先週、ニューヨークで行われていた
『ワールド14-1』。
2010年以来2度目の出場となった
羅立文(JPBA)は、
グループラウンド無敗(5勝0敗)で
決勝ラウンドに進み、
ベスト8ではディフェンディングチャンピオンの
T・ホーマン(ドイツ)を破って
準決勝では惜しくも
M・イモネン(フィンランド)に敗れて、
3位タイでフィニッシュしました
(大会はそのままイモネンが優勝)。
帰国した羅プロは、今週末の
『東海グランプリ』に出場します。
愛知への移動中に
コメントをいただけましたので、
以下でお届けします。
…………
Lo Li-wen
1978年7月10日生
台湾出身・神奈川県在住
JPBA43期生
JPBA年間ランキング1位・1回('10年)
『全日本14-1選手権』優勝3回
『北海道オープン』優勝3回
『関東オープン』優勝2回
『グランプリイースト』(GPE)では通算9勝
2010年『USオープン10ボール』準優勝
2015年・2016年『アジア選手権』連覇
2016年『ワールド14-1』3位
他、優勝・入賞多数
レッスンスタジオ『POOL LABO』代表
Supported by UK Corporation
――3位という結果について。
「非常に残念です。
本当に悔しすぎて……
試合が終わってもうすぐ一週間が経ちますが、
今もどんどん悔しくなってきています。
現地では、応援してくれる人や、
僕の14-1を観て好きになってくれた人が
たくさんいて、
『3位、よくやった、おめでとう』と
声を掛けてもらったんですけど、
やっぱりね……まだ悔しいです(笑)。
『優勝できる』と思っていて
できないのはとても悔しいですね」
――準決勝(vs M・イモネン)の敗因は?
「最後は体力不足でした。
出発前にBDに語った通りですね。
『200点先取のゲームは未知の領域。
不安もあります』と。
200点で一日2試合するのは初めてでしたから、
体力や集中力がコントロールできなかった。
もう後半は体力的にきつくてフラフラでした。
それで、シュートミスやスクラッチなど
ミスをたくさんしてしまった」
――次回に向けてそこが課題になるのでしょうか?
「間違いないですね。
またあのフォーマットで戦うなら、
それに対応できるように、
自分自身のプレースタイルを
少し変えていかなければいけないと思います。
僕は丁寧に撞いていくスタイルですが、
それは結局体力の支えがあって続けられること。
今回は体力が切れて、
その辺りのバランスが悪くなりました。
体力を温存しつつ、
集中力のオン・オフのスイッチを、
もうちょっとコントロールできるように
ならないといけないと思います」
――すでに分析済みですね。
「もうわかってます(笑)。
14-1の技術面は全く問題なくて、
自分の14-1が世界に通用するということは
自信を持っています。
『行ける!』と思いました。
だからこそ、ベスト8で
ディフェンディングチャンピオンの
T・ホーマンにああいう内容で勝ったのに
(200-150。7イニング)、
準決勝ではあんな状態に
なってしまったことが悔しいです」
――大会中、一番良く撞けたと思う試合は?
「やっぱりホーマンとの試合ですね。
あとは、ベスト16のD・ハリマン戦も
良く撞けたと思います(200-6)」
――今大会での収穫とは?
「いっぱいあります。
一つ目は、自分の14-1のイメージと
技術は、今大会に出たことによって
さらにアップしました。
2つ目は、自分の名前を、
アメリカのニューヨークという場所と、
ネットライブを通して世界中の
ビリヤードファンにアピールできたこと。
3つ目は、アメリカ式のビリヤードメソッドや
セオリーなどを知ることができました。
これは日本の皆さんや
プールラボの生徒さんにも教えたいですね。
そして、最後、一番の収穫は、
僕は近い将来、日本で14-1のイベントを
立ち上げる予定で動き始めていますが、
イベントを主催・運営するためのノウハウや、
14-1を盛り上げる工夫・試合フォーマット・
お客さんに見てもらう方法などを、
今大会を通してたくさん学ぶことができました。
これは非常に大きなことで、
かなりイメージが明確になってきました」
――会場では羅プロのプレーに
良い反応があったのではないですか?
BDはネットライブで観て、改めて
羅プロの14-1は完成されているなと思いました。
「はい、会場ではたくさんの人が
話し掛けてくれました。
『あれを選択したのはなぜ』
『自分が知っている14-1とは違う』
『なぜ、そんなに綺麗に14-1ができるの?』
『あなたの組み立て方、
DVDとかで解説してますか?』
やっぱり僕がやっていることが、
アメリカ人とは明らかに違うから、
皆、興味津々だったみたいです。
会場にいる人の多くは、以前から14-1が好きで、
入場料を払って見に来ています。
特に年輩の方々から、
『あなたのような14-1のスタイルは、
アメリカでも見ないですよ。
アメリカ人は同じように出来ないと思う。
私はそれを習ってみたいです』
と言われましたね」
――スタイルの違いの一つは、
やっぱりブレイクの仕方に現れていますか?
「そうですね。
僕はなるべく割らないようにして
取り切るスタイル。
そのやり方では手球のピンポイント出しが
連続して求められることもありますが、
仮にミスした場合でもリスクは少ないですし、
そこが『綺麗』に見える理由の一つだと思います。
一方、アメリカでは、リスクはあるけど、
とにかくしっかり割って、
どんどん取り切っていく
というやり方の人が多いですね。
ただ、アメリカンスタイルが
悪いという訳ではないですよ。
良いところもありますから。
リスク管理という点で見ると、
足らないところもあるだろうという話です」
――大会のテーブルコンディションは?
「コーナーポケットはちょっと狭めで、
サイドポケットはめちゃくちゃ絞ってましたね。
コンディションの変化は結構激しくて、
最初の1時間ぐらいは大丈夫ですけど、
そこからさらに1時間経つと、
急に重くなって、湿度も高くなって、
ちょっと難しくなってました」
――来年もチャレンジしたいと思っていますか?
「出たいです。
やっぱり『ワールド14-1』という
タイトルを獲りたいですね。
それは、自分のためだけじゃなくて、
今後日本国内で14-1を
さらに盛り上げていきたいと思っていますから、
そのためにもこのタイトルを獲りたいです。
最後に一言良いですか?
今回のアメリカ遠征も
たくさんのファンやスポンサーさまから
声援やサポートをいただき、
本当に力になりました。
ありがとうございます。
中でも、今回は李佳プロ(JPBA)の
家に滞在させてもらって、
色々と助けてもらいました。
試合に集中することができたのは
彼女のおかげです。感謝しています」
(了)
※本記事の写真は、
Erwin Dionisio氏撮影です。
(Photo : Erwin Dionisio edionisio.com)
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