これまでにもピンクリボンキャンペーンなどの
ビリヤードを通じた社会貢献活動や、
種々のプレイヤーサポートプログラムを
行ってきているKAMUI BRAND
((株)エンヴィジョン)が、
2018年1月1日より、
18歳以下の選手を対象にした
「ジュニアパートナー育成・支援プログラム」を
開始します。
海外試合の遠征費補助、
KAMUI BRANDビリヤード製品の提供といった
競技面でのサポートはもちろん、
ジュニアプレイヤーが豊かな人生を
歩んで行けるように、勉学や教養を
身に付けるための教材購入を支援するなど、
多面的なサポートを行うものです。
現在予定されている
ジュニアパートナープレイヤーの人数は、
日本からは男女1名ずつ、計2名。
国外からも男女1名ずつ、計2名。
昨日(11/8)より希望者の募集を開始。
11/30に応募を締め切り、選考過程を経て、
12/10にジュニアパートナープレイヤーを
発表する予定となっています。
…………
なぜ今「ジュニアサポート」なのか。
また、KAMUIがジュニアパートナーに
求める人間像とはどのようなものなのか。
KAMUI BRAND((株)エンヴィジョン)の
代表取締役、平岡正人氏にお話をうかがいました。
…………
――まず、プログラムを立ち上げることになった経緯とは?
「自分自身、一人のプレイヤーとして、またファンとしてビリヤードが好きですが、いちスポーツとして見た場合、ビリヤードには様々な問題があり、成功しているとは言い難いのが現状だと思います。スポーツとしての認知を高め、関わっている人達が幸せになっていくためには、競技人口を増やしていくことが必要不可欠ですが、そのためにはジュニアプレイヤーの育成が急務ではないかと考えています。ジュニアプレイヤーは社会的に見て弱い存在で、経済的な自立が出来ていません。そんな彼らをなんとか支援が出来ないだろうかと、以前から温めてきたのがこのプログラムです」
――たしかにジュニアが育たないスポーツに未来はありません。
「個人的な話になりますが、私は三児の父で、うちに海外のトッププロが遊びに来たり、子ども達とビリヤード場に行くこともあります。子供達はプロとの交流やビリヤードを楽しんでくれていますが、もし仮に『将来ビリヤードをやっていきたい』と言われたらどうしようと恐れる気持ちもありました。ビリヤードの仕事をさせてもらっていて、スタッフや関わってくれる全ての方達が幸せになれるようにと力を尽くしている。なのに、自分の子供の夢にビリヤードが入ってくるのを『恐ろしい』と思うのは完全な自己矛盾ではないかと。そういう個人的な思いも、このプログラムを推し進めていく原動力の一つになっています」
――ジュニアパートナープレイヤーの選考基準として「学業に熱心であること」が挙げられています。またパートナーになったジュニアには書籍購入費用のサポートもある。文武両道がこのプログラムの一つのポイントだと感じます。
「学校の成績は75%以上(5段階評価で平均3.5以上)、TOEICが500点以上というのが条件です(※TOEICに関しては500点に満たない場合でも英語の勉強を継続的に実施していれば1年目に限り契約対象)。『ビリヤードに打ち込むのは良いけど、ちゃんと勉強もやっておきなさいよ』と(笑)。アメリカに、ジュニアをサポートしている『BEF』(Billiard Education Foundation)という団体があり、KAMUIは3年前からそこでアワード(スポンサード)を出させてもらっています。BEFもジュニアプレイヤー達の学業を重視しているので、ビリヤードの能力だけでなく、勉強もきちんとやっていなければアワードの受賞資格はありません。私は向こうのお父さんお母さんに言われたんです。『おかげで勉強もちゃんとやるようになって成績も上がり、非常に助かっている』と。その気持ちは僕も親ですのでよくわかります。ですので、今回のプログラムでも学業との両立が基本となっています」
――英語力も重要視していますね。
「はい、国際舞台で継続的に活躍していくためには英語力は必須です。英語が出来ないと、海外に行ってもどうしても見て解釈をするだけになってしまうし、海外選手と友達になれない。でも、英語が出来れば、海外選手とコミュニケーションを取る中でビリヤードの技術・知識・ノウハウはいくらでも拾えますし、それで競争力が磨かれます。僕自身、多くの国際大会を見てきて、海外トップ選手達に色々なことを聞いてきた経験がありますので、それは間違いないと言えます」
――学ぼうとする姿勢や継続的に努力出来るかどうかという、広い意味での人間性も見るのですね。
「そうです。このプラグラムにおいてジュニアプレイヤーを『パートナー』と呼ぶのは、ともに成長していこうという意味が込められています。KAMUIのブランドミッションである『Quest For Excellence』(卓越することへの探求)を理解し、ビリヤードに限らず何事においても上を目指す努力を重ねて行ける人。親を含め周囲の人々に頼り切るのではなく周囲に勇気を与えられる人。そんな人と一緒に歩んで行きたいと思います。そして、このプログラムから巣立ったプレイヤーが、将来的にビリヤードプレイヤーとして良いロールモデルになれるかどうか、その将来性までも見通して選考させてただきたいと思っています」
――わかりました。このプラグラムの今後の展望は?
「今回、まずはKAMUIだけで始めていますが、近い将来に様々な方に参加してもらいたいと思っています。競合タップメーカーさんでもキューメーカーさんでも構いません。趣旨にご賛同頂ける方であればどなたでも結構です。やはり一社だけの力で出来ることは限られています。しかし、ジュニアプレイヤーを育成・支援したいという考えをお持ちの方は多くいると思いますので、趣旨に賛同していただけるなら、ぜひこのプラットフォームに乗っかっていただきたいと思います。そうすれば、サポート出来るジュニアプレイヤーの数も増えます。『未来に向けて真っ直ぐ伸びて行こうとする人をパートナーとして認めて、応援をする』。ビリヤード界の大人達で、キュースポーツの未来のために協業していくことが出来ればと思っています」
(了)