〈BD〉カスタムの輝き・「オメガ」編その2

 

カスタムキューを多数取り扱っている

UK Corporation

 

その代表、大原秀夫氏が所蔵している

キューを見ていく本企画

(※過去記事はこちら)。

 

今回紹介するのは、

 

M・ベンダーが設立者の一人として名を連ね、

後にD・P・カーセンブロックも参加。

 

1989年から1996年にかけて

シカゴ郊外から多くの名キューを世に送り出した

「オメガ」のキューです。

 

BDでは

今年4月にもオメガキューを紹介しましたが、

 

大原氏がまた別のモデルを入手したということで、

見せていただきました。

 

 

一見すると伝統的なデザインの剣ハギモデル。

 

ベース材はメイプルで、

エボニーの5剣ハギが入り、

内側から赤、グレー、青、黒のベニアが

ハギを縁取っています。

 

スリーブはエボニーベースで、

ダイヤパターンのインレイが入れられています。

 

これは今年になって大原氏が入手した中古品で、

「for Sale」(売り物)。

価格は50万円ぐらいで応相談とのことです。

 

大原氏・談:

 

「オメガの5剣のこういうデザインは

“定番”と言って良いものですね。

 

こういった剣ハギモデルと

フローティングインレイのモデルが、

当時よく見られました。

 

撞いてみたところ、打感は結構硬め。

 

このキューが、

初期の『オメガ・キュー・カンパニー』のものか、

後期の『オメガ/dpk』のものか。

 

確定的なことは言えないのですが、

入手してから色々と調べてみたら、

オメガ/dpkのように見えます。

 

バットカラー(ジョイントの近く)と

バットキャップ(バット後端)に入れられた

『ピアノデザイン』のインレイは、

これぞオメガという特徴的なデザインですね。

 

ちなみに、初期のオメガはキュー尻が

膨らんでいるモデルもありました。

かつてのペリー・ウエストンみたいに。

 

でも、後にオメガも止めてしまったし、

今はペリー・ウエストンもやってない。

あれもなかなか特徴的だったんですけどね。

 

ところで、

このキューは私の手元に来た時に、

数ヶ所の打ち傷がありました。

 

私は自分でリフィニッシュできるので、

全部直してから、今年の春に

アメリカに持って行くつもりでした。

 

渡米する直前に作業をしたのですが、

直し終えて、旋盤からバットを外した後に、

ドアにちょんと当ててしまい、

新たに傷を作ってしまった(笑)。

 

それでもう一度直していたら、

今度は塗装を削りすぎてしまった(苦笑)。

 

ということで、

アメリカに持って行けなかったキューです。

 

もちろんまた綺麗にしてありますので、

ご安心ください」

 

(了)

   

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