〈BD〉「勝つことに集中しました」――グランプリイースト第6戦優勝・持永隼史アマの談話

Junji Mochinaga Photo Courtesy of On the hill !
Junji Mochinaga Photo Courtesy of On the hill !

 

先週末、池袋『ロサ』で行われた

JPBA東日本男子プロツアー

『グランプリイースト第6戦』

(※種目は9ボール)。

 

優勝した持永隼史アマの談話をお届けします。

 

…………

 

今年で設立14年目になるGPE

(※旧称の「東日本男子プロツアー」は

もっと以前からあります)、

 

アマチュア選手が優勝したのは

2004年の早瀬優治(現プロ)以来、

12年ぶり2人目となりました。

 

持永選手は『名人』として

長い在位期間(2007年~2010年)を誇り、

他にも多くのタイトルを獲っているトップアマ。

GPEでも過去2度の3位入賞があります。

 

果たして、今回の勝因とは?

 

…………

 

Junji Mochinaga

1983年2月6日生

長崎県出身・東京都在住

2006年『スポレクA級』優勝

2007年~2010年『第47~50期名人戦』名人位

2010年~2012年『第11~13回マスターズ』優勝

2012年・2014年『JPBAグランプリイースト』年間ベストアマ

2013年『長崎プレ国体』優勝

2016年『JPBAグランプリイースト第6戦』優勝

他、優勝・入賞多数

使用キューはMUSASHI(ADAM JAPAN

 

 

――優勝の感想からお願いします。

 

「すごく嬉しいです」

 

――ファイナルはほぼノーミスだったのでは?

 

「そう……ですね。

 

シュートに関しては、

狙ったものは全て入ってましたが、

ポジションはラッキーもありました。

それと、セーフティは1回ミスしてます。

 

それ以外はミスはなかったと思います」

 

――ブレイクもかなり決まってましたね。

 

「はい、土曜(予選)の1試合目だけ除いて、

2日間通して良かったです。

 

土曜の1試合目は、

用意していったブレイクが全然ダメで(笑)。

 

会場でいろんな方のブレイクを参考にして、

『これで行こう』というブレイクが

見付かったんですが、

 

それは、僕が元々やっていた

9ボールや8ボールのブレイクと

相通ずるものがあったので、

『あ、これって……』と

割とすんなり対応できたというか。

 

そこからは、自分で言うのもあれですけど、

他の選手と比べても、だいぶブレイクで

楽できてたんじゃないかと思います。

取り出しに恵まれることも多かったので」

 

――ファイナルはご自身の中でも

満足度の高い内容だったのでは?

 

「結果だけ、内容だけを見れば満足できますが、

普段の自分とは違うスタイルでプレーしたので、

『今の自分を出し切った』とは言えないです」

 

――と、言いますと?

 

「羅さんは日本一上手いプロだと思っていて、

今の自分のまま撞いても勝てる訳がないと

思っているので、

 

当たって砕けろ精神というか、

完全に挑戦者の気持ちで撞きました。

 

勝つことだけにこだわって、

『ラッキー頼みのショットでもいい』と、

まず入れることに集中してました。

 

普段の僕は、撞きながら自分の球の内容を

全て覚えていますし、ラッキー頼みのショットは

なるべく排除しながら撞くんですが、

 

そういうのも捨てて、なりふり構わず

勝つことに集中して撞いてました。

 

それは全くやったことのないスタイルではなく

一昔前の自分はああだったんです。

『勝てば良いんだ』と。

 

でも、今の自分らしい球ではなかったです」

 

――意識的になのか、早いテンポで

撞いていましたが、あれは……?

 

「意識的でした。

 

『勝ちたい』と思った時に、

ちょっとでもメンタルが揺れるようなことは

したくなかったので。

 

早く撞くと迷えないですから。

迷わず行こうと思って。

 

技術勝負をやっても負けるし、

あの時の自分は繊細なショットやろうとしても

成功できるような精神状態ではなかったので。

 

ポジションは二の次三の次で

勢い良く攻めて行こうと」

 

――その戦い方も功を奏して、

GPEでの12年ぶりのアマ選手優勝が実現。

そこは以前から意識していましたか?

 

「周囲からそういうことを言われたことは

何度かありましたけど、

 

毎回出られている訳でもないですし、

勉強の場だと思う気持ちがまず先にあったので、

優勝を意識することは以前はなかったです。

 

ただ、ここ最近はちょっと変わってきて。

現実的な力の差はわかっているんですが、

『まぐれでいいから1回勝ってみたい』

という風に思うようになってきました。

 

なので、今回、勝ち進んでいくうちに

『こんなチャンスはない。

がむしゃらにやってみたい。勝ちたい』

という欲求が出てきましたし、

それに素直に従ったようなところがあります。

 

でも、優勝までの過程は、

ギリギリの試合をたまたま勝てたのが

何回も続いただけです(苦笑)。

 

何度も死にかけた命を拾ったような

状態だったので、そういう気持ちに

なりやすかったのかもしれません。

 

それと、今回、会場でお店のお客さんや

友達とかが応援してくれてたんですが、

 

その中には、僕が1年前のGPEの予選で、

羅さんに手も足も出ずに完封負けを

喰らったのを観てた人もいました。

 

その人に今度は良いところを見せたい

という気持ちもありました」

 

――何度も聞かれていると思いますが、

プロにはなるつもりはないですよね。

 

「ええ、なる意志はないです。

 

24ぐらいの頃から10年は聞かれてますし、

特に重荷に思うこともないです(笑)」

 

――ならないと決めている人に

ならない理由を聞くのも変な話ですが、

それはなぜでしょうか。

 

「そうですね……。

 

僕はビリヤードを好きでやっていて、

色々な楽しみ方をしていきたいと

考えているんですが、

 

それを実現するのには

アマチュアとして今いる立ち位置が

一番適しているのかなと思っています。

 

それと、今の自分の状況では、

仮にプロになるとした場合でも、

自分の描くプロプレイヤー像――

それは例えば、

『試合に全て出続ける』とかですが――を

実現できないからです。

 

試合に出続ける環境作りを含めて

プロ活動だと僕は思っているのですが、

それができる状況にありません。

 

とりあえず次のステージに移ってから

どうにかする、という進め方は

僕にはできないので…………

厳しいということなってしまいます」

 

――よくわかりました。

 

「『あんな人になりたいな』と、

とても好きで尊敬している

大ベテランのアマチュアの方がいます。

 

あの方みたいに、

僕も歳を重ねてもビリヤードを楽しんで、

『日々進化している』と

言えるような人になりたい。

 

それがこの先の目標というか原動力の一つですね。

 

そして、今回勝てたのは周りの人達の応援の

おかげだなということを改めて実感しました。

 

今後もそういう方々に感謝の気持ちを

忘れずにいたいなと思っています。

 

それと、10月後半より仕事

(『ミスタースポーツマン学芸大学店』勤務)

で、より責任ある立場になることに

なりましたので、

まずはそちらを頑張ります!」

 

(了)

 

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