞多数
――3週間ぐらい経っていますが、
『大阪クイーンズ』優勝の感想からお願いします。
「嬉しかったですね。
開幕戦の『関西オープン』で優勝できたけど、
その後2戦連続で入賞圏外だったので、
(※『全日本女子プロツアー第1戦』5位タイ、
『同第2戦』9位タイ)
大阪クイーンズで3戦連続入賞なしになってしまうと、
それはもう後々意識してしまうなと思っていて。
私は毎年、
だいたい前半が良くて後半が良くないんですけど、
今年は前半から悪くなってしまうのか……とか。
なので、大阪クイーンズの前は
気合いを入れ直していたところでした」
――内容的にも納得が行く2日間でしたか?
「予選も決勝トーナメントもだいたい良かったですが、
決勝戦が一番良くなかったですかね。
ただ、そこまで行って焦っても仕方ないので、
そういう状態になっている自分をそのまま受け入れて、
チャンスが来たら頑張るだけでした。
あまり深くは考えてなかったですね」
――さて、終わったばかりの
『ハウステンボス九州オープン』は、
男子プロたちに混じってなんと5位タイ。
「自分でもびっくりですね。かなり」
――好成績の理由は何だったのでしょうか。
種目がナインボールで、
撞きやすいテーブルコンディションだったこと?
「ある……と思います。
ナインボールで、ブレイクは3ポイントルール適用。
テーブルコンディションも掴みやすかったというか、
パワーに頼らなくても
こなせるようなコンディションでした。
でも、一番大きかったのは
やっぱりメンタル的なハンデだと思います。
私は向かっていく側で、
男子プロの方は向かって来られる側になったと思うので。
普通の試合の時より気負っておられた方も
いたんじゃないかなと思います。
私としてはそこを活かさないと
もったいないと思って臨んでいました。
一方で、こういうオープン戦では、
『男子が相手だ』『ミスできない』
っていう意識が前面に出てきます。
今回はそういうプレッシャーを
自分で自分にかけてしまって、
空回りみたいな状態になってました。
だいぶわかりやすくそうなってたなぁ。
だから内容的には、トータルで見ると
めちゃくちゃ良かったという訳ではないです。
特に予選は6~7割ぐらいでしょう。
初日の最終戦(ベスト64)だけ良かったかな」
――良くも悪くも、普段の女子だけの試合とは違う
メンタルになっている訳ですね。
「女子の試合では
気持ち的に少し余裕があるのもありますし、
あそこまで乱れることはあまりないと思います。
チャンスが回ってくる可能性は、
どうしても男子より女子の方が高いですから。
もちろん女子の試合でも、
相手がずっと良いプレーをしていて
行かれちゃうこともありますけど、
それは単純にナイスだなと思えますし。
だから、女子の試合では必要以上に
自分にプレッシャーを与えてないというか。
適度な緊張感を保ったまま撞けてるので、
パフォーマンスレベルが下ることも少ないです。
今後こういう(男女混合の)
オープン戦に出る時の課題としては、
『男子が相手だ』『ミスできない』
ということを意識しながらでも
自分のパフォーマンスを出せるようにすること。
そこを心掛けながら、これからも
『グランプリウエスト』やオープン戦に
出られる限り出たいと思ってます」
――そして、来週はいよいよ
『アムウェイオープン』です。今の精神状態は?
「すごく落ち着いてます。
今年は初めて『ナインオンフット』ブレイクルールに
なるんですけど、
(※フットスポット上に9番が来るようにラックを組む)
ある程度、それ用のブレイクが固まってきたというか、
『これで行こうかな』というのが見付かったので
ちょっと気が楽になりましたね」
――女子の試合でナインオンフット採用というのは
結構衝撃的ですよね。想像が付きません。
「ホントそうですね。
荒れる可能性もあるんじゃないかなと思います。
台湾勢や中国勢がどういうふうに対処してくるかなという
興味もありますね」
――今まで河原プロのアムウェイでの最高成績は
2014年の5位タイ。その直後に
『優勝も不可能ではないと心から思うことができました』
というコメントをいただきました。
その思いは変わりませんか?
「もちろんです。
あれが一昨年ですか。2年経ってますし、
あの頃より上手くなっていると思うので、
自分の中での期待値は更に高くなっています」
――具体的な目標は?
「やっぱりベスト4以上です。
去年の『世界選手権』で4位だったので、
それより上に行きたいですね。
アムウェイの場合は、ベスト8以上に入れば
翌年のシードがもらえるので、
最低でもそこまで勝ち上がりたいです」
――今年のプレーや戦い方にテーマがありましたら。
「それはあまり考えてなかったですが……。
『しつこくやる』ですかね。これまで以上に」
――しつこく、というのは?
「『一球一球確率を考えて判断する』
ということです。
例えば、セーフティをよりきっちりやるとか、
空クッションをしっかり考えるであるとか、
ここのところ、そういった面の
イメージが良くなってきているので、
本番でも一つ一つきっちり決めて行けら、
そんなに悪い成績にはならないんじゃないかなって
思ってます。
そう……、だから、
『自分からは戦わない』スタイルというか。
『こういうプレースタイルだったかな、河原は』
と周りから思われるぐらい、
確率や判断にこだわってやっていきたいです」
(了)
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