恥ずかしい話ですが、
BDはバンクプール(bank pool)の
試合映像を、通しで見たことが
ほとんどありませんでした。
まず、日本では試合がありません。
経験者もかなり少ないでしょう。
タイミングよく、youtubeに先日の
(ダービーシティクラシック)の
9ボールバンク部門の試合映像が
アップされていたので、
早速見てみたら、
「こうだったのか」と納得するところばかり。
ワンポケットほどの奥深さや緻密さ、
戦術的な面白さが
あるかと問われると微妙ですが、
ここで磨かれるバンク技術は
他の種目にも大いに役立つでしょうし、
単純にバンクが決まると爽快感があります。
ボーニングやレイズという
ビッグネームの試合、
しかも、さほど長くありませんので、
よろしければ皆さんもぜひ。
「それ、入るんだ!?」
というスーパーバンクも
いっぱい見られますよ。↓
ルールは下の方に詳しく記しますが、
ざっくり言えば、番号は関係なしで、
5個入れたらそのラックを獲得。
……の3ラック先取。
コールショットです。
ラウンド6
Shane Van Boening 3-0 Cristopher Gentile
↑
相手のブレイクノーインから、
ボーニングが5連続バンク成功で
あっさり1ラック先取。
次のラックも頭から3連続バンク成功。
バンクって続けて8発も入るんですね……。
やっとターンが回って来た相手も
いきなり2発決めてます。
この相手はアメリカの
ローカルプレイヤーでしょう。
…………
ラウンド2
Efren Bata Reyes 3-0 Tracy Sanders
↑
7分頃からのレイズの味な縦バンク3連発と
14:30からの
4レール(4クッション)バンクは必見。
こちらも相手は
アメリカのローカルプレイヤーでしょう。
…………
興味のある方向けに、ここでルールを。
バンクプールは
「バンクショットで勝敗を決する
ビリヤードゲーム」の総称のようです。
使うボール(的球)も、
9個だったり10個だったり、
15個だったりと様々。
1対1でやる場合、
基本的に先に過半数のボールを入れた方が、
1点(1ラック)を得ます。
ダービーシティクラシックで
採用されているのは、
9個の球を使う「9ボールバンク」。
なので、
どちらかが先に5個を入れたら1点(1ラック)。
これの3ラック先取で行われていました。
入れる球の順番は任意。
番号は関係なく、
どの球を狙っても良いという
「エニーボールルール」で行うのが
一般的ですが、
アメリカ遠征経験豊富なプロに聞いた話では、
①から順番に狙うローテーションスタイルの
9ボールバンクも存在するとのこと。
…………
普通の9ボールと同じようにラックを組み、
ブレイクをし、
的球が入ればそのままプレー継続。
ブレイクで落ちた的球は、
その人のターンが終わった時に、
フットスポットにアップします。
コールショット制(フロックはなし)なので、
狙う穴は指定する必要があります。
全くバンクを狙わずセーフティをする
(または、当てるだけのセーフプレーをする)
のはOKです。
バンクコンビや、
空クッションからのバンク
(キックバンク)は無効。
バンクキスイン
(穴前にある別の的球にかすってから
入るというような「受けのあるバンク」)
も無効。
これらで入った球は
フットスポットにアップします。
故意に的球を直接シュートするのは
もちろん無効です
(ファウルではありません)。
…………
バンクが上手い人であれば、
配置に恵まれた場合、
「攻め100%」(イレイチ)のバンクで、
5連続インできることもあるでしょう。
しかし、実際はトッププレイヤー達は、
連続で入れやすいように
ポジションプレーをしていますし、
難易度の高いバンクを撞く時は、
「アンドセーフ」、
すなわち、外れても難しい形になるように
ボール(主に手球)をコントロールする
ケースが頻繁に見られます。
手球を、的球が多くあるエリアから離したり、
クッション際に持って行ったり……
「保険をかけた攻め」ですね。
映像で見ていて、
「こっちのバンクの方が距離も短いし、
簡単なんじゃない?」
と思っても、
このレベルの人たちが
それを選択しないという時は、
なんらかしらのディフェンスセオリーが
あるのでしょう。
……という視点で、
以下の"バンクプール達人対決"を見ると
面白いです。↓
ダービーシティクラシックの
9ボールバンク部門で、
過去3度優勝のブランバックと
過去2度優勝のミラーの一戦。
アメリカ国外の9ボール国際マッチなどに
出ることがないので、
国際的な知名度は高くない2人ですが、
バンクプールファンなら
絶対に素通りできないカードのはず。
ラウンド6
John Brumback 2-3 Jason Miller
恐らくこの2人や、
今年優勝したF・ブスタマンテあたりが、
現代バンクプールの「お手本」なのでしょう。
(※レイズやボーニングは
9ボールバンクの優勝歴はありません)。
それにしても、ブランバックは
佇まいといいフォームといい、
実に渋くてカッコいいですね。
…………
アメリカンプールの世界は本当に広い。
バンクプールにしろワンポケットにしろ、
まだ見ぬ猛者がわんさかいるのでしょう。
今年のダービーシティクラシックに参戦していた
そんな現地の臨場感に溢れています
(ダービーシティの前の『WPS第1戦』in NYから
毎日更新されていました)。
大井直幸プロや浜田翔介プロなど、
日本のプロたちも頻繁に登場しますので、ぜひ!
…………
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