〈BD〉「1ヶ月後、徳郎さんと撞けるのが楽しみです」――名人戦A級戦突破・林武志の談話

Takeshi Hayashi Photo : JAPA
Takeshi Hayashi Photo : JAPA

 

日曜日(8/20)に京都で行われた

アマ公式戦『第57期名人戦・A級戦』で勝利。

 

「挑戦者」の座に就いた、

林武志選手(はやしたけし。神奈川・KPBA)。

 

林選手が名人戦に参加したのは、

昨年(B級戦で終了)に続いてこれが2度目。

 

16歳の挑戦者は史上最年少です。

 

林選手は9/24に「尊敬する先輩」である

現名人・小川徳郎選手(おがわのりお。神奈川・KPBA)と、

『名人位決定戦』を戦うことになりました。

 

もちろん勝てば最年少名人の誕生です。

 

林選手に、A級戦の感想や、

名人位決定戦への意気込みをうかがいました。

 

※主催のJAPA公式サイト

JAPA公式FB

 

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林武志vs醍醐雅人。プレーオフの試合映像

(撮影:JAPA)↓

Takeshi Hayashi Photo : JAPA
Takeshi Hayashi Photo : JAPA

 

――初めてのA級戦挑戦でいきなり突破を決めました。

 

「正直今はまだ実感がないような状態です。

 

ですが、挑戦者になれたことはとても光栄ですし、

1ヶ月後に(小川)徳郎さんと撞ける

ということが嬉しいです。

 

『名人位決定戦』に向けてもう結構緊張して

いるんですけど、楽しみでもあります」

 

――現名人・小川徳郎選手とは同じ神奈川で

クラブ(KPBA)も一緒。

偉大な先輩ということになりますか。

 

「はい、尊敬する先輩です。

 

2年前に初めて、喜島(安広)さんと徳郎さんの

『名人位決定戦』を会場に見に行って、

初めて味わうあの空気感に圧倒されましたし、

『自分もこの場面で撞きたい』と思いました。

 

そして、徳郎さんが名人になってから、

『全国大会の決勝で撞きたい』という

気持ちを抱くようになりました。

 

昨年の『アマナイン』(小川徳郎優勝)

すごくチャンスだったんですけど、

僕があと一歩のところで逃してしまったので(3位)、

その思いはより一層強くなっていました」

 

――今回のA級戦は早い段階で敗者側に

回ったこともあり、長丁場の一日となりました。

 

「朝イチから2回戦ぐらいまでは、

まだ頭がボケてたというか、

ちゃんと働いてないような感じで

自分でも今ひとつだなと思ってました。

夜行バスで朝着いたからなのか(笑)。

 

2回戦で敗れて、敗者側に入ってからは

徐々にいつも通りになって来たかなと。

すごく良いということもなかったですが、

悪いということはなくて、

まあまあ、そこそこだったかなと思います」

 

――会場の『ピカソ』(京都)で撞くのも

初めてでしたね。

 

「はい、初めてだったのですごく緊張してました。

最初の練習時間で醍醐(雅人)さんが

テーブルコンディションの特徴を

教えてくださったんですけど、

実際に撞いてみるとやっぱり難しくて、

最後まで苦戦してました。

 

帰りは新幹線に乗れたので、

映像を見ながら帰ってたんですけど、

コンディションを読めてない感じが満載でした。

自分で見ても『あちゃー』っていう(笑)。

 

自分はまだコンディション対応能力が

低いと思っているので、よくわからないまま

感覚だけで撞いていたような感じでしたが、

なんとか修正しながら、

最後まで戦えたと思います」

 

――なんとか最後まで戦い抜けた要因とは

何でしょうか?

 

「うーん、やっぱり

『挑戦者になって徳郎さんと撞きたい』という

強い気持ちがあったこと、ですかね。

 

今回はラッキーな場面も多かったですけど、

そういう強い気持ちがあり、自信もあり、

そして、色んな人に応援されて来ているので、

皆さんの思いに後押しされた感もあります」

 

――終盤のタイトルホルダー達との連戦は

キツくなかったですか?

 

「それはキツかったです(笑)。

特に敗者最終は喜島さんとで、

そこで勝ったら、

醍醐さんを2回倒さないといけない。

『ホントきっついわ~』って(笑)。

 

でも、試合が始まってしまったら、

そんなことは全く気にならず、ただただ、

無心でがむしゃらにやっていただけでした。

 

喜島さんや醍醐さんに走られることがなかったのは

ラッキーでしたけど、

 

特に変なことはせずに

なんとか自分のペースで

自分の球は撞けたかなと思います」

 

――ローテーションの240点先取というのは

どう感じていますか? 短い?

 

「短いと言えば短いですね。

 

あそこに出ている方々は

誰でも撞き切る可能性がありますし、

今回僕は234点が出たんですけど(vs 中野雅之戦)、

自分でもそこまで出せるぐらいだから、

240点は短いんだろうなと」

 

――ローテでのハイランは?

 

「言われてみると、

その234点が最高かもしれません。

あまり今までの点数は記憶にないですし、

ランを出そうと思って撞いてはいないので……

たぶんそれが最高です」

 

――『名人位決定戦』までの1ヶ月、

どのように過ごしていきたいですか?

 

「今はもう夏休みが終わり、

学校(高2)も始まっていて、

もうすぐテストがあります。

 

僕は大学進学を志望していて

そういったテストも落とせないので、

毎日キューは握りますけど、

まずはしっかり勉強をします。

 

テストが終わったらビリヤード一本で

本番に臨みたいと思います」

 

――大学進学を志望するということは、

来年(高3)も勉学中心ですね。

 

「そうなんです。

勉強に時間をあてることになると思います。

なので、来年はほとんど試合に出ないと思いますし、

KPBAの方もどうなるかわかりません。

 

その意味でも、本当にギリギリのところで、

徳郎さんと優勝をかけて撞ける

ビッグチャンスが巡ってきたという感じです」

 

――本番ではどんなプレーを心掛けたいですか?

 

「いやもう、ここまで来たら何も考えずに

真っ向勝負でぶち当たっていくだけです(笑)。

 

自分が持っているもの全てを出し切りたい。

色々考えても無駄だと思うので、それだけです。

ただただ徳郎さんを倒すことだけを考えて

頑張りたいと思います」

 

(了)

 

…………

 

Takeshi Hayashi

 

生年月日:2000年11月4日(16歳・高2)

出身・在住:岐阜県出身・神奈川県在住

所属:KPBA、インフィニティ

主な戦績:2015年『全関東学生ナインボール』優勝

2015年『世界ジュニア』日本代表

2016年『神奈川県知事杯』優勝

2017年『第57期名人戦』挑戦者

使用キュー:ADAM JAPAN

Supported by NewArt、金沢スポーツ

 

※2年前(中3時)のロングインタビューはこちら

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