〈BD〉2017年日本スリークッションNo.1、界敦康が振り返る2017シーズン

 

2017年5月に

『全日本スリークッション選手権』初優勝。

 

他大会でも上位入賞を続け、

自身初の3CプロランキングMVPも獲得した

界敦康プロ(JPBF)。

 

その界プロに2017シーズンを

振り返っていただきました。

 

…………

 

Nobuyasu Sakai

1974年8月29日生

愛知県出身・東京都在住

JPBF(日本プロビリヤード連盟)1996年度入会

2013年『全関東3C選手権大会』優勝

2017年『全日本3C選手権』優勝

2017年JPBFプロ3CランキングMVP

『全日本アーティスティック選手権大会』優勝5回

(2001/2003/2004/2005/2009)

2011年『世界アーティスティック選手権』3位

キュー:Sasaki

所属:MARS(東京・笹塚)

 

…………

 

 

――2017年はどんなシーズンでしたか?

 

「充実したシーズンでした。

 

全日本選手権で優勝出来て、

年間ランキングのMVPも獲得出来た。

 

日本ではこれよりが上がない所に

来られた訳ですし、自分のビリヤード歴で

一番良いシーズンではなかったかなと。

 

とりあえずキャリアの中で

ひとつの区切りが付いたというか、

ノルマを達成したような感じがした

シーズンでした。

 

2017年は準優勝も3回あって、

どれも本当は優勝しなければ

いけなかったなとは思うんですけど、

コンスタントに上に行けたことは

良かったかなと思います」

 

――2017年を100点満点で言うと?

 

「70点ぐらいです」

 

――あとの30点は?

 

「自分の凡ミスが原因で負けた試合が

多かったと思うので、それですね。

 

基本的な球とか、

出来てる形でミスしてたなと。

 

本当に単純なことが正確に出来るかどうか。

そこが最終的な差になって表れることを

痛感した年でもありました。

 

やっぱり基礎力が大事だなと思います。

基礎が出来てればもっと当たりますから。

そこをもうちょっと上げていかないといけない」

 

――世界のトップ達は

そういうところが出来ている?

 

「ええ。

いやもう、すごく出来てますね。

 

純粋に真っ直ぐキューを振るとか、

撞点の上下がズレないとか、

ショットスピードを間違えないとか。

 

世界のトップ達は

そういう基本的なところで失敗しない。

『あっ、やっちゃった』が

まずないんですよ」

 

――2017年の中で一番印象に残っている

出来事は? 全日本選手権(5月)の優勝ですか?

 

「全日本選手権は印象に残っているといえば

残っていますが、

 

決勝戦の後半は点差も開いてましたし、

自分の調子も良くて、場の雰囲気を

楽しみながら撞いていたような

状態だったこともあり、

そこまで強くは残ってないですね。

 

強く印象に残っているのは負けた試合です。

 

一番は、森陽一郎プロに負けた

『東京オープン』(2月)の決勝戦。

 

バンキングをする時に、

森プロがすごく気合いの入った

良い表情をしておられたのが印象的でした。

 

『やられるかも』ってそこで思っちゃいました。

 

僕は韓国選手を2人(※金俊泰と金炯坤)倒して、

決勝まで上がったんですが、

 

日本人ファイナルに持って行けたことで、

なんというか、達成感が

出てきちゃったのかもしれません。

 

始まってみたら

やっぱり森プロが最初からドーンと行って、

僕は付いていく力がなかった。

雰囲気的にもう

ゲームの最初から負けてる感じでしたね。

 

(森)雄介に負けた

『プロ3Cトーナメントグランツ戦』(9月)も

同じようなものでした。

 

僕は、スペアシャフトも含めて

タップが全てダメになってしまって

良いプレーが出来てないんだけど、

なんとなく決勝まで来られたという感じ。

 

雄介は初優勝がかかった良い緊張感の中で

撞いていて、スッと行かれてしまった。

あれも印象に残ってます」

 

――2017年は海外にも度々赴きました。

海外では自身の力が出せたと思いますか?

 

「5回ぐらい行きましたけど、

もうひどいもんでした(苦笑)。

半分ぐらいしか出せなかったんじゃないですか。

 

ボリビア(『世界選手権』)も

全然上手く撞けなくて、

何をしに行ったんだろうと思ったぐらい」

 

――そういった経験も踏まえての

2018年のテーマや目標とは?

 

「さっき言った基礎力をアップすること。

 

それから、より『スポーツっぽく』

撞きたいなと思います。

 

ねっとりねっとりではなく、

スピーディーに爽やかに行きたいですね。

 

実際はなかなかそうは出来ないのもわかってるし、

そのスタイルで結果を出し続けるのは

難しいと思いますけど、

雰囲気だけでもそういう感じで

撞けたら良いかなと思います。

 

ポケットの大井直幸プロみたいな感じというか。

見てて楽しいじゃないですか。

 

そういう方向性でやっていきたいというのは

以前から思っていて、自分でも年々少しずつ

テンポが速くなってきていると思います。

 

理想は、ボールが止まった瞬間に

撞くぐらいのサクサク感です(笑)」

 

――2018年シーズンも海外遠征が

多くなりそうですね。

 

「はい、まず2月の

『スリークッション世界選手権・国別対抗戦』

(ドイツ・フィアゼン開催。『世界タッグ』とも)

に僕と雄介で行きます。

 

その後は、

4月のトルコの『ワールドカップ』かな。

 

お店(代表を務める『MARS』)の様子を

見ながらになりますが、

 

出られるものは出来る限り出たいと思います」

 

(了)

 

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