先週末に大阪で行われた『関西オープン』。
優勝した大井直幸プロの談話をお届けします。
1月中旬からアメリカ遠征に出ていた大井プロ。
ニューヨークで『WPS第1戦』に出た後、
途中で切り上げて、
地元・大阪に戻り、関西オープンに参戦しました。
話は大会4、5日前の
ダービーシティにさかのぼります。
※女子優勝・栗林美幸の談話こちら。
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Naoyuki Oi
JPBA40期生
1983年1月10日生 東京都出身・大阪府在住
JPBA年間ランキング1位・4回('06年、'12年、'14年、'15年)
2012年『ナインボール世界選手権』3位
2014年『全日本選手権』準優勝1回
『関西オープン』優勝1回
『全日本ローテーション』優勝2回
『北陸オープン』優勝5回
『北海道オープン』優勝3回
『東海ナインボールグランプリ』優勝3回
『グランプリウエスト』(GPW)では通算14勝
『ワールドカップオブプール』3位・2回
他、優勝・入賞多数
使用プレーキューはEXCEED
FLANNEL、マグスミノエ所属
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聞き手:BD
語り手:大井直幸プロ
――『ダービーシティ』(アメリカ)を
途中で切り上げて、帰国してからの
『関西オープン』初V。
「結局、ダービーシティの9ボール部門は
出ないで帰って来ました。
今回のアメリカ遠征の第一の目的
(※『WPS第1戦』inニューヨーク)は
全うできてたし、
バンクプールとワンポケットは
仮にもうちょっと……
3回ぐらい出ることがあれば、
戦えるようになるんでしょうけど、
今は全くノーチャンスだし(笑)、
そして、言ったらダービーシティは、
(WPA公式戦ではなく)
“メガハウストーナメント”みたいなものなので、
『最後までいなくても良いか』と」
――9ボール部門は他の2部門に比べたら、
上に行ける可能性が高かった訳で、
もったいなかったのでは?
「そう。もちろんそう。
だから、なんのために行ったんやろうという
気持ちも若干あるんだけど、
9ボールが始まるまでの数日間が
待ってられなくなったというか、
待つのがストレスになったというか。
カジノホテルでの試合が
あんなにイヤなものだとは思わなかった。
初日だけは面白かったんですけど、
次の日からはもうダメ(笑)。
それも関係しています。
ただ、ダービーシティを体験できて、
勉強にもなったし、良かったですよ。
行かないとわからないからね」
――日本のプロランキングポイントのことも
頭にあった?
「ありました。
今年そこは捨てるつもりだったけど、
考え直したところがあります。
ランキングポイントがもらえたので、
あと3戦、継続して出られそうだなと。
そして、WPS以外にも今年は
海外の試合が多くなると思うので、
そうすると日本の試合ともかぶるだろうから、
関西オープンに出て、
ランキングポイントを稼いでおいた方が
良いかなというのもありました。
その方が気持ち良く海外に行けるかなと」
――帰りの飛行機、取り直したんですよね。
「そう。
ケンタッキー→シカゴ→トロント(カナダ)→
羽田→伊丹。めちゃ長かったわ~(苦笑)。
しかも、トロントはただの乗り継ぎ地なのに、
何かのビザが必要だと言われて、
なんだかんだやってたら、
乗るはずの飛行機が行っちゃって。
『まーたこれ、
丸一日動けないパターンだよ……』
と思ったら、
すぐ次の便があったので助かったけど。
いや、でも、あの時空港で、
近くにいた外国のおじいちゃんに
『助けてくれ~』って言って
ビザの記入方法を教えてもらったんだけど、
あの人が30分ぐらいつきっきりで
教えてくれなかったらお手上げだったし、
今もまだトロントにいただろうなぁ……(笑)。
おじいちゃんに感謝です」
――帰国したのは?
「火曜日か水曜日。
時差ボケがひどかったので、
余裕を持って帰って来られて良かったです。
大会直前だったら
ちゃんと撞けてなかったと思います」
――関西オープンは予選と決勝の2日間とも
ご自身でよく撞けたと思えますか?
「うん。まあまあちゃんと撞けましたね。
予選(初日)は全然良くなかったですけど、
悪い時にも悪いなりに戦う方法を
最近は持っているので。
それと、アメリカ遠征が長かったから、
タップがだいぶ薄くなってて、
帰国してからもどうも気持ち悪かった。
なので、予選の後にタップを交換しました。
今思えばそれが正解だったかな」
――決勝戦の途中でキューミスしたのは
付け替えた翌日だったから?
「いや、原因はそこじゃなく、
プレッシャーがかかってたから。
あのファイナルは、
プレッシャーを感じながら撞けてたから、
僕にとってはすごく良い試合でした。
互いにミスはあったけど、
僕は基本的にミスが出るようなゲームの方が
やってて面白い。ミスの原因もわかってますよ。
状況の変化とかプレッシャーを
感じながらやれる試合は良いですね。
カーリーさん(赤狩山幸男プロ)が
一日を通して良い感じなのはわかっていて、
表情からも落ち着きと闘志を感じてたので
プレッシャー、ありました。
あのファイナルは、
内容的にはパーフェクトじゃないけど、
きっとギャラリー的にも
楽しめるものだったんじゃないかなと思う。
互いに良い球もあって、ミスもあって、
ハラハラするような局面もあったから、
入り込んで見られるようなもの
だったんじゃないかな。
僕のファンも、カーリーのファンも
『うわー、行けるか? おー、大丈夫か!?』
みたいになってたんじゃないかと思います」
――そう、中盤までは読めない展開でした。
終盤は大井プロがワンミスでまとめていました。
「早速、アメリカでの経験が
活きてるんだと思います。
遠征のおかげで強くなったというか、
さらに自信も付いたし、
新たな扉が開いた感じがします。
自分で『ちょっと強くなったな』と感じるぐらい」
――『関西オープン』は初めての優勝ですが、
特別感慨深いものがある訳ではない……ですよね?
「オフコース(笑)。
“初”とか何度目とか、全く気にしてません。
ただ、決勝戦はどの大会であっても
常に緊張してます。
予選で負けるより、
決勝戦で負ける方が悔しいから。
一番負けたくないところです」
――テーブルコンディションや雰囲気など、
アメリカと日本のトーナメントで
違うところは多いと思いますが、
戻って来てすぐ対応できるのも、
遠征で磨かれた部分ですか?
「うーん、そこはあまり関係ないです。
結局テーブルとボールだけやから、
僕が見てるのは。
テーブルとボールにさえ対応できれば、
相手も状況も全然気にならなくなるし、
テンションが上下するってこともない。
やってることは一緒なんで。
ただ『負けたくない』と
思ってやってるだけですから」
――それは『相手に負けたくない』ということ?
「いや、なんだろう……。
『ちゃんとビリヤードがしたい』
と言えば良いのかな?
ちゃんとビリヤードをやるっていうことが大事で。
そこが僕の頭の中で、
だんだんと鮮明になってきてるんです」
――わかりました。さて、2月は
10年ぶりの『ワールドプールマスターズ』です。
「ですね。
2月はマスターズ以外は海外も国内も
試合がなかったはずなので、
ゆっくりと準備と練習をやっておきます」
(了)
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