〈BD〉タップ工場のスタッフさんに聞いてみた。KAMUI BRAND工場長:金田尚典さん編

 

KAMUI TIP(カムイタップ)や

KAMUI CHALK(カムイチョーク)などで知られる

『KAMUI BRAND』の本拠地は広島にあります

(※会社名は『株式会社ENVISION』)。

 

先日、工場に潜入した際に、

スタッフさん達のキビキビとした働きぶりと

自由闊達な職場の雰囲気に大いに感銘を受けました。

 

でも、皆さんどうしてここで働くようになったのだろう?

もともとタップっていう商品を知っていたんだろうか?

ビリヤードはするのかな? 

……など、

次から次へと疑問が浮かんできたのも事実です。

 

これはBDが、

ビリヤード産業・関連事業に従事する

全ての人に対して抱いている問いでもあります。

 

それならば直接聞いてみようということで、

KAMUI BRANDの協力のもと、

「スタッフインタビュー企画」を

始めることにしました。

 

初回は、工場長の金田尚典(かねだまさのり)さんに

ご登場いただきます。

 

4年前に入社したという金田さん。

入った当初は会社のことを全く知らなかったそう。

穏やかな口調で丁寧に話してくださいました。

 

…………

 

 

名前:金田尚典

年齢:41歳

社歴:4年

役職:工場長

前職:資源リサイクル工場

主な仕事内容:各工程が順調に回っているか、

作業者が困っていないか等の御用聞き回り


…………

 

■Q1 ENVISIONに入ったきっかけはなんですか?

 

「私は生まれも育ちも広島で、ビリヤードもやっていましたが、県外で働いていた時期は全くやっておらず、この会社のことも知りませんでした。4年前に広島に戻って来て、8年ぶりに『球友クラブ観音』(※現在は『Peaks』という名前でENVISIONが運営)に行き、以前からの知り合いだった別府賢治さん(当時JPBAプロ。現ENVISIONスタッフ)に『職探し中です』と伝えたところ、すぐにENVISIONに連絡を取ってくださって、そこからすごい早さで採用が決まりました。入社して一番初めの作業は革を切る工程でした。タップ作りにおける一番初めの工程でもありますし、基本と言えば基本です」

 

■Q2 担当しておられる仕事内容を詳しく教えてください。

 

「工場長として、生産計画、納期回答、材料の発注管理、工程管理、完成品チェックなどを担当しております。タップとチョーク製造の全ての工程を行うことができます。これはたまたまなんですが、私が入って4ヶ月後ぐらいに前任の方が体調を崩して離職されてしまったので、そこからがむしゃらに工場を回していたという感じでした。10名以上いるスタッフを仕切っている……と言えばそうなのですが、全員が担当業務に対して高い意識を持ったスタッフばかりですので、私の方が色々と教えてもらいながらやっています」

 

■Q3 タップ作りの面白さややり甲斐を感じる時は?

 

「KAMUI TIPを使ってくださっているプレイヤーから『良いタップですね』と言ってもらえた時です。ごくまれに出張に行くことがあり、出掛けた先で良い評判を耳にすると本当にありがたいなと思います。それと、KAMUIのワッペンを付けているプロを見たり、試合会場などでKAMUIのロゴを見る度に責任のようなものを感じますし、それがやり甲斐にもなっていると思います」

 

■Q4 反対にタップ作りの難しさや苦労を感じる時とは?

 

「革は生き物ですので、厳密に言えば完全に同じ繊維構造(密度や強度)を持ったものはありません。その条件のもとでいかに品質を安定させて同じ商品を作るか。そこが一番重要ですし、難しいところでもあります。これはもう革業者さんとの協力体制なくして考えられません。ですので、毎回革を入荷する度に『今回のものはこうでしたね』というふうにお互いの認識を揃えています。それは人が感覚だけで計るのではなく、硬さを数字で示せるような仕組みも導入し、定期的に試験を行っています。その精度はもっと上げて行けると思っていますが、より良い指標になっていくと思います」

 

■Q5 ビリヤードはプレーしますか? またその経験はタップ作りに役立っていると思いますか?

 

「はい。JPAをやっていて週に1試合は撞いています。ビリヤード場は『PEAKS』と、最近あまり行けてないですが、『ファイブナイン』さんに行ってます。プレー経験は仕事に役立ってます。タップにはどのような役割があり、何が良いとされるのか。やっぱりそこが具体的にわかっているというのは大きいと思います。マイキューのタップに関しては『硬さの変化』と『音』には注意しています。他のプレイヤーのタップのことはそんなに気になりませんが、異音がすると気になります(笑)」

 

■Q6 金田さんから見たKAMU TIPの特徴やセールスポイントとは?

 

「良いものを作ろうという意識に溢れたスタッフばかりですので、ここで生まれたタップもチョークも、見た目も品質の高さも全て含めて自信があります。カムイチョークのラベルに『為虎添翼』(いこてんよく。【虎に翼を与えると、もはや敵う者はいない】の意)という四字熟語をひそかに入れています。KAMUI BRANDはプレイヤーひとりひとりの『Quest For Excellence』の実現のための、縁の下の力持ちになれればという思いがあり、KAMUI BRANDの商品がまさにプレイヤーにとって『添翼』であってほしいという願いを、それとなく込めています。個人的には、自分がお客さんだったとした場合に、お店に並んでいた時に魅力を放っている商品かどうかという部分が基準としてあるのですが、KAMUIブランドは自信を持ってそうだと言えます」

 

■Q7 金田さんから見たKAMUI BRAND、またはENVISIONという会社の特徴や魅力とは?

 

「前向きで、感謝の気持ちを持った人々の集まりだと思います。日々スタッフさん達の働く姿を見ていますが、誰もがそれぞれの良い部分を活かして、良いものを作ろうと高い意識を持って頑張っています。以前、私は検品者に叱られましたことがあるんです。自分としては検品が厳しすぎるのではないかと思い、そう口にしたら『良いものを作るんでしょ』と一喝です(苦笑)。また、ある時はパートスタッフさんから、『”感動を大切にする”という理念があるのに、社員さんがそんなことを言うのはダメでしょう』と指摘されたこともあります。世界にタップ工場はいくつもあると思いますが、ここが一番優れていると思います」

 

■Q8 最後に、金田さんが今後やってみたいと思う仕事や、こうなっていきたいという仕事人像など、目標やビジョンがありましたら教えて下さい。

 

「以前は自分で作業を完結させようとする事が多く、職人的な考えを強く持っていました。今は人に任せたり、教えたりと個人の力からチームの力への転換に意識を向けています。すでに今、会社はその方向に向かっていると思いますが、さらにそれを推し進めていけたらと思います。個人的には、将来は人の問題で困っている企業さんなどの手助けや、悩み相談などが聞ける人物になれたらと思っています」

 

(了)

 

…………

 

金田さん、ありがとうございました!!

次回は別のスタッフさんにご登場いただく予定です。

 

■ 第2回:別府賢治さん編

■ 第3回:上田さん&白根さん編

■ 第4回:齋藤友美さん編

■ 第5回:平良碧さん編

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