〈BD〉「ホッとしました」――名人位・初防衛成功、小川徳郎の談話

Norio Ogawa 55-56th MEIJIN
Norio Ogawa 55-56th MEIJIN

 

先週末の

『第56期名人位戦・名人位決定戦』

初の防衛成功。

 

在位2期目となった

現名人・小川徳郎選手の談話をお届けします。

 

(※挑戦者・溝渕一洋選手の談話はこちらから)

 

文中にもあるように、

一日を通して大きな波はなく、

「最近のアベレージ」が出ていたと

思われる内容の初防衛戦でした。

 

本人や周囲も語っていた通り、

セーフティの仕掛けどころやその技術が

年々巧みになってきていて、

試合の運び方に落ち着きも感じました。

 

26歳、2期目入った小川名人は、

この秋、『神奈川県知事杯』

『愛媛プレ国体』『アマローテ』と

タイトル戦に出続ける予定です。

 

…………

 

Norio Ogawa

1990年3月19日生

神奈川県出身、KPBA所属

2010年『プレ国体』優勝

2008年&2013年『マスターズ』優勝

2014年『アマローテ』優勝

2015年『都道府県対抗』MVP(神奈川)

2015年~2016年『第55期&56期名人戦・名人位』

2016年『アマナイン』優勝

他、入賞多数

 

※最終第5セットの動画(撮影:JAPA)。↓

 

小川名人が防衛を決めた

最後の12番からの取り切りと、

ゲームボールのブレイク8番イン

(※画面左のサイドポケットに入る)

は39分頃から。

 

 

――防衛成功のお気持ちを。

 

「とりあえずホッとしました。

 

特に本番前の1週間は真面目に取り組んで、

結構撞き込んできましたし、

 

周囲のみんなが防衛を喜んでくれていたので、

頑張って良かったと思います。

 

終わった今この瞬間だけ

ちょっとまったりできるかな?

って感じですかね(笑)」

 

――セットカウント的には5-0の完勝。

自分自身ではどう評価していますか?

 

「正直なところ、

球はあまり入ってませんでした。

 

ただ全体的にセーフティは

上手いことできたと思いますし、

展開的にそれで優位に立てたところが

割とあると思います。

 

特に空コ(空クッション)からの

セーフティはだいぶ上手くなったかなと

自分でも思える内容だったと思います」

 

――球があまり入らなかった理由とは?

集中力や状態の問題でしょうか?

 

「いや、最近の自分のアベレージが

あんなものなんだろうと思います。

 

それは撞きながら自分でも感じてたことで。

 

特に今は、

真っ直ぐの球が怖くてしょうがないです(笑)」

 

――それはあの渋い台だからではなくて?

(試合に使った開催店『アロウズ』の1番台。

コーナーもサイドも穴幅を絞っていて、

特にサイドが渋い)

 

「あの台に限った話ではなく、

最近ずっとあんな調子なんです。

 

あれでもまだ練習よりかは

入ってたんじゃないかというぐらい。

 

だから、ハイランも

そんなに大きいのはなかったですよね。

100点オーバーのランは

第1セットだけだったでしょう?(120点)」

 

――あの120点ランの時もそうでしたが、

朝イチだったからか第1セットは

硬かったように見えました。

 

「そうですね。

 

さすがにしょっぱなは

意識するものがあったんでしょう。

ちょっと硬めでしたね。

 

相手もそんな感じに見えたので、

お互い意識し合ってたような感じかなと思います。

 

ただ、自分としてはあれでも

出だしにしては良い方だったと思ってます。

硬いながらも120点が出てますし」

 

――2セット目以降は?

 

「途中途中で『あれ、入らないな』と

迷子になってた時もありましたけど、

 

手球はある程度イメージ通りに動かせてました。

 

第3セットの後半からは

開き直って撞いてたような感じかな。

 

だいぶキューも出るようになってたので、

強気の攻めのショットも使うようになりました」

 

――4セット目は競りました。

 

「ちょっと痺れましたね。

 

でも、僕も相手も、

ミスで回し合ったというところもあるので、

痺れ切るまでは行かなかったかな。

 

自分的には、4セット目の前半の

ローボールの難しい取り切りを

完璧に近いぐらいにできたけど、

 

さあここから……というところで

ミスしちゃったがもったいなかったです。

 

あの辺をちゃんと取り切ってたら

かなり良い手応えがあっただろうなと。

 

そこから競りましたが、

あそこで自分があんなミスをしたら、

それはああいう展開になるよねって。

 

4セット目の終盤は、

『あ、ここは取られたな』と

思った瞬間もありました」

 

――ホームグラウンドでの開催。

撞いてる時や待っている時に見た光景は、

イメージ通りのものでしたか?

 

「思ってたより生で観てくれてた人が

多かったですね。特に後半は。

 

特に最終ラックの時、イスから周りを見て

『あれ、こんなにいっぱいいたんだ』

と思ったぐらい」

 

――大勢に見られる中で撞く気分は?

 

「すごく『試合をしている感じ』がありました。

『ああ、これが名人戦か』っていう」

 

――初の防衛で在位2期目に入りました。

防衛し続ける限りずっと”名人”です。

 

「そうなりますよね(笑)。

 

よっぽどのことがない限り、

来年も防衛戦を戦います」

 

――KPBAや開催店『アロウズ』の仲間へ

伝えたい言葉がありましたら。

 

「アロウズのスタッフやお客さんには、

僕が試合テーブルで練習できるようにしてくれたり、

色々と気を使っていただきました。

 

ご迷惑をおかけすることもあったと思うんですが、

快く開催に協力してくださって

とても助かりました。

 

KPBAの人たちにも感謝しています。

事前準備とか当日の運営とかレフェリーとか、

様々なことを担当してくださって、

撞きやすい環境を作っていただきました。

ありがとうございました。

 

最後に

『防衛できたのは丸岡先生(丸岡良輔プロ。

アロウズオーナー)のおかげです(笑)』

と載せてもらえたらと思います。

 

今年もこのでっかいトロフィーを中心に

みんなで写真が撮れて良かったです。

ありがとうございました」

 

(了)

 

 

…………

 

※名人位決定戦のスコア・動画などは、

JAPA公式Facebookページにて。

 

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