ポケットビリヤードテーブル14台に
ダーツと卓球も備えた神奈川屈指の大型店
『MECCA Yokohama』（メッカ横浜）。
店内には大きなカウンターもあり、
以前からそこでゆっくり飲食やお酒を
楽しむお客さんが多数いました。
そんなMECCA Yokohamaの
フードメニューがこの度刷新されることに。
これまで好評だったメニューも残しつつ、
目玉メニューとして、
本格的な「うどん」を大プッシュしています。
このうどん、並大抵のもんじゃございません。
うどん県出身の横田英樹プロ（JPBA）が、
10年の研究と修業の末にたどり着いたダシを使った、
本気の本場のさぬきうどんです。
トッピングの天ぷらもお店で揚げており、
さらに、ダシを使った一品料理（おつまみ）も
充実のラインナップ。
実はBD、うどんも含めて新メニューを
一通り味見させていただいたのですが、
いわゆる”ビリヤード場メシ”とは完全に
一線を画するものであること疑いなし。
うどんを軸に、毎日ここの料理だけで
生きていけるな……と感じました。
ボソッと「僕、3食うどんの日もありますよ」と、
つぶやいたのはMECCA所属の照屋勝司プロです。
ビリヤード場でここまで本格的なうどんを
出している所は他にまずないでしょうし、
初登場・即「ビリヤード場うどん日本一」と
言っても差し支えないでしょう。
…………
↑MECCA所属：照屋勝司プロ
「なぜMECCA Yokohamaでうどんを!?」
という部分は説明が必要でしょう。
横田英樹プロと
MECCA代表の銘苅朝樹氏（先月JPBAプロ引退）は、
数十年に及ぶ親交があり、
15年前には『JPBAグランプリイースト（GPE）』の
立ち上げおよび主管メンバーとして、
ともに奔走した間柄でもあります。
横田プロは今も自分のビリヤード場
（東京『メイプルハウス』）の
代表を務めていますが、うどん好きが高じて、
将来的なうどん屋開業を見据えて
10年前からうどん研究を重ねてきました。
目玉メニューを掲げて飲食部門を
強化したいと考えていたMECCA Yokohamaと、
「いつかは自分のうどん屋を」と
考えていた横田プロ。
両者の意向がこのタイミングで重なり、
横田プロがMECCA Yokohamaの飲食部門の
指揮を取る形で、うどんを「主役」に
押し出して行くことになったという訳です。
これまで横田プロは自分のお店、
『メイプルハウス』でうどん打ち教室を開いたり、
打ったうどんを親しい人に贈ったり、
たまにうどんを提供していたことがあるので、
すでに食べた経験のある
ビリヤードファンもいると思いますが、
あくまでそれは限定的なものでした。
MECCA Yokohamaでは営業時間内なら
いつでも横田プロのうどんを楽しめますので、
「ぜひキューと箸を持って……
いや、箸はいらないか（笑）。
ぜひお腹をすかせて
MECCA Yokohamaに来てください」
（横田）
（※横田プロがいない時間帯もありますが
トレーニングを受けたスタッフが提供します）
厨房できびきびと立ち働く横田プロに
インタビューをしてみましたので、以下でどうぞ。
…………
語り手：横田英樹プロ
聞き手：BD
――横田プロは昔から
うどんが大好きだったのですか？
「そう、僕は香川の善通寺市の出身で、
あそこは『うどんの聖地』とも言われてます。
子供の頃からずっとうどんを食べてるので、
ソウルフードと言っても良いですね。
上京してからも美味しいと評判のうどん屋は
たくさん巡ってきました」
――作ってみようと思ったのは？
「10年ほど前に、香川の人がいっぱい集まる
関東の著名なうどん打ちサークルに参加して、
実際に体験してみたら、『これは面白いな』と。
あとはもう独学で、
吸収出来るものは全て吸収してきました。
その間にも、うどんの講習会やサークルにも
行ってましたけど、気付いたら
自分が教える側になってたという（笑）。
僕のビリヤード場（メイプルハウス）でも、
たまに手打ちうどん教室をやってました。
ビリヤードテーブルをフルラッピングしてね。
8年ぐらいやって、
生徒さんは50人ぐらいになったかな。
メイプルハウスでもたまにうどんを提供してました。
僕が打ったうどんやダシがある時だけですけど」
――そして、つい先日まで1年弱、
関東の有名店でも修行していた
ということも聞いています。
「そう、11ヶ月間、週4で働かせてもらいました。
もともと3ヶ月だけの予定で
雇ってもらったんだけど、人がいなかったし、
辞めにくくなっちゃって、結局長くいましたね。
そのうどん屋の人達は皆、
僕が独立開業志向なのは知ってました。
最初は皆、口が悪くて、
辞めたい気分にもなったけど（笑）、
最後は送別会までやってもらったりして、
良い形で送り出してもらえました」
――その修行時代は、ご自身のビリヤード場は
完全にスタッフ任せだったんですか？
「いや、そのうどん屋は夜は営業してないので、
朝から昼過ぎまでうどん屋で働いて、
それからメイプルハウスを僕が開けてました。
1日16時間労働かな（笑）。
その生活も楽しかったですよ。
その間、ビリヤードの試合は『全日本14-1』と
『ジャパンオープン』には出ました」
――MECCA Yokohamaで出すうどんや
一品料理のメニューはお一人で決めたんですか？
「その辺りは銘苅くんからも任されていたので、
基本となるうどんメニューを自分で決めて、
新しい一品メニューも僕が考えて、
スタッフのSさんと相談しながら形にしていきました。
もともと料理が好きだから、
メニュー作りはそんなに苦にならなかったし、
なんといっても自慢のダシがあるので、
一品料理はダシを活用した料理を考えました。
ただ実際にこの新メニューで営業してみて
どうなるかというのはやってみないとわかりません。
うどん屋で修行したので、
うどん屋の営業とかオペレーションというものは
ある程度わかっているつもりだけど、
自分が指揮を取ってやるのは初めてなので。
この1ヶ月、新メニューの準備をしながら、
うどんは毎日出してきましたけど、
その中でも勉強することがたくさんありました」
――もうすっかりうどん屋の大将ですね（笑）。
「（笑）そう。
うどんそのものは全く問題ないので、
今後はその他のことを勉強しながら、
全体を見ていく感じになりいます。
食材のロスがなるべく出ないように、とか。
スタッフにちゃんとレシピを伝えよう、とか」
――繰り返し「ダシが自慢」だと
おっしゃっていますが、
どうやってたどり着いたんですか？
「研究を重ねて、としか言いようがないです（笑）。
やっぱりうどんはダシが一番難しいですね。
3年前と去年のでは違うし、
去年のと今出しているものでも違う。
美味しいと評判のうどん屋に行って、
店内をキョロキョロして、
材料の包装とかを見て
『ああ、あれを使ってるんだ』と
同じものを買ってみたり。
材料にはめちゃめちゃこだわってるし、
やっと最近、理想の醤油に行き当たったので
現時点での最高のダシを作ることが出来てます。
お客さんからの評判もとても良いですし、
ほとんどの人がダシまで飲んで行かれます」
――わかりました。最後は
ビリヤードファンに向けて一言お願いします。
「うどんとビリヤードは共通点だらけ。
僕はこの10年、
あっちの白い球もこっちの白い玉も、
押したり引いたり打ったりしてきました。
そして、やっぱりダシが一番大事！（笑）
横浜に来られた際には、
ぜひMECCA Yokohamaでビリヤードとうどん、
両方楽しんでください」
（了）
