〈BD〉「中学校でビリヤード!」のちょっと裏側

 

先日掲載したこの記事、

『約40名がビリヤード体験! 川崎市立・東橘中学校』

 

大きな反応・反響がありましたが、

概要しかお伝えしていなかったので、

もう少し掘り下げてレポートします。

 

…………

 

 

場所は、神奈川県川崎市立・東橘中学校。

 

関東でも雪がちらついた1/20(金)、

 

年に1度の「地域ふれあい体験学習」が

行われました。

 

ビリヤードは、スポーツ系から文化系まで

30以上ある講座の一つとして、

今回初めて採用されました。

 

講師を務める3名のJPBAプロとともに

BDも校内へ向かいます。

 

…………

 

 

図書室が各講座の講師たちの控室に

なっていました。

 

最近の図書室ってこんなモダンな造りに

なっているんですね。

 

…………

 

 

学校長よりご挨拶。

 

地域ふれあい体験学習のテーマは、

 

「生徒たちが、スポーツ・文化など、

その道の専門的な知見を有する地域の大人たちから学び、

それを介して交流する時間を持つこと」。

 

…………

 

 

初登場のビリヤードの定員は40名。

 

それに対して、

全校生徒(1,000名弱)の約半数が

ビリヤードを第1~第8希望に

入れていたとのこと。

 

学校側が3年生を中心に選抜しました。

 

人気があるのは嬉しいですね~。

 

希望理由を見ると、

「TVで見たことがあり興味があった」

「全く遊び方がわからないから基礎を学びたい」

「やったことがないからとにかく体験してみたい」

という声が多数。

 

若干名、

「親と遊びに行ったことがあり、楽しかったから」

という生徒もいました。

 

…………

 

 

「ビリヤードの先生、いますかー?」と

生徒が迎えに来たので、出発です。

 

…………

 

 

今回は昇降口前のスペースに、

9フィート台1台と

7フィート台2台の計3台を設置

(設置:MECCA、協力:New Art)。

 

もちろんラシャの色に合わせた

チョークを使います。

 

…………

 

 

本日の講師陣。左から

府川真理プロ、銘苅朝樹プロ、西嶋大策プロ

(いずれもMECCA所属)。

 

銘苅プロと西嶋プロは、

出張レッスン経験が豊富ですが、

府川プロは初めてとのこと。

 

…………

 

 

今回、ビリヤード講座ができたのは、

実現に向けて精力的に動いた

ビリヤード好きな美術の坂倉先生の

存在あってのこと。

 

着任から日が浅いということもあり、

学級新聞で特集されていました。

 

…………

 

 

さあ、体験学習の始まりです。

 

まずは銘苅プロが講師陣を紹介。

 

「ビリヤードの世界には男女のプロがいて、

国内でも海外でも大会があるんですよ」

 

というところから説明します。

 

…………

 

 

「『ビリヤードをやったことがなくて、

とにかく体験してみたい』

という人が多いようでしたので、

 

早速、基本中の基本、

『フォームを作って手球を撞く』

というところからやってみましょう。

プロがお手本を見せます」

 

そう銘苅プロが語り、西嶋プロが実演。

真剣に聞き耳を立てる39名の生徒たち。

 

…………

 

 

「それでは、3台に分かれて

実際に撞いてみましょう」

(銘苅)

 

ということで、

3台それぞれに一人ずつ講師がつき、

男子は緑とベージュのテーブルに分散。

 

赤いテーブルは女子だけで使います

(もちろん府川プロが担当)。

 

昇降口前が

“一日ビリヤード部”状態となりました。

 

いやぁ、良い光景です。

 

他の先生たちも「面白そう……」と

つぶやきながら興味津々で通り過ぎて行きます

(放課後に先生たちだけで

ビリヤードをしたそうです)。

 

…………

 

 

各テーブルで講師たちが

基本のフォームと腕の振り方を見せ、

その真似をしてもらいます。

 

ビリヤードの「球を撞く動作」は、

他のスポーツにも日常生活にも

まずない独特な動き。

 

「肘から下で振る」感覚、

インプットできたでしょうか。

 

…………

 

 

次のステップは、

「手球だけを撞いて、

真っ直ぐに一往復させること」。

 

銘苅プロが繰り返し語っていたのは、

 

「ブリッジ(この日はオープンレストを教えました)は、

絶対にグラグラしないように安定させて、

ボールを撞く瞬間もテーブルに残しておく」

 

ということ。

 

初心者が「手球をちゃんと撞けない」とか、

「カシュっとなってしまう」という時、

 

そのほとんどは、

 

「撞く瞬間に

ブリッジがテーブルから離れてしまう」

ことが原因なのだと。

 

ここは要チェックですね。

 

…………

 

 

手球が撞けるようになったら、

穴前や穴に近いボールを入れるという段階へ。

 

シュートが成功すると、

本人も周囲もかなり盛り上がり、

さっきまでとは目の色が変わってきました。

 

女子テーブルはもともと賑やかでしたが、

輪をかけて活気溢れる雰囲気に。

 

「すごく楽しい。このテーブル、

ここにずっとあってほしい!!」という生徒も。

 

…………

 

 

今回の体験学習の時間は90分。

 

終わり頃には、講師の指示に従って、

バンクショットにトライする生徒や、

穴前のボール6連続インに挑む生徒も。

 

実質1時間程度ですっかり様になっているという

この吸収の早さには驚くばかり。

 

「『この子は早く上手くなるな』と感じる

生徒たちに共通している資質、

 

それは『強く撞ける』こと。

 

中学生に限った話ではないですが、

ビギナーの頃からしっかりと腕を振り、

速いキュースピードで手球が撞ける人は、

成長が早い傾向があります」

(銘苅)

 

…………

 

 

締めには、

「プロのパフォーマンスを」ということで、

 

講師たちが、ボール9個のランアウト

(ノーミス取り切り)や、

トリックショットを披露し

 

「すげー!!」「ええ~!! 魔法?」と

昇降口前が大きく盛り上がったところで、

ちょうど90分になりました。

 

…………

 

 

生徒代表から講師へのお礼の言葉もあり、

記念撮影もあり、で、

 

ここに39名のビリヤードプレイヤー候補生が

誕生したのでした。

 

後日、学校から見せていただいた

生徒たちの『体験学習を終えて』という感想文は、

 

「基本的なことと、

打ち方の初歩が理解できました。

またやってみたいです」

「こんなに楽しいものだと思わなかった」

「最後に見せてもらった1回で4つ落とす技が

すごかった」など、

 

肯定的・好意的な反応がほとんど。

 

皆、高校生になって友達と遊びに行く時は、

ビリヤードをよろしくね!

 

…………

 

 

最後は坂倉先生と、

3名のビリヤード講師の談話を。

 

坂倉先生の談話:

 

「授業中に見た事がないような

生徒の明るい表情に衝撃を受けました。

 

生徒がこんな顔をするような授業をしなければ……

と反省しましたね(笑)。

 

それと、球が入るだけで

あんなに嬉しいものなんだなぁと思いました。

私もビリヤードをしていますが、

すっかりスレてしまったので、

飛び上がって喜ぶ生徒が心底羨ましかったです。

 

今回は、もともとは『ステラ』(東京)の

清水オーナーに相談し、

そこからMECCAさんへと話が繋がって、

実現することができました。

 

様々な方に全面的にご協力いただき、

心より感謝しております」

 

…………

 

府川真理談:

 

「初めての先生役で緊張していたのですが、

特に女子は成功しても失敗しても

すごく楽しそうに撞いてくれていましたし、

穴前の球でも入れられるとすごく喜んでいたので、

私も楽しく教えることができました。

 

90分で何を教えるかというところは

やっぱり難しいなと感じましたけど、

若い子たちにビリヤードに親しんでもらえる

貴重な場に立ち会えて嬉しかったです」

 

…………

 

西嶋大策談:

 

「ビリヤードは手球を撞けるようになるまでに

時間がかかります。

 

老人ホームで定期的に教えていた経験もあるので、

自分なりの教え方はありますが、

今回は全員に満足に教えるだけの時間が

しっかり取れなかったと思いますし、

上手く教えられなくて少し悔いも残っています。

 

1台あたりの生徒数がもうちょっと少なければ

お互いにベストだったかなと思います」

 

…………

 

銘苅朝樹談:

 

「限られた時間でしたが、若い世代に

ビリヤードを教えられる機会を

得られて光栄です。

 

まずは学校側で尽力してくださった坂倉先生と

協力してくださった(有)ニューアート様に

お礼申し上げます。

 

今回は笑いも多く、

楽しい体験学習になったのではないかと思います。

 

私は以前にも10代の子達に

教えた経験がありますが、

改めて中学生の飲み込みの早さに驚きました。

 

プロに基本を教わった人と

全く教わっていない人とでは、

数ある遊びの中から

ビリヤードを選んでリピートする率が

大きく異なるのではないかと思っています。

 

学校、教育機関、団体の中には、
こういった体験学習や行事で
ビリヤードを採り上げたいと思ったけれども、

予算やスペースなどの問題で最初から
諦めていたというところもあると思います。

 

今回は、ニューアート様と弊社で

全面的にサポートさせていただきました。
弊社に限らず協力的な企業や組合は多くあります。
まずはお気軽にご連絡・お問い合わせください」

 

(了)

 

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