〈BD〉森雄介プロと「ストローク」の話をしてみた(前編)

 

現在24歳。

2018年がプロ5年目となる森雄介プロ(JPBF)。

 

ルーキーイヤー(2014年)には

ワンクッション(バンドゲーム)の

全日本チャンピオンになり、

 

昨年(2017年)には、

スリークッションでもプロ初優勝を飾りました。

 

森プロの武器として、

幼少期から培った滑らかなストロークが挙げられます。

 

師でもある世界チャンピオン、

D・サンチェスも賞賛する森プロのストローク。

 

しかし、本人としては

「今はまだ理想型の10%」にすぎず、

「日々状態が変わってしまう不安定なもの」

だと言います。

 

そこで、ストロークの動画を撮り、

それを見ながら特徴や課題を自己分析していただき、

自身のストローク観とともに解説していただきました。

 

…………

 

まず、先に動画を4本ご覧ください。

 

標準的なショットスピードで撞いている時の

ストロークはこんな感じです。↓

 

 

同じストロークをスローモーションで。↓

(※映像のチラツキ、ご容赦を)

 

 

以下2本は試合で撮影したもの(2本ともスロー)。↓

 

 

ポケットビリヤードプレイヤーと同じような

上体(頭部)が低めのフォームで、

 

ストロークのテイクバックでタメがあり、

キューレベルの上下動(波打ち)がかなり少ない。

……というのが

森プロのストロークの特徴です(BD的には)。

 

今回の動画や写真ではあまりわかりませんが、

素振りの回数が少ない(1回~2回程度)ことも

特徴でしょう。構えに入ってからの

「微調整」や「狙い直し」はほぼありません。

 

総合すると、シャープで軽快な印象を

見る者に与えるのが森プロのストロークです。

 

…………

 

語り手:森雄介プロ(JPBF)

聞き手:BD

取材場所:東京・江古田『ARENA』(アレナ)

 

…………

 

――そもそも今のストロークの基礎は、お父様(JPBF森陽一郎プロ)に教わったのでしょうか?

 

「いや、僕の記憶では教わったことはなく、自然と今の形になってきました。ただ、その時々で意識して直したり、変えたりということはありましたね。ストロークが一番良かったのは10歳ぐらいの時。自分でもそう思ったし、人にも言われました。当時は(まだ身体が小さかったので)サイドストロークでしたけど、淀みなく振れていて、自分でも『天才なんじゃないか』って思ったぐらい(笑)」

 

――10歳の頃というと、キャロムとポケット、両方やっていた時期?

 

「ポケットだけです。球は入れてなかったですけど、ストロークだけは最強(笑)。その後、キャロムに移って行き、15歳ぐらいの時に一旦ダメになっちゃって。サンチェスとも既に知り合っていたんですけど、『身体が動いていて良くないね』とか色々と指摘されて、頑張って直した時期がありました」

 

――そこからは?

 

「そんなに大きくは変えてないです。写真とか動画で見ると、『変わったな』とは自分では思うんですけど、意識して変えた訳じゃなく、自然と変わっていった感じです。最近は3つのチェックポイントだけ気を付けています」

 

――良ければ具体的に教えてください。

 

「まず、ストロークする時に『身体を動かないようにする』こと。自分としてはまだ結構動いてるなと感じます。今日は動画撮影のために普段以上に動かないように意識してましたけど(笑)、それでもちょっと動いてる」

 

――そうだったんですね。2つ目は?

 

「構えた時に左手がしっくり来てるか。この『しっくり』を具体的に言うのは難しくて、構えてみないとわからないです。ただ、しっくりきてないという時は、だいたい身体のどこかがおかしいんです」

 

――なるほど。『どこか』の例として多いのは?

 

「『お尻と腰の辺り』ですね。僕の場合、身体を支えるのが『腰』になってるとしっくりこないんですけど、『お尻の筋肉』でグッと支えられていると、左手がしっくりくるんですよ。最近気付いたことなんですけど(笑)」

 

――最後は?

 

「ストロークする時に手首をねじらない、こねないということですね。僕は調子が悪いとこねちゃう……というか、手首でごまかすことが多いです。腕の振りに違和感があるから、手首でどうにかしてやろうと」

 

――スピンやタッチのニュアンスを手だけでコントロールしようと?

 

「そう。僕はちょっと得意なんです、手首でごまかすのが(笑)。というのは、ワンクッション(バンドゲーム)ではそういう撞き方をよく使うので。よわ~く撞いてすごくキューを効かせるとか、先球を走らせないで手球だけグイッと引くとか。そういう球は手首を使わないと出来ないから。それをスリークッションの試合でもやっちゃうんですよ。でも、それはやっぱりごまかしにすぎないので」

 

――言われてみれば納得です。ワンクッションとスリークッションではゲーム性が異なるため、求められる撞き方も異なる。

 

「と、僕は思います。スリークッションは出来る限り基本のストロークでやるべき種目だろうと。でも、ついワンクッション的な、手首を使った撞き方をしちゃうことがあるので、なるべくそれはしないように心掛けています」

 

――以上の3つが、朝イチからビシッと整うことはあるんですか?

 

「ほぼないです(笑)。だいたいどれかがおかしい。なので練習の日はそこを調整しますが、試合の日は一切考えず、球だけを意識するようにしています。試合中に気にしてたら全くゲームにならないので。だから、僕の試合映像を見るとわかりますけど、身体はもっと動いてるし、手首はもっとこねてます(笑)」

 

――この取材の直前まで『最近ストロークの状態が良くなくて』と言ってましたが、この3つのうちどれかが悪かった。

 

「今回は全部でした(笑)。身体が動くし、左手はしっくりこないし、ストロークにはごまかしがあって……。なにかこう、身体が硬いなって感じで。今日はちょっとマシでしたけど、たぶんそれはカメラを意識してたからです」

 

(了)

 

※後編はこちら

 

…………

 

Yusuke Mori

JPBF最年少プロ 

1993年10月15日生・O型・天秤座

アマ時代戦績:

2012年全日本アマ3C準優勝

2012年全関東アマ優勝 

世界ジュニア3C・8回出場(最高位はベスト8)

プロ戦績:

2014年全関東バンド選手権優勝

2014年全関東3C 3位

2014年全日本バンド選手権優勝

2015年3Cプロマスターズ・アカデミーZ戦 3位

2016年東京オープン 3位

2017年全関東3C 準優勝

2017年PRO 3-Cushion Tournament GLANZ戦優勝

2017年全日本プロバンド選手権優勝

使用キューはADAM JAPAN(タップはNavigator、ケースは3 seconds)

使用グローブはOWL

 

東京『アレナ』所属

 

 

 

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