先週閉幕した『アジア選手権』(in 台湾)は、
「9オンフットラック」の9ボールで行われました
(3ポイントルール採用)。
ジュニアの部も同じだったので、
ジュニア女子の試合では、
的球が入らず、3ポイントも満たせず、
ブレイクする方が毎回損してる!?
というようなシーンも見受けられました。
男子トッププロ達も
良いブレイクが数回続いたかと思えば、
直後にイリーガルやノーインが出たりしていたので、
やはり9オンフットラックのブレイクを
高いレベルでトーナメントを通じて
安定させるのは至難の業でしょう
(それが主催側の狙いでもある訳ですが)。
その中にあって、BD目線で見ると、
台湾のエース、柯乗逸(カー・ピンイー)のブレイクは、
今回の出場選手の中では、
的球インの頻度、再現性の高さ(安定度)、
イリーガルの少なさなどにおいて
トップクラスだと感じました
(※優勝した羅立文のブレイクも
ほぼ同じレベルの安定度だったと思います)。
もともと柯は、
普通の9ボール(1オンフット)のブレイクにしても、
10ボールのブレイクにしても抜群の安定感があるので、
9オンフットラックのブレイクが
上手いということに大きな驚きはありませんが、
彼の場合は、
打ち方(フォームなど)が良いだけでなく、
テーブルコンディションや
ラック(ラックシート)の状態も考慮して
調整するのが他選手よりも
早いのだろうなという印象です。
…………
ブレイクフォームを動画でどうぞ。↓
リピート再生して見たくなる
美しいフォーム&ストローク。
構えに入って行く時の、
バネのように上下動しながら沈み込んで行くような
身体の動きに柯らしさが出ています。
このブレイクでは、
ウイングボール(4番)がコーナーに、
1番がサイドに入っています。
撞点は左下でしょう。
意図的に1番の左側に手球を当てて、
1クッションさせて手球を止めています。
9オンフットラックでのブレイク時の
セオリーとされる当て方です。
この後、スローでも撮ってみました。↓
スローで見て、特別目を引くような動きや
目立ったクセがある訳ではなく、
基本に忠実なフォームだと思います。
全ての動きが滑らかなので、
「ブレイクって簡単そう」と思えてきます。
そう思わせるのが一流選手の証でしょうか。
そんなブレイクを持つ柯も、
今回のアジア選手権のセミ・ファイナルでは
途中から張榮麟のペースにハマり、
ブレイクにも乱れが出て、
終盤は苛立ちを顔に浮かべるシーンも。
やはりビリヤードのトップ選手同士の
対戦というものは、ブレイクも含めて、
いかにミスをしないかという
「我慢比べ」だとつくづく思います。
それはそれとして、
柯乗逸の通常プレー時のストロークも
色々な角度から動画で撮っていますので、
それも近日載せたいと思います。
そちらもまた美しいです。
…………
BD Official Partners :