先週末のJPBA女子プロ公式戦、
プロ入り初優勝を飾った
藤田知枝プロの談話をお届けします。
今年準優勝が2度あり、
これが”三度目の正直”となった藤田プロ。
BD初の談話取材。
その準優勝×2回のことも聞いているので
なかなかのロングインタビューになっています。
…………
Chie Fujita
1984年1月29日生
JPBA44期生
愛媛県出身・埼玉県在住
2016年『全日本女子プロツアー第2戦』準優勝
2016年『同・第3戦』優勝
2016年『関東オープン』準優勝
使用キューはMUSASHI(ADAM JAPAN)
※『藤田知枝モデルMUSASHIキュー』が
優勝に前後して完成。
「短期間で馴染めそうであれば、
9月中旬の『東海グランプリ』から
実戦投入していく」とのこと。
…………
――初優勝から一夜明けて、今の気持ちは?
「いやぁ、率直に言って嬉しいですね」
――今年は二度の準優勝があり、
今回が“三度目の正直”となりました。
「はい、『勝てて良かったなぁ』
という気持ちもあります。
ファイナルでは、
『やっぱり今日も勝てないのかな……』と
弱気になってしまった瞬間もあったので」
――それは、6-1にできるマスワリの
9番を外した時ですか?
「そうです。
『こうやってまた負けるのかな』
って頭によぎるものがあって。
次のゲームで7番も外した時には、
『ああ、このパターンだ』って
追い詰められた気分になってました。
でも、そこでタイムアウトを取って、
気持ちを落ち着かせて帰って来たら、
改めて冷静に、
『まだ5-3だ。リードしてるし大丈夫』
と思うことができたんです。
『今日勝たんかったら、ずっと勝てんで』
っていう気持ちになれて、
そこからまた一球ずつ、
ちゃんと球に向かっていけました」
――最後はマスワリで上がりましたが、
ゲームボールの9番は、
ミスした9番に形が似てましたね。
「むちゃくちゃ似てましたね(笑)。
ミスした9番は、色々な方が言うには
撞くのが早くなってたそうです。
ゲームボールを撞く時は、
『さっきのと似てる』と思って、
一呼吸置いて撞点も変えました。
それが良かったのかなと思います」
――ファイナルは、
序盤は良い感じで撞けていたのでは?
「それはブレイクが良かったからだと思います。
今回は”9オンフットラック”ということで、
結構苦労していたんですが、
実は準決勝で対戦した青木絵美プロの
ブレイクがとても良かったので……」
――それを参考にした?
「ええ、参考にさせていただきました(笑)。
その付け焼き刃のブレイクが、たまたま
決勝戦のテーブルで上手いこと行ったので、
ああいう展開になったのかなと思います」
――決勝戦の最後のマスワリは緊張しましたか?
「半端ないです(笑)。
半端なく緊張しましたね。
私は組み立てる力が低くて
まだ下手だと思っているので、
目の前の球を一球ずつという感じで
確認しながら撞いてました」
――ゲームボールを入れた直後の気持ちは?
「それがですね……、
私、初優勝したら、絶対にキューを掲げて
『やったー!!』ってしようって
プロ入り当初から決めてたんです。
アマタイトルを獲った時
(2009年『プレ国体』)も
そうしようと思ってたんですけど、
テンパッてしまってできなかった。
だから、『プロでは絶対やるぞ』
と思ってたのに……
今回もできませんでした(笑)」
――そんな願望があったんですね。
「はい。
今回は9番を入れた時に、
『入った、良かった』という
安堵感が出てきてホッとしてしまい、
我に返ると、すぐ近くに
笑顔で右手を差し出してくださっている
梶谷プロの姿がありました。
『ありがとうございます!』と握手して、
一人で余韻に浸りかけて
キューをしまおうとした時に、
『あ、何もしてない』と気付き、
まだ拍手をしてくださっている
お客さんの存在を感じたので、
くるりとお客さんの方を振り返って、
思わずぴょんぴょん飛び跳ねただけという。
謎の後悔が、あります」
――ガッツポーズはお預けということで……。
丸2日間、自分の力は出せましたた?
「2日目の初戦(ベスト16・vs 元廣麗子)は
テーブルコンディションに合わせられず
ひどい出来でしたけど、
それ以外は出せたと思います。
ベスト8(vs 河原千尋)のテーブルが、
好みのコンディションだったこともあり、
復活できたというのも大きかったですね」
――今回、試合に臨む上で
テーマにしていたことは何かありますか?
「『相手が誰であれ、テーブル上の球は常に一緒』
ということを最近心掛けていて。
『相手によってボールのコンディションが
変わったりすることはない。
この配置、普段の自分ならどうしてる?』と
球と向き合っていく感じです。
決勝戦の、折れそうになった瞬間以外は、
それを守ってプレーできていたと思います。
1回目の準優勝(4月。vs 梶谷景美)の時は
そのことを心掛け始めていた頃で、
準決勝までは意識プレーできていたんですが、
でもやっぱり、初めての決勝戦で、
相手が”女王”だって思った瞬間に、
全くできなくなってしまった。
自分にできもしないショットや、
練習でもしたことがないようなショットを
選んでしまったりして、
どんどんドツボにはまってましたね」
――2度目の準優勝(7月。vs 平口結貴)
の時は?
「あの時は、そのテーマは
ちゃんと最後まで守れてました。
(平口)結貴とは、
『アムウェイ』(台湾。6月)の時とかも
一緒に撞いたりしているし、
互いのプレースタイルもわかっていて、
『結構似てる?』とも思ってます(笑)。
だから、あの決勝戦は
互いの力を存分に出して、
ぶつかり合えたらいいと思っていたし、
ブレイクが悪かった以外は
その通りにやれたんで、
出し切った上での納得の負けでした」
――といっても、準優勝が2度続くと、
あとあと悔しくなってくるのでは?
「そうなんですよ。
1回目の準優勝は、
自分が背伸びして選択ミスをたくさんしたし、
相手が女王で、スコアも離れてて、
しょうがないと思えました。
でも、2回目は、負けた瞬間は
自分もやれることはやったと納得できたし、
『向こうの方が上手かった』なんて
思ってたんですけど、
日が経てば経つほど、
そして、結貴の記事が上がれば上がるほど、
『いや~、勝ちたかったなぁ……』って
後からきましたね(笑)。
ただ、結貴とは仲が良いということもあり、
彼女が優勝したことが嬉しくもあったんです。
プロ入り3日目で初優勝とか
二度と破れないような記録を作ったし、
その相手になれたことが、
嬉しいような複雑な気分でした」
――今年7戦して、優勝1回、
準優勝2回、3位1回。好調の秘密とは?
「一番大きく変わったのは環境ですね。
四国から関東に出てきて、
年明けから会社というものに入って、
毎日仕事をして(『LINK西川口店』勤務)。
それで試合に出られる環境が整いました。
以前は出られる試合が限られていたので、
『半年分の練習の成果を、
この1試合に全てぶつけなきゃ』
みたいに思ってしまい、
空回りしちゃってたんですよね」
――ああ、気負ってしまいますよね。
「でも、今は全試合に出られてるので、
『今、全てを試さなくて良い。
次の試合でも良いから』
って思えるようになってるかな。
それで無茶なことをしなくなったというのは
結構あると思うんです」
――現時点で残っている課題とは?
「さっきも言った組み立て力。
それから、私はまだまだ試合では
プレースピードが激遅になってしまいます。
普段よりだいぶ遅くて、
全く自分のペースじゃなくなってる時があるので、
もうちょっと普段と試合の間の
差を縮めていきたいです。
昔よりはだいぶ近付いているんですけどね」
――次戦は2週間後の『東海グランプリ』です。
「褒められるとすぐに
調子に乗ってしまうタイプなので、
一回勝ったからといって気を緩めることなく、
もう一度、また一から挑戦するつもりで
気を引き締めてやっていきたいと思います」
――改めて移籍先の関東のファンへメッセージを。
「関東に来て、今まで以上に
多くの方と知り合う機会があり、
日々たくさんの方から
『試合、頑張って』と
声を掛けていただいています。
私はそういうのがめちゃくちゃ嬉しくて、
いつもめっちゃパワーになっています。
そのことに感謝していますし、
これからもガンガン声を掛けてもらえると
嬉しいです」
――この2週間で、
溝渕一洋選手(名人戦A級戦勝利)、
青木亮二プロ(GPE-5優勝)、
そして、藤田プロと、
四国出身者が大活躍ですね。
「これだけ連続で勝つというのは
初めてのことだと思うので、
もう大騒ぎですね、四国は(笑)。
四国の方からも既にたくさん
お祝いメッセージなどをいただいていて、
本当に嬉しく思っています。
これからも応援よろしくお願いします」
(了)
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