台湾で行われた
女子ナインボール国際メジャーイベント
(2016 Amway 9-ball Championship)。
優勝したフィリピンの16歳、
チェスカ・センテノ(Chezka Centeno)の、
試合後の談話をお届けします。
決勝戦の直後にステージで喋った内容と
記者室でメディアに語ったもの、
それから、BDが彼女のお父さんから聞いた話を
ミックスして構成しています。
「ラン&ガン」な攻撃ビリヤードを信条とする
センテノですが、
キューを置くと、小さな声でポツポツと、
はにかみながら遠慮がちに喋る16歳の女の子。
まだ英語でのスピーチに慣れていないため、
彼女が"姉"と慕うフィリピン女子トップ選手、
R・アミットがタガログ語↔英語の通訳を務めています。
…………
Chezka Centeno
1999年6月30日生
フィリピンミンダナオ島サンボアンガ出身
ビリヤードは5歳から
現在はマニラ拠点
2014年『アジアジュニア女子』優勝
2015年『世界ジュニア女子』優勝
2015年『SEA Games』優勝
2016年『アムウェイカップ』優勝
他、入賞多数
センテノ談:
「初めて国際メジャータイトルを
獲ることができてとても嬉しいです。
アムウェイカップの歴史上、
最年少チャンピオンになれたことも嬉しいです。
今月末に17歳になりますが、
バースデーギフトを一足早くもらうことができました。
そして、父の日のプレゼントになったかな(笑)。
どの試合も、勝てたのはとてもラッキーでした。
特にケリー・フィッシャーとの決勝戦は
ツイていたと思います。
彼女のような偉大なプレイヤーに勝てるなんて、
ツキがなければ難しいです。
ケリーは尊敬しているプレイヤーですし、
試合を楽しむことができました。
1-5までリードされた時は少し緊張しましたが、
これは本当に大きなチャンスですし、
自分を信じて撞きました。
第8ゲームの3-9コンビと最終ゲームの8-9コンビは、
ともに3だけ、8だけを狙えるコースはありましたが、
そちらの方が確率が低いと判断してコンビを狙いました。
ビリヤードを始めたの5歳からです。
始めのうちはお父さんに教わっていましたが、
その後、フィリピンのベテラントップ選手の
ルドルフォ・ルアットに指導を
受けるようになりました。
崇拝するプレイヤーはアミットです(笑)
(アミット、照れ笑い)。
次の大きな目標は8月のチャイナオープン。
それまでまたマニラで毎日練習していきます。
今回優勝できたのは、
神様とマイチーム(アミットと父)、
会場に来てくれたフィリピン人ギャラリー、
それからスポンサーのおかげ。
深く感謝しています。
そして、この素晴らしい大会を長年に渡って開き、
我々プレイヤーに親切に接してくれる
台湾の皆さんと台湾アムウェイに感謝しています」
…………
ファイナルで敗れたケリー・フィッシャーは、
センテノをこう評しています。
「彼女が相手だと、セーフティもプッシュアウトも
テーブル上のどこにも安全な場所はない。
ファンタスティックでデンジャラスでクイック。
本当に素晴らしいプレイヤーだ。
この先、間違いなくたくさんファイナルを撞くだろうし、
タイトルも数多く獲るだろう。
今日は心から『おめでとう!』と言わせてほしい」
最大級の賛辞ですね。
そして、センテノの父は、
「私の娘の強さは攻撃力そのものというより、
それを実行できるハートにあると思います」
と、強心臓ぶりをアピールしていました。
それもうなずける話ですね。
…………
さて、On the hill !さんでは
彼女の試合動画まとめ記事が上がっていましたが、
BDでもセンテノの短い動画をご紹介します。
センテノがベスト24に入ったことを知った
BD読者さんから教えていただいた動画です
(ありがとうございます!)。
3年前、13歳のセンテノ。
もう今に通じるスタイルがほぼ固まっていますね。
というか、このビリヤード場、濃いなぁ(汗)。
この環境で撞いてたら、
ストロークパワーと心臓が鍛えられそう。
…………
もう一つは14歳か15歳の時の映像。
フィリピン男子トップ選手、
ジェフリー・デルーナとの10ボールの相撞き。
そのラスト1ラックです。
12ゲーム先取マッチですが、
動画のタイトルに「+5 racks」とあるのは、
5点のハンデをもらっていたということかもしれません
(5-0の状態から始める)。
この映像では、
センテノがラストボールまで撞いているので、
"ボールハンデ"
(⑩以外に⑧や⑨など、ゲームポイントボールに
なる球を増やすハンデ設定法。フィリピンでは多い)
はもらってないようですね。
そしてセンテノ、さくっと取り切ってます。
未確認情報ですが、今センテノは
日本でもよく知られているフィリピン男子選手に
ハンデを"振って"プレーしているとも。
一線級の男子選手と撞き続けることで、
勝負勘と決定力が磨かれたのでしょう。
センテノ父によれば、
E・レイズやF・ブスタマンテといった
フィリピンの重鎮にも可愛がられているそうなので、
センテノの海外トーナメントやイベントへの出場機会が
この先ますます増えていくのではないでしょうか。
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