『PREDATOR』(プレデター)が昨年発表し、
現在はシャフト単体でも購入できるようになった、
カーボン繊維複合材を用いた新世代シャフト、
その使用感について語っていただく
インタビューも4人目。
今年6月からプレデタープロスタッフとなった
大阪の吉岡正登プロにご登場いただきました。
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Masato Yoshioka
1985年10月2日生
JPBA43期生(2009年プロ入り)
京都府出身・大阪府在住
2012年『8ボールオープン』優勝
2014年『全日本14-1』優勝
他、上位入賞多数
ビリヤードレッスン場『Poche』(ポッシュ。大阪)代表
『OWL』グローブ使用
2017年からプレデタープロスタッフ
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手前:プレーキュー PREDATOR IKON 3-5
(REVOシャフト12.9。KAMUIオリジナルSタップ。
普段のプレー時はエクステンションを付けっぱなしにしている)
中央:ブレイクキュー PREDATOR BK RUSH
奥:ジャンプキュー PREDATOR AIR 2
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語り手:吉岡正登プロ
聞き手:BD
取材場所:Poche(大阪)
――吉岡プロは今年6月に
プレデタープロスタッフになりました。
「はい、ご縁やタイミングが重なって、
6月から全てのキューがプレデターになりました。
アマチュア時代に1、2年だけ
初代『BK』を使っていたことがありますが、
それ以来のプレデターです。
使い始めてすぐの大会
(6月『ハウステンボス九州オープン』)で
3位に入れましたし、
初めからかなりの好感触です」
――プレーキューは『IKON』をチョイス。
これを選んだ理由は?
「まず、グリップ部がノーラップであること。
それから、やっぱりプロとしては
目を引くデザインのものを使いたいと思い、
『IKON 3-5』を選ばせていただきました。
プレデターのプレーキューはシンプルな
デザインのものが多いためか、
海外のプロスタッフ達も
デザイン性の高いIKONシリーズを
使っている人が多い印象です。
中でもこの『3-5』は、
他メーカーのキューを含めてもなかなか珍しい、
白を基調としたキューなのでだいぶ目立ちますよね。
シャフトが黒なんで一体感はないですが(笑)、
僕はこのバットデザインを
めちゃくちゃ気に入ってます」
――そして、シャフトが
REVO(12.9)になりました。
まず、打感、音、テーパーなどはどうでしたか?
「僕の感触としては、
木のシャフトの打感との違いが
あまりないことに逆に驚いたくらいです。
違和感がなさすぎました。
音も特別変わっていると思わないですし、
テーパーも全く問題ありません」
――撞いてみての第一印象を覚えてますか?
「『スゴイものが出たな』と。
性能を一言で言えば
『パワーがあってトビが少ない』。
そのパワーの感じが、ちょっとこれまでの
シャフトとは種類が違うなと思います。
キュー先が手球を捉えたと思った瞬間には、
もう先球(的球)に手球が届いてる感じですね。
『パンパーン』と行く感じというか。
そのおかげで、ロングの球など、
より楽に撞けるようになった球があります。
ただ、使い始めて4ヶ月ぐらい経ちますが、
トビ(ヒネった時の手球の横ズレ、見越し)の
なさには、今もまだ完全に
適応できているとは言えません。
僕はもともとノーマルシャフトで
球を覚えてきていて、
その後使っていたハイテクシャフトも
ノーマルに近いズレを持つものでした。
その点、REVOは本当にズレにくいので、
見越しの感覚はまだ完全には合ってません。
例えば、順ヒネリは的球が薄く抜け(外れ)る
ことが未だにあります」
――押し・引き・ヒネリのキレ(スピン)は?
「どれも申し分ないですが、
僕が特に良いと思ったのは引き球です。
直引きの配置よりも、『への字の球』とかの
フリのある球の方が効果がわかりやすくて、
的球に当たった後、
手球が引きのカーブを描きながら
戻って来るような配置で、
1クッション目の位置が明らかに
手前側になりました。
一瞬で引けて来る感覚があります。
それはそれで慣れが要ると思いますが、
手球のコースが増えるし、
ショットの幅が広がると思います」
――4ヶ月使ってきて発見したことや
慣れたことは何かありますか?
「いや、特別変わったところはないですね。
むしろ『変わらないってすごいな』と
思ったことはあります。
メインのREVOに少し異常が見られたので、
それまで一度も使ってなかったスペアシャフトで
出たんですけど、全く違和感なく使えたことに
自分でも驚きました。
木のシャフトだと、もともとの個体差もあるし、
メインとスペアの性能や状態を
完全に揃えるのってほぼ不可能ですよね。
僕は木のシャフトの時、メインばかり使っていて、
スペアを育てていく時間もなくて、
だいぶ性能が違ってました。
でも、REVOはメインとスペアに差がなかった。
ほぼ摩耗や変化もしないし、
もうシャフトを『育てる』とか『締める』という
必要がないんだ……というところに
『新時代感』を覚えました」
――材質の違いをよく表している話ですね。
「性能が高いこと、
思ったほど木との違和感がないこと、
そして、いつでも性能が変わらないこと。
僕はそれがREVOのすごさだと思います。
僕はキャリア20年ぐらいですけど、
REVOとの出会いは、20年で3度目の
『キューの概念が変わる経験』でした」
――あとの2つをぜひ教えてください。
「一つは、だいぶ昔、アマ時代に
ある有名なカスタムキューを
初めて試し撞きさせてもらった時。
ものすごいパワーがあって、
ビックリするほど楽に撞けた。
当時僕が使っていた量産のキューとは
まるで違っていました。
『パワーがある』というのは、
すごく押せるとか引けるということだと
僕は勘違いしてたんですけど、
そうじゃなくて、
全然無理矢理突っ込んでないのに
手球(の回転)が届いて行くというのが
パワーなんだなと肌で感じました。
ミドル~ロングのストップショットが
すごい楽だったんですよね。
『なんや、これ!?』と。
良いキューを使っている人は
ずるいなぁとも思いました。
2つめは、去年から流行っている
『付けっぱなしエクステンション』。
これもパワーを増幅させてくれました。
単にキューが重くなれば良いのであれば、
ウェイトボルトをバットエンドに入れれば
済む話ですけど、
それだけではあのパワーは生まれない。
『長くなって重くなる』ことに
意味があるんでしょうね。
それで振り抜きやすくなったり、
キューが楽に前に出るようになる。
『えっ、こんな簡単なことで、
ビリヤードはここまで変わるの!?』と思いました。
そして、3つめがREVO。
シャフトだけでこのパワーはすごいです。
パワー面だけ見れば、もうエクステンションを
付けっぱなしにしておく必要がないんですけど、
付けっぱなしで撞くのに慣れてますし、
単純に届く範囲が広くてプレーしやすいので
当面の間はこのまま行こうと思います」
――ありがとうございます。
『BK RUSH』の話は次回おうかがいします。
(了)
※原口俊行プロのREVOインプレッション(BD記事)はこちら
※塙圭介プロのREVOインプレッション(BD記事)はこちら
※土師理恵子プロのREVOインプレッション(BD記事)はこちら
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