〈BD〉JPAチーム・大阪「アニゴンズ」のメンバーが語る「初のラスベガス本大会」

 

 

8月にラスベガスで行われた

『APA World Pool Championships 2017』には、

 

日本(JPA)から5チームが挑戦し、

どのチームも健闘を見せました。

 

その中で、今年6月の

『JPA西日本エリアチームチャンピオンシップ』

を勝ち抜き、大阪から初めて

ラスベガス大会に乗り込んだのが、

『Z(ツェット)九条』の

「Anigons」(アニゴンズ)チームです。

 

何もかもが初めて尽くしだった今回の

ラスベガス遠征について、

メンバーはどのような感想を持っているのでしょうか。

 

リーダーの「兄」(瀬戸山さん)を

始めとする4名の方に、

本大会までの道のりと現地でのことを

ざっくばらんに振り返っていただきました。

 

取材協力:Z(ツェット)九条JPA

 

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対談写真左から

 

黒神愛さん 看護師

ビリヤード1年

JPA1年 SL(スキルレベル)2

 

篠原華菜さん 販売員

ビリヤード1.5年

JPA1年 SL2

 

松田沙希さん 看護師

ビリヤード2.5年

JPA1年 SL5

 

瀬戸山巌さん 自営業

ビリヤード27年

JPA1年 SL9

 

※今回の4名は全員が海外旅行経験あり。

全員アメリカ(ハワイを含む)は初めて

 

※他、アニゴンズには男性SL9、男性SL6、

男性SL3、女性SL1のメンバーがいる

 

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■勝って笑い話にできた忘れ物~ラスベガス行きが決まった日のこと~

 

瀬戸山巌さん(以下、) 西日本大会の決勝戦は、4番手と5番手の「どちらが1球入れてもラスベガス」という状況になったのですが、2人ともなかなか入れないので(笑)、安心はできない状況でした。とにかくラスベガスを目指して組んだチームだったので実現できてよかったですね。みんなはどう?

松田沙希さん(以下、) 私は職場で「ビリヤードをしたらラスベガスに行けるかも?」ってJPAに誘った側だから、ホッとしたというか。もちろん嬉しかったです(※松田さんは職場で2人、同じマンションの住人を1人、計3人をチームに勧誘)。

黒神愛さん(以下、) 「ラスベガスへ行けるかも?」って言われて食い付いてJPAを始めたから、決まった時はテンション上がりましたね。「仕事の休み、取らないと!」って(笑)。

篠原華菜さん(以下、) 私は「ホントに行けるの?」っていう感じでした。西日本大会には出ていないんですけど。

 ホントは華菜ちゃんに最初の試合に序盤で出てもらうつもりだったけど、キューを忘れたから急遽、愛ちゃんに出てもらったからね。

 焦りましたよね。

 でも、あれは誰も悪くない。4人分のキューをケースに入れて、全員が「誰か持って行ってくれるんだろう」って(笑)。それを教訓にしてラスベガスでは「次は誰が担当」って決めました。

 「勝てたら笑い話になるねー」って言ってましたよね。

 

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■スケールの大きさにビックリ~初めてのラスベガス~

 

 初の本大会(WPC)の感想は「とにかくスケールが大きい」ですね。僕もビリヤード歴は長いですけど、あの会場のスケールは桁違いで見たことがないレベルでした。

 初めてのアメリカは「空気が違うな」って。暑いんだけど気持ちがよくて。でも、ホテルの中はとにかく寒かったです(笑)。

 うん、寒かった。そして、私は美味しい食事に出会えなかったのが残念でした。試合に負けてからみんなでレンタカーを借りて1泊で行ったグランド・キャニオンやセドナが楽しくて印象に残っていますね。移動はほとんど寝ていましたけど(笑)。

 私は自分の英語にがっかりでした。外大を出ていて半年の留学経験もあるのに、行ってみたらまったくで。

 全然そんなことないと思う。すごく頼りにしていたし。

 うん。本当に助けられたと思う。

 華菜ちゃんは普通に話せていたよね。僕はまったく話せなくて、英語でコミュニケーションが取れない点は苦労したかな。

 あと「人も大きい」っていうのが驚きでした。ビリヤードをしている人がどうしてこんなに大きいのかと。オニイ(兄)が小さく見えました(笑)。

 本当に大きい人がたくさんいたもんね。そして、街のスケールにもビックリしました。電飾とかお金のかけ方が違うなって(笑)。

 あと治安が予想以上に良かったです。街中は一人でも歩いても怖くない感じで。その街がすごく大きいんですけど。

 結局、すべてが大きい。これに尽きますね。ちなみにウチのチームはラスベガスへ行くという気持ちが本当に強くて、チームを組んだ時から通訳の人を誘ったり、国際免許の取り方を調べていたくらいです。だから行くことができて本当によかったです。もし最後に負けていたら……と考えたらゾッとします。

 

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■個性とエンジョイと7フィート~アメリカのビリヤード~

 

 試合は不戦勝、勝ち→勝ち→負けの3試合だったんですけど、5人しか出ていないんです。木ラックなのでブレイクを強く割れない女性に不利と見て決めたオーダーなんですけど、他にもオーダーの組みようがあったなと反省しています。

 私はめちゃくちゃスクラッチしました(笑)。

 うちのチームのSL6以下はファウルのほとんどがスクラッチでした。日頃からシュートだけ鍛えていたので、7フィート台(※日本で一般的に見るテーブルは9フィート)だと手球が走るとすぐスクラッチしてしまっていましたね。

 相手は手球を止める取り方をしていました。

 入れるのが簡単な7フィートでは手球のコントロール勝負になるので、ビリヤード自体がちょっと違う感じでした。なので、ウチの店(Z九条)に7フィートテーブルを2台置くことになりました(※1台は入荷済み。もう1台は9月下旬予定)。今後、関西でラスベガスへ行くチームはぜひ練習に来てください。華菜ちゃんはどうだった?

 アメリカのチームが個性的で面白かったです。最初に当たったチームは勝ってきたら喜ぶ、負けてきたら静かになる。アメリカ人らしいチームでした(笑)。そして、最後に対戦したチームはお酒を飲みながらプレーをするけれどずっと紳士的で冷静。チームカラーがはっきりしていますね。そして誰もが楽しむことに長けていると感じました。愛ちゃんは?

 微妙にルールや習慣が違うことに戸惑いました。ラスベガス行きが決まった時に「速く撞く練習を」って言われていたけど、やっぱり狙うと時間もかかってしまって、審判みたいな人が来たりして焦りました(笑)。

 向こうの人は台に慣れているから判断も早いしね。その慣れの差はあると思いました。そして、ブレイクが入らない(笑)。

 まったく入らなかったもんね。

 アメリカ人は体が大きいから音も大きくて球もすごく弾けていましたね。あと、50人くらいのグループLINEで実況とかしていたんですけど、日本からの反応がすごく面白かったです。

 

…………

 

 

■全員既読スルー。送り続けたメッセージ~ラスベガスへの1年間~

 

 ラスベガスへ行けたのは、本当にみんなよく頑張ってくれたからですね。

 周りが気合十分で頑張るから自分もやらなきゃ、っていうプレッシャーは大きかったですよ。

 いや、それは違うよ。練習をする人ばっかりだと上達してSLの関係でチームが組めなくなるので、それぞれのペースで練習をしてくれるのが一番だから。まあ短期集中のスタイルなので、大事な試合の前はひたすらシュートの特訓をしてLINEで毎日激励もしました。

 激励? あのグループLINEで「あと何日ですけど空クッションは当てられますか?」とかは、本当にプレッシャーでした(笑)。

 「あと何日です。フリーボールは外しませんか?」とか(笑)。

 ものの見事に全員返信はくれないですけどね(笑)。それでも大きな大会の前は食事会などで必ず集まるようにしていましたし、直前の詰め込み練習は力を入れて、メンバーも本当によくやってくれたと思います。

 あとコーチングで勝てた試合も少なくなかったです。

 日本では僕はコーチングの方に力を入れていました。もう一人のSL9がよくポイントを稼いでくれましたし、自分が試合をするとコーチングがおろそかになるので、西日本大会ではみんなに任せました。ただ、結果はたまたまです。JPAでは相手が知らないチームだと組み合わせを考えようもないですし、低スキルの人の試合は展開が読めませんから。西日本大会の勝因を挙げるとしたら、みんなが空クッションを本当によく当ててくれて、ほとんどファウルをしなかったことですね。

 

…………

 

 

■リベンジへもう一度、そしてサプライズ~また行きたい? ラスベガス~

 

 最後の質問が「ラスベガスへもう一度行きたい?」です。

全員 行きたいです!

 僕は正直、リベンジがしたいですね。せっかくなので行くからにはひとつでも上へ。そしてベスト4から特別室で試合ができるので、そこまでたどり着きたいです。

 私はラスベガスっていう目標を果たせたのでいったんJPAは離れます。また遊びで撞くことはあるかもしれません。

 JPAをこれからも続けたいし、またラスベガスへ行けたら最高ですね。

 私も続けます。

 いずれSLが上がってチームが組めなくなるので、このチームで行くには来年が勝負だと思います。締めは華菜ちゃんの話かな?

 そう、言っておかないと!

 えーと、向こうでプロポーズをされました。

 華菜ちゃんをJPAに誘った彼氏がSL6のメンバーで、今回のラスベガスでプロポーズをしようと演出を考えていたけど色々とあったようで(笑)。

 グランド・キャニオンの帰りにスピード違反で捕まるし!

 ベラッジオの噴水の前でプロポーズをしようとして時間がなくて急いでたんだよね。

 そんな事情を知らないからキレてしまいました(笑)。反則金は手数料を入れて280ドルくらい(※彼氏曰く「反則金相当はカジノで勝ったとのこと)。

 「そういうところが嫌い!」とまで言ってたもんね(笑)。

 そして結局、遠くから小さい噴水を見ただけ……。

 とにかく、おめでとう! いつまでも仲良くね。

 

(了)

 

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