日曜日の『全日本女子プロツアー第1戦』で
プロ初優勝を飾った、
中島美秀プロの談話をお届けします。
会場の『BaneBAGUS宮益坂店』は、
中島プロがインストラクターとして出勤している
店舗の一つということもあり、
最後まで熱心に応援しているお客さんや
スタッフさんが多くいました。
今までほとんど試合を見たことがないという
中島プロのご両親と、
新婚の夫・赤狩山幸男プロも
見守る中での初優勝。
……持ってますね。
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…………
Miho Nakajima
1980年7月23日生・JPBA40期生
宮城県出身・東京都在住
2017年『全日本女子プロツアー第1戦』優勝
2010年『オータムクイーンズオープン』3位
BAGUS専属プロインストラクター
使用キューはMUSASHI中島モデル(ADAM JAPAN)
タップはKAMUI
グローブはスルースイーヴォルブド
…………
聞き手:BD
語り手:中島美秀プロ
――優勝して数時間経ったところですが、
今のお気持ちは?
「全く実感が湧かず、
まだキョトンとしています(笑)。
メッセージとかがスマホにこんなに
じゃんじゃん入って来ることに驚いています」
――準決勝と決勝、大接戦を続けてものにしました。
「緊張しなかったとは言いませんが、
今回は変なテンパり方をせず、
初めて終始フラットな気持ちで球に向かっていけた。
自分が下手なのはわかっているし、
それはしょうがないこと。
でも、ヘタなりにシンプルに
撞けていたということかなと思います。
自分が先行して追い付かれる展開でしたが、
そんな状況でも、
自分が外した球は『あ、そうだよね』、
相手が取り切れば『ナイスだな』と思えて、
変に動揺することはなかったです」
――今までだったら変にテンパっていた?
「間違いないです。
なぜか今回は、
『回ってきたら、私、普通に撞けるな』
という感覚が最後までありました。
最後までちゃんと腕を振ろうと意識できていたし、
実際に腕は動いていた。
厚みの感覚は終始あったので、
腕さえちゃんと振れたら
取れるだろうと思えていました」
――準決勝も決勝も、さすがにラストラックは
重いプレッシャーがあったのでは?
「それまでとはちょっと違う種類の
しびれというか震えが来てましたけど、
プレッシャーに潰されそうになった
ということはなかったです。
ヒルヒルだということはわかっていたし、
もう外しちゃいけないんだとも理解していたけど、
それでガチガチになることはなかった。
左腕は最後まで言うことを聞いてくれていて、
『この撞点をこう撞く』というイメージも明確で、
『私、珍しい』みたいな(笑)」
――準決勝では上がりの9番を一度ミスしました。
「あの瞬間は『いつもの私』でしたね。
構えた瞬間に違和感があったのに、
構え直さずにそのまま撞いてしまったから」
――試合中の姿を見ていると、
ミスしても引きずる様子もなく、
判断もテンポも遅くなかったですし、
頭も冴えていたのかなと。
「そうですね。
準決勝も決勝も難しい配置が多かったですが、
自分が撞く時はちゃんと頭を働かせて
撞くことができていたと思うし、
相手が取り切っていたら、
『そうやるんだ、上手いな』と素直に思えました。
この感じはなんでしょうか……。
幽体離脱感とでも言うような。
自分を含めて客観視できていたし、
ちょっと不思議な感覚であの場にいました」
――今まで味わったことがないような感じですか?
「はい。特に準決勝と決勝は、
初めて試合を楽しいと思えたかな。
『ああ、なんか試合楽しいな』って、
ちょっとニヤけながら待ってた時も
あったと思うんです。
上手く腕を振れていたし、
変な緊張をしなかったから、
たまたまそうなれただけだろうとは思うんですが」
――腕がよく振れていたというのは、
朝からずっとですか?
「いや、1試合目(ベスト16)は
慎重になりすぎていて、
まだちゃんと動いてなかったですね。
その試合はもつれて、
最後は相手の8番インスクラッチで勝つという
ラッキーな形ではありましたが、
あの試合の途中から
『もっとのびのびやろう』という風に
気持ちを切り替えていました。
2試合目(ベスト8)からタイム
(1ショットごとの時間制限)があったのは、
私にとってすごく良かったです。
インプレッションを大事にできるし、
無駄なことを考えることもなくなるし、
腹をくくらないといけなくなるじゃないですか。
勝因の一つとしてそれはあります。
私は普段、構えてから
もたもたすることがあるんですが、
最近はシンプルにセットアップすることを
心掛けていて、今回はそれができました。
ずっと上手く構えられていて、
頭と身体が一致している感覚がありました」
――テンパらずにシンプルにプレーする姿が
あの展開を呼び込んだのかと思うぐらい、
中島プロの日だったと感じました。
「それはもう、
私自身ずっと感じていたことです(笑)。
2日間通してずっとものすごくツイてました。
『ああ、すごく持ってるな』って。
自分のミスから相手に流れが行きかけた所で、
相手のブレイクがイリーガルだったり、
私がミスしても簡単な配置にならなかったり……。
本当に終始とてもツイていたと思います」
――決勝の相手、光岡純子プロとは
普段から親しくされていますが、
やりづらさなどはなかったですか?
「じゅんがどう思ったのかはわかりませんが、
私は全くです。
『じゅんとファイナルを撞ける!』
という楽しみな気持ちで臨めました。
当たるんだったら決勝で当たりたい人ですから。
初ファイナルの相手が彼女で嬉しかったです」
――プロ12年目での初優勝。
これまで試合に休まず出ています。
はがゆく苦しい思いを抱えていたのでは?
「それはありました。
『うだつが上がらない』とは
こういうことを言うんだろうなと。
でも、上に上がって行くための環境や準備を
ストイックに追い求め続けてこれたかと問われると、
そうだとは言い切れません。
仕事があるから、忙しいからって
言い訳してもっと追い込もうとしない
自分がいたこともわかっています。
『私は本当に何がしたいのかなぁ。
プロとして、いていいのかな』
と思ったこともあります」
――そうだったんですか。
「『プロ入り3年以内に優勝しないと、
もうできない』なんて言い伝えも
あったじゃないですか。
もちろん試合に出る以上は勝ちたいし、
必死になっていましたが、
正直言えば、自分が優勝できることなんて
あるのかななんて思ってしまうこともあったし、
自分は優勝争いとかそういうところから
遠くにいるような気もしていました。
撞く環境も成績も必死で追求して
やってきている人たちの頑張りも見ているので、
そういう人たちに負けた時に、
悔しいのは悔しいんだけど、
『しょうがない』なんて思ったこともある。
それで、『私は何しに来てるんだろう』
と思ってしまうこともありました。
こんな気持ちでいてはいけないのかもしれませんが、
『情けない』というか。
でも、もっと上手くなりたいって
気持ちはもちろんあるんです。
だから、もどかしかったというか。
そういう背景もあるからこそ、
不思議な感覚なんですよ、今日は。
『ビリヤード、楽しいな』と思えたので。
本当に楽しくて、ずっとこの時間が
続いたらいいのになぁと思っていました」
――わかりました。
最後にファンにメッセージを。
「まずは、長年ご支援・ご声援いただいている
スポンサーさまや、サポートしてくださってる
皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
そして、ファンの皆様と周囲の皆様へ。
こんな私を見捨てずに、長い長い長~い間、
支えてくださりありがとうございます。
お待たせしましたが、
やっと良いご報告ができるようになりました。
これまで本当にありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いします!」
(了)
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