伝統のアマチュアタイトル、
ローテーションで競う『第57期名人戦』。
その最終ステージ、
『名人位決定戦』があと1週間後に迫ってきました。
8月の『A級戦』に勝ち、挑戦権を得た林武志選手と、
2015年に名人位に就き、昨年初防衛に成功。
今年は2度目の防衛を目指す小川徳郎・現名人との
一騎打ちとなります。
今年は神奈川勢(KPBA)同士の対戦となりました。
8月24日(日)、舞台は小川名人のホーム、
『アロウズ』(神奈川県横浜市鶴見区)。
ローテーション300点先取の5セット先取という
ロングマッチで行われます。
本番を1週間後に控えた小川名人の心境を
お届けします。
※昨年の防衛直後の談話はこちらから。
※挑戦者・林選手の談話はこちらから。
※主催のJAPAのFBページはこちらから。
…………
――防衛戦1週間前の現在の心境とは?
「あっという間に1年経った感がはんぱないです。
『はやっ』ていう(笑)。
A級戦(8/20)が終わって
相手が(林)武志に決まった時に
『まだ1ヶ月あるし……』と思ってたけど、
気付いたら『もう来週か!』みたいな」
――相手は同じ神奈川(KPBA)の後輩です。
「『まさか本当に武志が上がって来るとは……』
という気持ちと、『強くなってるなぁ』という
気持ちの両方があります。
A級戦の最後の方は、
醍醐(雅人)さんと喜島(安広)さんと
武志が残ってましたけど、
その中では武志と撞くのが
僕としては一番プレッシャーがあります。
KPBAで一緒にやってきた仲間でもあるし、
ちびっこには負けられないという思いもあるし(笑)」
――年齢が一回りほど違いますね。
林選手の成長をこの数年近くで見てきていると
思いますが、彼の特徴とは?
「まず、よく球を入れます。シュート力がある。
それから、セーフティは
僕より上手いんじゃないですか?(笑)
試合の流れの中で、しっかりと効果的な
セーフティができている印象があります。
武志の試合を見てて、
『そのセーフティやられたらうざいなー』
と結構思ったりします」
――小川選手自身の調整や準備はどうですか?
「練習はしています。
でも、最近自分のビリヤードが
崩壊気味なので困ってます(笑)。
今はあまり人とは撞いてなくて、
引き球・押し球・カットとか、
自分の基準を求めて
一人で撞いてる時間が多いです。
で、ちょうど今は一人で
ローテーションを転がしてたところ。
頭の体操を兼ねて、考えながら撞いてます」
――あと1週間、どう過ごしていきたいですか?
「『アロウズ』で毎日撞きこんで
コンディションを把握しておくというのが
大事になってくると思います。
ホームテーブルの利は活かさないともったいですし、
新(さら)ラシャになったんで、
色々と確認しながら合わせていきたいと思ってます」
――本番ではどんな試合をしたいですか?
「神奈川勢同士の対戦だからこそ、
互いに最後までちゃんと締まった気持ちでプレーして、
しゅっと終えられたらと思います。
名人戦は57年続いてきている
伝統あるタイトルなんで、
のほほんとした空気とか、
だらけた内容にはしたくないですね。
武志は大きなタイトルの決勝戦で
僕と撞きたかったと公言しているし、
その思いは受け止めて撞きたいと思ってます。
そしてもちろん、
僕は今回も防衛したいと思っています。
他県から『見に行く』と言ってくれてる方もいますし、
日頃から多くの方に応援されていますので、
その期待に応えられるよう、
気持ちだけでも締まった状態で
戦い抜きたいと思います」
(了)
Norio Ogawa
1990年3月19日生
神奈川県出身、KPBA所属
2010年『プレ国体』優勝
2008年&2013年『マスターズ』優勝
2014年『アマローテ』優勝
2015年『都道府県対抗』MVP(神奈川)
2015年~2016年『第55期&56期名人戦・名人位』
2016年『アマナイン』優勝
他、入賞多数