2017年は、
国内4勝で自身5度目のJPBA年間ランキング1位、
『ジャパンオープン』準優勝、
『ワールドゲームズ in ポーランド』銅メダル、
『USオープン』5-6位
……と、
国内外で活躍した大井直幸プロ。
『ワールドプールマスターズ』での
「アポーペン」インタビューフィーバーも
記憶に新しいところです。
その大井プロが、
2018年1月よりJPBA関東支部へ移籍します。
もともと東京生まれ東京育ちの大井プロ。
2006年のプロデビューから
3年間は関東支部所属でした。
その後、2009年より関西支部へ。
西日本で9年活動した後の
「関東復帰」となります。
関東に移る理由とは?
そして、2017年はどんな年だったのか。
本人の談話をお届けします。
…………
Naoyuki Oi
JPBA40期生
1983年1月10日生 東京都出身・大阪府在住
JPBA年間ランキング1位・5回('06年、'12年、'14年、’15年、’17年)
2012年『ナインボール世界選手権』3位
『全日本選手権』準優勝1回
『ジャパンオープン』準優勝1回
『関西オープン』優勝1回
『全日本ローテーション』優勝3回
『北陸オープン』優勝5回
『北海道オープン』優勝3回
『東海ナインボールグランプリ』優勝3回
『グランプリウエスト』(GPW)では通算16勝
『ワールドカップオブプール』3位・2回
2017『ワールドゲームズ・ヴロツワフ大会』銅メダル
2017『USオープン』5-6位
他、優勝・入賞多数
使用プレーキューはEXCEED
使用グローブはOWL
…………
――2018年から東日本で活動をすることに。
9年ぶりの関東支部復帰です。
「2年ぐらい前から考えていたことでした。
純粋に、いちトーナメントプレイヤーとして
西と東、どちらで試合に出た方が
より自分のビリヤードを伸ばしやすくて、
より良い状態でいられるかを考えた結果です。
東は試合開催数も多いし
(※『グランプリ』の開催数に違いがある)、
層が厚くてレベルも高いので。
より厳しい所に身を置いて
強い人達とやりたいと思った。それが一番かな。
活動拠点は東京と大阪の2箇所あるので、
1月からは行ったり来たりになると思います。
東には長年所属してる
フランネル(OWL PRODUCTS)があるし、
西にはスワッグスポーツがあって、
それぞれで仕事もあるので行き来する感じ。
僕ももう、1月(10日)に35歳になるんで。
そろそろちゃんと働こうかなと(笑)」
――わかりました。
2017年を振り返っていただきたいのですが、
100点満点で言うと何点だったでしょうか?
「点数は付けられないなぁ。無得点です(笑)。
良い時もあれば悪い時もあり。
良い時にはそれなりの結果が出せたと思うけど
……うーん、悪い時の方が多かったかな。
でもまあ、レベルは上がってるからね。
1年で見るとそんなに成績は悪くなかったし、
少なくとも以前と比べて下がってはいない。
ただやっぱり、
世界のレベルが上がり続けてるのに対して
僕がちょっと遅れているというか、
スピード感に少し開きがあるなと感じた1年でした。
もうちょっと頑張らないといけないなと」
――『ワールドゲームズ』(7月)で銅メダル。
『USオープン』(10月)では5-6位でした。
世界で戦えたという実感もあるのでは?
「ありました。
でも、それは前から言ってる通りですよ。
勝てる時は勝てるだろうし、
ずっと好調を維持して戦える訳でもない
というのは強く感じましたね。
2017年も”精神力のガソリン切れ”があって、
気力が追い付いてない時があったから。
1年中ずっとトーナメントに出てると
どうしてもそういう時はあるんだけど、
それがやっぱりプレーに響いてくる。
まだ僕には1年間を戦い抜くだけの
精神のスタミナがないなと思いましたね」
――国内でも海外でもたくさんの試合に出ていた。
スタミナ切れを起こすのもやむを得ないことでは?
「それはその通りです。
世界的なプレイヤーたちも
皆そうなってるんだと思いますよ。
1年で見るとどこかで切れてる時がある。
その中でもカルロ(・ビアド)は
1年を通して一番頑張ってましたね、2017年は。
(※BD註:ビアドは『ワールドゲームズ』金メダル、
『世界選手権』優勝など優れた戦績を残した)
僕もずっと彼と同じトーナメントに出ていて、
彼を見ていたからよくわかります。
ほとんどのトーナメントで彼の方が
僕より上に行ってたしね。
彼を見続けていると、全てがビリヤード中心に
回ってるなということを強く感じます。
やっぱりああならなきゃ勝てないし、
彼を越えていかなきゃいけないので、
精神力も技術も体力も、全てもっと
付けないといけないと思います」
――2017年は『マスターズ』(2月)の
インタビューで、世界的に一躍有名になりました。
「そうですね。
それでしんどかった部分も最初はあったけど、
それにもだんだんと慣れていったし、
顔と名前を世界中の人から覚えてもらえたのは、
まあ、良かったかなと。期待もされたしね。
でも、それは一旦忘れて、またイチから
プレイヤーとしてやっていこうと思ってます」
――2017年、最も嬉しかったこととは?
「なんだろうねぇ……、
ワールドゲームズの銅メダルは
やっぱり嬉しかったですかね。
それと、USオープンの5-6位かな。
どちらかというと、
自分で一番頑張ったと思えるのはUSオープン。
あれは僕個人の中で
『勝てる』っていう感覚まで行ったからね。
いつもは全くそんなこと思わないのに、
あの時は最初から勝てそうな気がしたし、
勝てると思って撞いてました。
『ちゃんとやったら勝てそうだな』って。
その領域まで行けただけでも良かったと思います」
――そのUSオープン、最後は
敗者12回戦(vs E・カチ)で負けました。
「それは悔しかったですよ。泣くほど悔しかった。
でも、全開で出来たからこそ、
あの負けがあったと思います。
あそこまで行けた大会が実際のところは
少ない訳だし、普段から全試合、
全開で出来るようにしたいですよね」
――2017年、最も悔しかったことは?
「負けたら全部悔しいですよ。どれも一緒(笑)。
ビリヤードは負けるゲームだからね。
どんな場所のどんな試合でも一緒。
世界トップに負けるのもアマチュアさんに
負けるのも一緒。同じだけ悔しい。
……といっても、実際はまだ少し、
負けた悔しさの感じ方に差があるから、
もっと常に同じように
悔しく思えるようになりたいですね」
――国内では5度目のランキング1位を獲得しました。
「嬉しいですね。
もちろん嬉しいんだけど、
それだけを特別どうこう思うことはないかな。
成績はこれから上がることもあるし、
下がることもあるだろうから、
数字にとらわれず、
自分がどうビリヤードに向き合うかってところを
もっと突き詰めていきたい。
そうすれば自ずと勝てるような気がします」
――2018年に叶えたいこと。やりたいこと。
「そうですね……、
まずは『東日本グランプリの予選突破』ですね。
いや、本当に。
やっぱりそこからですよ。
プレッシャーも感じているんでね。
いっこいっこやっていきます。
というか、
大きな目標っていうのがあまりないです。
もちろん海外の試合で優勝したいですけど、
それよりもワールドランキングを
もうちょっと上げていきたいという
気持ちの方が大きいかな。
目標は1位ですけど、世界トップランカーの中に
たえずいられるように頑張りたいですね」
――わかりました。1月は関東の
ビリヤード場でチャレンジマッチもあるようですね。
「そうです。
僕は基本的にチャレマをあまりやらないし、
関東のビリヤード場でやる機会も
最近はそんなになかったです。
なので出来るだけ多くの方と撞きたいですね。
僕も一生懸命やります。
撞かないという方でも、
見るだけでもそこそこ楽しめると思います。
コーヒー一杯おいしく飲めるぐらいは(笑)。
ですので、みなさんお誘い合わせの上、
ぜひ開催店までお越しください」
(了)
※チャレンジマッチのお申し込みなどは
下記の各開催店舗まで。