トッププレイヤー、土方隼斗（JPBA）。
先月掲載したインタビュー前編では、
プレーキュー、
『2代目土方隼斗モデル EXD-HA2』のことを
中心に話を聞きましたが、
後編ではキュー遍歴や、
ブレイクキュー、ジャンプキューについての
こだわりをうかがいました。
…………
↑ 土方隼斗プロ使用キュー、手前から：
プレーキュー：2代目土方隼斗モデル EXD-HA2
（シャフトは『EX Pro』。タップは『斬』。
2インチエクステンダー常時着用）
ブレイクキュー：POWER BREAK Kai PBKG-A
ジャンプキュー：Airdrive AD-O
聞き手：BD
語り手：土方隼斗
撮影場所：自遊空間高田馬場店
…………
――後編の今回はまず、キュー遍歴からうかがいます。
元々はノーマルシャフトのキューでしたね？
「そうです。ビリヤードを始めたばかりの頃は、
メーカー名も覚えてないですが、人から譲って
いただいたキューを使ってました。
次に、自分で買った初めてのキューが『TAD』
（アメリカの有名カスタムキュー）でした。
その後、MEZZの『PUJ』シリーズを使っていたので、
この3本がノーマルシャフトでしたね」
――ああ、覚えてます。CUE’S誌の『虎の穴』
（プロ養成レッスン企画）の頃。
13歳ぐらいでTADを使ってましたね（笑）。
「はい（笑）。
それから一旦他メーカーのキューを使ってから、
プロ入り少し前にMEZZ（EXCEED）に
戻って来たという流れです。
プロ入りした時は、
既製品のEXCEEDを使わせていただき、
その後間もなく初代土方隼斗モデルになりました。
で、2010年から2代目土方隼斗モデルです」
――MEZZ（EXCEED）プロになってから、
シャフトは何種類使っていますか？
「初めが『初代Hybrid Pro』で、
そして、今の『EX Pro』なので、3本目です」
――シャフトの移行はスムーズにできましたか？
「『初代Hybrid Pro』から
『Hybrid Alpha』に移った時はスムーズでした。
『Hybrid Alpha』から『EX Pro』は、
前編でも言ったように完全に慣れるのに
2ヶ月はかかりましたね。
EX Proはヒネった時のズレ（見越し）が
かなり少ないので、その感覚を掴むのに
時間がかかりましたけど、全く苦ではなかったです」
――今、キュー尻（バットエンド）に
2インチエクステンダーを付けっぱなしにして
撞いていますが、その効果を改めてお願いします。
「パワーの上限が上がり、
全体的にどんなショットでもやりやすくなりました。
僕の場合は特に引き球が良くなりました。
ビリヤード用語で、
『届く・届かない』という表現がありますよね。
エクステンダーを付けると『届く』球が増えました。
例えば、試合で緊張していて、
キューがあまり出なくて、
ちょっと中途半端にヒネったりすると、
『あ、やばい、届かないかも』
（手球が的球に当たるまでにスピンがほどけたり、
手球が曲がって行ってしまう）っていうこと、
割とあるじゃないですか。
でも、これを付けてると、
少々撞きミスをしてしまっても、
問題なく手球が走ってくれることが多いです。
実際にエクステンダーに助けれられたなって
感じた場面はよくあります」
――ブレイクキューについて教えてください。
（パワーブレイク魁）です。
「パワーブレイクシリーズは
ずーっと使ってきてますね。たぶん、
短い『2』以外、初代（2002年デビュー）から
全部使ってると思います。
新作が出るごとに着実に良くなっていってると思うので、
今初代を使ったらどう感じるんだろう（笑）。
ブレイクシャフトも一通り全て使ってきてるはず。
一番初めの純正シャフト、『初代DEEP IMPACT』、
『DEEP IMPACT Pro』……。
それから『マサランデューバ』
（DEEP IMPACT Pro Hシャフト）に行って、
今は『DEEP IMPACT 2』です」
――今のDEEP IMPACT 2とマサランデューバの
違いを言うならば？
「僕はマサランデューバをとても気に入ってました。
重くて硬くてパワーがあって。
反発力があるので、軽く振ってもよく割れる。
そういうブレイクキューを求めている方には、
今でも自信を持ってお勧めします。
ただ僕にとってはオーバーパワーというか、
球が弾みすぎてしまうなと思える場面もありました。
その点、DEEP IMPACT 2シャフトは
バランスの良いシャフトで、
しっかりとパワーを伝えてくれながら、
スピンも乗せやすくて、
手球のコントロールがしやすい。
なので、種目を選びません。
10ボールでも9オンフットでも、
特にセッティングを変えずにそのまま打てます。
もちろん打ち方は色々と研究して
その都度変えているけど、
その意志にちゃんと付いてきてくれる
ブレイクキューですね。
今のKaiバットとDEEP IMPACT 2の組み合わせは、
パワーブレイクの歴史上で言っても、
総合的に一番良いんじゃないでしょうか」
――ジャンプキューは『AIR DRIVE』です。
「ジャンプキューは何年も前に乗り換えました。
長年Airshooterを使っていて、
一番良いジャンプキューだと思ってました。
むしろ『AIR DRIVEは飛びすぎちゃうから
ちょっと扱いにくいな……』ぐらいに
思ってたんです（笑）。
でも、ある年の国際大会で、
自分のイメージ通りちゃんと振れてるのに
手球がちゃんと飛ばなかったという
出来事が2度あって。
キューの性能の問題ではなく、
僕のジャンプショットのイメージに
変化が訪れていたんでしょうね。
そのことは帰国してもずっと気になっていて。
練習してても違和感は拭えなかった。
その時に『大きく変えるなら今がチャンスかな』
と思って、AIR DRIVEに変えてみたんです。
結果的にはそれが正解でした。
飛距離もコントロール性能も申し分なくて、
今はもう完全に慣れてます。
AIR DRIVEってシャフトが2本付いてますよね。
普通の方（Lシャフト）と短い方（Sシャフト）と。
僕は短い方（Sシャフト）は使ってないです。
僕はほぼ全くダーツストロークジャンプをやらないですし、
Lシャフトの方で色んなジャンプができるので」
――お話をうかがっていると、
基本的にEXCEED & MEZZのキューに
完全に身を委ねているような感じですね。
「その通りです（笑）。
僕はいただいたものをそのまま使って、
道具に自分が合わせて行くタイプですが、
その根本にEXCEED & MEZZキューに対しての
絶対的な信頼があります。
バラツキがなくて性能は高い。
だから、人に勧めやすいです。
『EXCEEDやMEZZなら安心だよ』と。
僕も新しいアイテムの開発・試作段階では、
試打をしてフィードバックをするという形で
関わらせていただくことがあって、
その時には色々と率直な感想をお伝えしていますし、
ものによっては、『これはどうでしょうか』とか
『このままでは微妙だと思います』
と言うこともあります。
僕もEXCEED & MEZZのプロである以上、
自分が微妙と感じたものがそのまま
世に出るのは気持ちの良いことではないし、
それは人に勧められません。
そういう僕の意見も聞いてくださいますし、
実際に商品になったものを手にすると、
微妙に思えた部分はきっちりとなくなっています。
打感とか性能の良し悪しというのは、
個人個人の感覚によって判断が異なる部分なので、
難しいところもあると思うんですけど、
プロスタッフの意見を尊重してくださる
開発姿勢は本当にありがたいです」
――今のキューに不満はないと思いますが、
新しい製品が出て来たら気になるものですか？
「もちろんです。
EXCEED & MEZZから新しいものが出たら
いつでも『試したい』っていう好奇心はあります。
『どこが良くなったんだ？』、
『何を新しくしたんだ？』って。
でもこの先も、僕用にと渡されたものは
信頼してそのまま使うでしょうね（笑）」
（了）
※前編はこちら
…………
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●お名前（ペンネーム可）
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●土方プロがプレーキューのグリップを
「ノーラップ」にしている理由とは？
以上をご記入の上、お申し込みください。
厳正な抽選を行い、
当選者のみにお知らせをいたします。
その段階で、お名前・送り先など
詳細をお聞きします。
締め切りは8月末日。どうぞお気軽にご応募を。
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Hayato Hijikata
JPBA40期生
1989年3月16日生 東京都出身＆在住
アマ時代の2005年に『世界ジュニア』銀メダル
2005年&2013年『関東オープン』優勝
2007年『ルカシージュニアワールドテンボール』優勝
2008年『北海道オープン』優勝
2010年『エイトボールオープン』優勝
2013年&2016年『ジャパンオープン』優勝
2013年、2014年、2016年『関西オープン』3勝
2013年『東海グランプリ』優勝
2016年『全日本ローテーション』優勝
2016年『ハウステンボス九州オープン』優勝
2016年『北陸オープン』優勝
『GPE』通算16勝、他、入賞多数
2013年&2016年JPBA男子年間ランキング1位
