今月29日(日)、東京・池袋『ロサ』で
新しいビリヤードイベント、
『PREMIER SEVEN vol.0』
(プレミアセブン・ボリュームゼロ)が開催されます。
まずはプロモーションビデオをどうぞ。↓
主催は(株)ジャストドゥイット。
もうすでに、大会公式ポスターや、
公式サイトを見たという方も多いでしょう。
改めて概要をまとめると……、
このプレミアセブンは、
最大90チーム(180名)が参戦する「ダブルス」と、
ダブルス参加者の中から希望者が出られる
「プレミアシングルス」(最大32名)の
2部門があり、
ビギナーからプロまでが出られる
オープンな9ボールイベントです。
ジャストドゥイット所属のトッププロ、
栗林達プロ、栗林美幸プロ、藤井寛美プロらも
参加します。
ダブルスのゲームルールは、
『JPA』方式が採用されており、
ペアのハンデは、JPAのスキルレベルや
『ビリヤード検定』のグレードで決まります。
(※どちらも未経験の人は従来のクラス分けを採用。
ペアスキルレベル算出法など、詳しくはこちら )
こういった部分は、栗林達プロが
プレイヤーと主催者、双方の視点から
知恵を絞って立案・制定したとのことです。
……と、トーナメント概要から紹介し始めると
「バリバリの競技イベントなのか」と思うかも
しれませんが、そうではありません。
プレミアセブンの根底にあるコンセプトは、
「仲間とともに丸一日ワイワイ楽しめる場」。
当日、会場のロサでは、
■豪華賞品が当たるプレミアム大抽選会(観戦者も参加可)
■JPBAプロのレッスン・チャレンジマッチブース
■キューショップジャパンのビリヤード用品展示即売・キュー買取ブース
■フード、ドリンクブース(アルコールも販売)
■マーティ・キャリー来日イベント開催
といったイベントやブースが催され、
レジャーとしても楽しめるようになっています。
ビリヤード場の仲間とペアを組んで、
遊びに行ってみませんか?
エントリーはプレミアセブン公式サイトから。
締切は10/19(木)です。
…………
……といっても、まだわからないことがあります。
そもそもなぜ今、
イベントを立ち上げることにしたのか。
その狙いはどんなところにあるのか。
「セブン」や「vol.0」の意味は?
そこでBDは、
(株)ジャストドゥイット代表の谷崎文保氏に
直接聞いてみることにしました。
――まず、なぜプレミアセブンを立ち上げようと思ったのでしょうか?
「ご存知のように、今の日本のビリヤード人口ピラミッドは、初心者・一般層が少ないつぼ型(樽型)になっています。つまり裾野が狭い。ここが狭いと業界の発展は考えられません。競技を志す人も少なくなる一方です。なんとか初心者・一般層、つまりレジャーとしてビリヤードを楽しんでいる層に響くような楽しいイベントを立ち上げたい。それは何年も前から考えていました」
――概要やPVを見ると「皆で盛り上がる」というところに主眼を置いている印象で、ダーツイベントに通ずる空気感があります。
「その通りです。弊社は『JET』というダーツイベントを立ち上げて継続し、お陰様で広く認知され、多くの方に楽しんでいただいています。このJETのスキームをビリヤードに応用しています。もともとは大きな会場を使ってビリヤードとダーツのイベントを一緒に開催することを夢見ていました。でも、テーブルの設置は職人仕事ですので、たくさん設置するとなると時間もコストも膨大になります。ダーツマシンのように一気に何十台並べるという訳にはいかない。そこがビリヤードで大規模なイベントをやる上での泣き所です」
――今このタイミングでアクセルを踏み込んだのは?
「今年春にアメリカで『スーパービリヤードエキスポ』を見て決意しました。会場内に7フィートテーブルがたくさん設置してあって、そこで皆が思い思いに試合を楽しんでいる。以前から知っていましたが、改めてその壮観な光景に胸を打たれました。『やっぱりこれだ』と。カギは7フィートテーブルです。9フィートテーブル(日本でよく見るテーブルサイズ)はどうしても設置に時間がかかりますが、7フィートテーブルの中には、組み立ていらずで完成形を運び込むだけというタイプもあります。ダーツのような特設会場でのビリヤードイベントをやろうと思ったら、7フィートテーブルでのペアマッチが一番だろうと、バチっと思考がまとまりました。いや、前からわかっていたのですが、アメリカに行って覚悟ができました」
――プレミアセブンの「セブン」は7フィートテーブルのことですか。
「そうです。もともと日本には7フィートテーブルがほとんどなかったですし、文化もない。でも、そこへ向かうことが業界の発展に繋がると信じていますし、それをやるのは我々だろうという勝手な使命感もあります。現在、7フィートテーブルの導入ルートや特設会場の目星は付いていて、具体的に検討しているところです」
――今回のロサさんもそうですが、国内のビリヤード場はどこも9フィートテーブルです。いずれ特設会場に移って7フィートでやることが前提にあると。
「はい。ですので、今回は『vol.0』という名前になっています。構想としては来年『vol.1』を特設会場で行います。それまでに何回かビリヤード場で開催するかもしれません」
――ダブルス戦を主軸にし、JPAルールやJPAスキルレベル、ビリヤード検定グレードを導入している。これも裾野を広げるための方策ですか?
「そうです。JPAさんは日本のビリヤード界で今最も初心者~下級者層を取り込むことに成功している団体ですし、約10年、着実に成功してこられた。特に首都圏では多くの人が『スキルレベル』というものに馴染んでいます。同様に『ビリヤード検定』も裾野を広げる上では無くてはならないものです。ですので、今回許諾をいただいて、プレミアセブンのハンデシステムのベースとして使わせていただきました。プロやSAクラスの選手もスキルレベル『10』として参加できるようにしたのはオリジナルです。その辺りの具体的なハンデとフォーマットなどは全て栗林達プロに任せました」
――「ワイワイと楽しむ」ことと「競技」の部分。そのバランスが肝ですね。
「私は昔からビリヤードは『レジャースポーツ』だと思っています。ビリヤードはレジャーと競技の両面を持っていて、それがよくごっちゃになっていたりもする。ピラミッドの下の層のほとんどの人は、レジャーとしてビリヤードを楽しんでいます。でも、何かのきっかけで競技ビリヤードの世界に触れて、上を目指す人が出てくる。横方向の広がりと上への流れ。プレミアセブンではこの2つのベクトルを意図的に同時に創りたい。だから、ダブルスとプレミアシングルスという2つのトーナメントを設けています。ダブルスは声もハイタッチも出るし、店舗の仲間から応援もされる。プライドをかけながら楽しく遊ぶものです。その中から我こそはという人がシングルスで上を目指す。シーズンでポイントランキングを付け、上位入賞者に他のオープン戦への参戦権を進呈する。そういうシングルスの戦いを初心者~下級者層が見て、刺激を受け憧れを抱く。これもJETと同じ方法論です」
――試合以外のイベントも盛りだくさんですね。
「ただ試合でプレーして終わりではなく、会場にいること自体が楽しくないと、すぐに飽きてしまいます。なので、アルコールも含めて飲食を楽しんでいただき、抽選会やビリヤード用品のショッピングやレッスン・チャレンジマッチなどを準備しています」
――まだ第1回が行われてもいないですが、先々の展望とは?
「将来的には年間4戦ぐらいはやりたいです。ですが、関東のイベント会場事情が思った以上に逼迫しているので、特設会場開催とビリヤード場開催をミックスした形が現実的でしょうか。関東でプレミアセブンが定着したら、地方でも展開していきたいと思っています。そこまで行くのは簡単ではないと思いますが、楽しさを追求していけばお客様が付いて来てくださる。JETはそうやって大きくなりましたし、プレミアセブンでも自信を持っています」
(了)
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