アマチュアスリークッション選手として
『アダムエメラルド杯』のタイトルを持ち、
ポケットビリヤードも撞く深尾典子さん。
典子さんは今年4月に
ご主人のドイツ赴任にともない、
フランクフルトに移り住みました。
早速現地のビリヤードクラブの会員になり、
日々のプレーやクラブのお客さんとの
交流を楽しんでいます。
現在通っている所は、
スタッフを置かず会員で共同運営する
スタイルのクラブだとのこと。
そんなホームクラブのことを始めとして、
典子さんのビリヤードライフinフランクフルトを
ご寄稿いただきました。
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深尾典子・記:
長年暮らした大好きな東京を離れて、
2017年4月よりドイツのフランクフルトに
在住しています深尾と申します。
今回は私が現在通っている
ビリヤードクラブを中心に
ドイツのビリヤード事情を
ご紹介させていただきます!
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【ホームグラウンド、『フランクフルト1912』】
現在私は、フランクフルト中央駅から
電車で15分くらいの場所にある
『Billard Club Frankfurt 1912 e.V.』
というクラブにお世話になっています。
100年近く運営されている老舗クラブです!
外観は廃墟の様な感じで、最初に訪れた際は
おそるおそる入ったのを覚えています……(笑)。
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クラブ内には、ポケット(4台)、
キャロム(現在2台)、キャロム中台(2台)、
スヌーカー(現在2台)が設置されています。
ドイツもクラブによって料金が異なるのですが、
こちらのクラブでは会員になると鍵が渡されて、
夫婦で月額40ユーロ(5,000円程)で
どのテーブルも好きな時間に撞き放題です!
(※通常、大人一人の月額会員費は40ユーロ、
学生の月額会員費は20ユーロ)
なんとお財布に優しいのでしょうか……。
ドイツ最高!
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ポケットは8ボールが主流で、その他、
試合の種目として14-1、10ボール、
ローテーションがあるので皆練習しています。
9ボールや5-9をやっている人は
残念ながら見かけません……(泣)。
スリークッションは日本の様に
20、25イニングで終了ではなく
40イニング、もしくは30点先取の
どちらかで行っています。
これも、ドイツリーグの
試合方式に基づいています。
30点先取のゲームで70キュー近くまで
もつれた時は大変でした……。
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プレー後、ボール拭きや台の清掃は
プレーした人が自ら行うシステム。
日本で言う球屋の店員さんはおらず、
クラブメンバーの3~4人が運営に回って
集金、備品補充、サイトの管理などを
してくれています。
ドイツに来て、
スリーの球の汚れはなかなか落ちず、
球を磨く事の難しさを痛感しました……。
やっぱり、日本最高!
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こちらはロッカールームです。
キューを店内の壁に立てかけているのは
日本くらい……と聞いたこともあります。
私はここにキューケース2本と
スリーの球を置いています。
クラブにも球はあるのですが、
古いためか少し小さいので、
自分でドイツのアマゾンで
『アラミス』の球を購入しました。
100ユーロほどでした。
こっちの上手い人はマイボールを
持っている方が多い印象です。
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こちらはクラブのキッチン周り。
自分で材料を持ち込んで料理をしている人も
チラホラいて、お皿やナイフにフォーク、
調理器具、食洗機まで大体揃っています。
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こちらはドリンク販売用の冷蔵庫です。
種類はビール(5種類)から、
ドイツでは有名なアップルワイン、
コーラ、ファンタ、水……など。
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ドリンクを取る場合は、
このシートに自分の名前と飲んだ本数を
自己申告で記載していきます。
ちなみに、ビールやアップルワインなどの
アルコール類は1.5ユーロ(200円程)、
その他ソフトドリンクは1ユーロ(130円程)。
ドイツ人は昼はコーラ、夜は500mlの
ビール瓶片手に球を撞いています……(笑)。
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支払い方法は、
こちらの鍵付きボックスにお金を入れて
(よく見ると天面の真ん中に穴が空いています)、
先程のシートにいくら支払ったか記載します。
なんともアナログな……。
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お金を入れると、運営メンバーの方が
集計してくれてこの様な表にして、
現在の残高をまとめてくれます。
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【『フランクフルト1912』の雰囲気】
プレーエリアは禁煙になっていて、
喫煙ルームが別にあります。
会員は皆仲良しで、
夜はテレビでサッカーやスヌーカーや映画を
鑑賞しながらビールを飲んでいます……(笑)。
写真の皆さんは30年近く球を撞いている
ベテランキャロムプレイヤーで、
この3人が集まって球の事を話し出すと
止まりません……(笑)。
真ん中の人は、あのR・クールマンスが
大好きで、若い頃、弟子入りしに
ベルギーに移り住んだことがあるそうです!
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こちらは今、クラブで一番仲の良い
アフガニスタンの友達!
彼らはスヌーカーをプレーするのですが、
なんと自己ベストはセンチュリー(100点)超え。
かつてイギリスの保護国であった為、
アフガニスタンではスヌーカーが主流だそうです。
他にもクラブにはイスラエル、トルコ、
モロッコ、旧マケドニア、韓国……など、
様々な国の方がいます。
多くの文化に触れ合えるのも、
クラブでの楽しみのひとつです。
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こちらは、試合に助っ人参戦した時の写真!
今季、チームは成績が好調で
リーグ昇格を果たしました!
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【その他のお店の紹介】
ドルトムントから電車もしくは車で
30分ほどの所にある
『Billard Club Elfenbein Höntrop 1968 e.V.』
という名前のクラブ。
レストランスペースが併設されていて、
そこのモニターに現在の試合の様子が
映し出されています!
ここでお酒を飲みながら気兼ねなく
ワイワイ出来るのは羨ましいですね!
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こちらはフランクフルト都内から
車で30分近くの
『Snooker Club Breakers Rüsselsheim 1991 e.V.』。
フランクフルト近郊で一番大きな
スヌーカーのお店です。
なんと、スヌーカーテーブルは8台!
加えて、ドイツではめったに見掛けることの
出来ないクーラーも設置されていました。
夏でも快適に練習できるのが羨ましい……
(ドイツは基本どこもクーラーがありません……)。
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【最後に】
以上、一部ではありますが、
ドイツのビリヤードクラブをご紹介しました。
ドイツ語はもちろん、英語もほとんど話せない、
ヨーロッパにはほとんど知り合いもいない中での
渡欧でしたが、ビリヤードを通じて
多くの方と出会えたのは嬉しい限りです。
(以上、文・写真:深尾典子)
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典子さん、
現地レポート、ありがとうございました!!
また別のお店に行った時や、
リーグ戦に出た時のレポートなども
お待ちしております(^^)
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