先週日曜の『関西オープン』で、
2011年以来2度目の優勝を飾った、
栗林達プロの談話をお届けします。
河原千尋プロと同じく、
表彰式直後にお話を聞きました。
昨年立ち上げた自身のレッスンスタジオ
(『TMY』)についても少し触れています。
…………
Toru Kuribayashi
JPBA39期生
1982年6月26日生
福井県出身・東京都在住
2004年アマ『球聖』『名人』
2010年『ワールドプールマスターズ』準優勝
2011年&2018年『関西オープン』優勝
2011年『関東オープン』優勝
2014年『兵庫オープン』優勝
2015年『ワールドカップオブプール』3位
2016年『ジャパンオープン』準優勝
2017年『東海グランプリ』優勝
他、優勝・上位入賞多数
GPWでは通算4勝
GPEでは通算13勝
所属・スポンサー:(株)TMY、(株)TOWA、(株)JUSTDOIT、TIGER CUE、be lucky SHOTAID、VOGUE、NAOLLY
…………
※優勝を決めたマスワリ上がりの動画
(ブレイクショットの後から)。↓
――今のお気持ちは?
「嬉しいです」
――幸先よく2018開幕戦を勝利で飾りました。
そういった嬉しさは?
「いや、それはないです。
開幕戦だとかは意識してなかったです。
過去にそれを意識して悪かったこともあるので。
一言で言えば、
自分のビリヤードを貫けた感じです。
昨年(株)TMYを設立して、
今のスポンサーのYさんと出会い、
Yさんから様々なアドバイスや意見をいただき、
やるべきことがより明確になりました。
ビリヤードに向き合えている状態が続いている中で、
また一つ結果が出せたという感じです」
――プレイヤーとして、ビリヤード人として、
方向性がしっかり定まった感じでしょうか?
「そうですね。
球撞きの調子自体は
もちろん上下することはありますけど、
ビリヤードの取り組み方や
姿勢というものは一貫しています。
新人プロだった頃に思っていたようなことを、
今また純粋に燃えてやっている感じがあります。
舞台の大きさとか格は意識せず、
ただただ上のレベルで戦えるスキルを
身に付けることだけを目指してやっています」
――大会2日間を通して、内容面は?
「まずまずだったと思います。
昨年の『世界選手権』(12月)で痛い目にあって
研究を重ねてきたブレイクも、
初日(予選ラウンド)は全然ダメでしたけど、
ずっと我慢して貫いていたら、
初日最後のベスト32あたりで『これだ』
というものがあって、すごく良くなりました。
そうすると、自分が主導権を握る展開に
なることが多かったですね。
ブレイク以外の内容もそんなに悪くなかったです。
ミスはありましたけど、それも、
自分の納得の行くプレーを選んだ結果です。
なので、全体的に見れば、
自分が意識していたことが貫けた2日間でした」
――決勝戦ならではのプレッシャーは?
「ちょっとはありました。
意識してましたね、ファイナルだということを。
相手の杉原(匡)プロはセミ・ファイナルで
ほぼパーフェクトと言えるぐらい良かったですし。
ただ、それは最初の1ラックだけだったかな。
すぐ我に返ることが出来たというか。
そんなことを意識してる場合じゃないなと。
その時点で夢中になれてない訳ですから。
なので、自分のやるべきことだけをやろうという
気持ちに切り替えられました。
展開的に言っても、杉原プロより
僕の方に運勢があったなと思います」
――最後はマスワリ上がり。
あのラックは思い通りに撞けていましたか?
「いやぁ、ボールがなくなっていくにつれて
勝ちを意識してました(苦笑)。
そういうところが自分の弱点なんだろうという
認識はあります。そこは反省点です。
あの1ラックは、今まで培ってきた
我慢強さというか精神力で乗り切ったような感じです。
やっぱり今でも、上がりぎわだけは
どうしても意識してしまいますね。
無心になれてない自分がいます。
そうすると身体が動きやすくなってしまう。
最後まで無心に挑まなければいけないのにそう出来ない。
そこが世界トップ達との差の一つでしょう。
自分がまだそのレベルだということです。
世界という舞台は、無心に挑んでいても、
自分を貫いていても、負ける時は負ける舞台ですから」
――そういった自己分析の言葉の端々からも
充実感や前向きな気持が感じられます。
ビリヤードに打ち込めていますね。
「そうですね。
純粋に『勝負してるな』と感じています。
試合は何が起きるかわからないから、
『負け-負け』だってあると思って挑んでます。
今回もそうでした。
9ボール9ラック先取・交互ブレイク。
ちょっとした展開の差で
誰が勝ってもおかしくないと思いますし、
その覚悟をして臨んでました。
覚悟が出来ていたということは、
ビリヤードに向き合えていた
ということなのかなと思います」
――もっと伸びていくために必要だと思うことは?
「他の国に出向いて、全く知らない人に挑む
という経験をもっと積みたいですね。
国内でもあることなんですけど、
僕は知らない人と対戦して、
相手がすごく良いストロークを持っていたり、
かっこいい球を撞く人だったりすると、
妙に意識してしまってちびっちゃうんですよ。
だから、『初対戦慣れ』をしたいです。
今はどこの国にも強いヤツがいっぱいいますし、
色んなプレースタイルで色んな性格の人がいるので、
そういう人といきなり当たっても
動じない強さを身に付けたい。
その経験が成長に変えられると思っています」
――最後に、ファンにメッセージがありましたら。
「はい。今、僕と栗林美幸は『TMY』で、
真剣に上達を目指している方向けのレッスンを
やらせてもらっています。
僕らのトーナメント活動を
生徒さんや周囲の方々が応援してくださっていますし、
やっぱり僕ら自身の成績が良くないと、
TMYの発展に繋がらないと思っているので、
実は今回もそれだけは意識してました(笑)。
おかげさまで今は、
生徒さん達に教えたり語り合ったりしながら
自分達も学ばせていただいているような感じで、
TMYを軸に充実した日々を過ごしています。
興味がある方はぜひご連絡いただきたいです。
そして、夫婦ともどもまた応援していただければ
嬉しいです。よろしくお願いします」
(了)