9ボールの「完全試合」と聞くと、
相手にバンキングしか撞かせず、
ずっとマスワリの連発で……という内容を
イメージする人が多いでしょうか。
では、「準完全試合」ならどうでしょうか。
以下で紹介するのは、
オランダが生んだ2014年世界チャンピオン、
ニルス・フェイエンが、
世界を獲る1年前(2013年)に、
メジャーマッチの一つである、
『ワールドプールマスターズ』で
見せた”準完全試合”の試合映像です。
フォーマットは16名のシングルトーナメント。
9ボール8ゲーム先取・勝者ブレイク。
この試合は、ベスト8のvs M・イモネン戦です。
ラックは、
今、日本のプロ公式戦でも増えている、
”9オンフット”を採用しています
(レフェリーが木ラックで組んでると思われます)。
まずは映像をどうぞ。約45分。↓
(試合開始は6分頃から。ラストラックは38分頃から)
ご覧の通り、結果はフェイエンの8-0完封勝利。
イモネンにも10回弱プレー機会がありましたが、
普通にポケットに狙える球が回ってきたのは
「0回」でした。
第1ゲームでブレイクをした他は、
セーフティや空クッション、ジャンプショットを
撞いた(撞かされた)だけ。
1球も入れていません。
フェイエンのマスワリは3回。
マスワリ以外の5点は、
①や②などローボールでセーフティを
決めてからの取り切りでした
(第3ゲームだけ①-⑨コンビ)。
TVコメンテーターは、
「ミスのないパーフェクトな勝ち方は
何度か観ているが、
その多くはランアウトの山を築いてもの。
この試合は戦略とランアウトの
見事なコンビネーションだった」
とフェイエンを讃えています。
ここでいう「戦略」とは、
プッシュアウトとセーフティの
使い方と技術を含めた
ディフェンスの運用法のことでしょう。
確かにこの試合ではそこが光っていますし、
フェイエン本人もそれを認めています。
例えば、第8ゲームの2番のセーフティ。
手球が自ら潜り込みに行ったのかと思えるぐらい
③の脇にビッタビタ。↓
フェイエンのオフェンス技術は、
この試合ではそこまで印象に残ってません。
むしろランアウトの途中では、数度、
ちょっと苦しい出しもありましたし、
「及第点」ぐらいじゃないでしょうか。
一方、「僕にとってワーストの試合だったよ」と
悔しがるイモネン。
全く撞き番が回って来なかったのなら
相手を讃えるしかないですが、
何度か回ってきてたのに、
ことごとくセーフティバトルに敗れ、
相手に全部持って行かれたとなると
それはアツいですね。
…………
ということで、
相手に撞かせているという意味では、
パーフェクトではないかもしれませんが、
完封スコアで、
相手に一球も入れさせなかったという意味で、
「準パーフェクト」と
言って良いんじゃないかという試合でした。
この試合の後、フェイエンは、
準決勝でA・パグラヤンに勝ち、
( https://www.youtube.com/watch?v=FRG7AXLkDok )
決勝でD・アプルトンに勝って優勝。
( https://www.youtube.com/watch?v=1AkuN0FBfKM )
そして、翌年の『9ボール世界選手権』で
初優勝を飾ります。
このプレーからも、
キャリア最盛期にあるであろう充実感と自信、
そして、「球が見えている感」が伝わってきます。
…………
そして、
この試合でのフェイエンの勝ち方を観ると、
やっぱり9オンフットラックでは、
そう上手くブレイクが決まるものでもなく、
マスワリ率も普通の9ボールよりは
下がるのが普通……ということで、
ローボールでのセーフティエクスチェンジで
優位に立つことがとても大事だという、
当たり前と言えば当たり前のことが
見えてきます。
「球の多い状態(ゲーム序盤)での
セーフティパターン集」の
映像や図例集(テキストブック)や
レッスンなどがあれば、
今改めて注目される……かも!? しれません。
…………
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