先週末(3/17~18)に行われた
優勝した、
杉原匡プロの談話をお届けします。
杉原プロが、JPBAプロランキング
ポイント対象試合で優勝したのは、
2006年2月の『GPW-1』以来、
実に12年ぶりとなります。
取材は大会翌日に行いました。
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Tadasu Sugihara
1982年4月23日生
大阪出身・在住
使用キューはアダムジャパン(タップは斬)
所属は『Billiards & Dars Bar Break』(大阪市東淀川区)
2006年『GPW-1』優勝
2018年『全日本ローテーション』優勝
他、入賞多数
…………
――優勝から一晩経ちました。
まず率直な感想から。
「ホンマに長かったなぁというのは
まず思いますね(笑)。
プロランキングポイント対象外の大会では
ちょこちょこ勝ってたんですけど、
ランキング対象の試合では約12年、
優勝から遠ざかってました。
それは自分の中でも
ちょっと引っ掛かってたんで、
今回優勝出来て素直に嬉しいです」
――ファイナルは相手に先行される
苦しい展開でしたが、
どういう精神状態だったのでしょうか。
「1-4にされるところまで
飯間プロの出来も良かったので、
『このまますんなり終わるんかな。
また準優勝かな』なんてことも
ちょっと頭にありました(苦笑)。
そこから、そうですね……、
ローテーションって
1ラック1ラックこなしていくという
ゲーム性ですよね。
『マクってくぞ』とも
言うてられへんような種目やし、
単純に一つ一つを頑張っていったら、
たまたまああいう展開になった
という感じがあります。
あれが9ボールや10ボールやったら、
またちょっと違うメンタルで
撞くことになったんやろうけど。
そういう意味では、
種目がローテーションだったのも
ラッキーだったというか。
良い巡り合わせがあったと思います」
――最後は6番からの6球取り切りで上がり。
緊張感はありましたか?
「やっぱりありました。
長いこと優勝出来てなかったんで、
この配置を取られへんくて優勝逃すってなると、
もう一生優勝出来へんのちゃうかなって(笑)。
でも、フリーボールからやったし、
基本的に形は出来てたし、
難しいのは11番から12番ぐらいやったんでね。
だから、ちゃんとこらえて、
頑張って撞いたら取れるっていう
確信はありました」
――最後まで応援の拍手の後押しがありました。
「『高井田ビリヤード』(閉店)にいた時代に、
ずっと一緒にビリヤードしていた
酒井隼人選手が今大会のベストアマになって。
酒井選手とはベスト16で
当たっちゃったんですけど、
そういうのも何かドラマティックな感じがして。
酒井選手や、今僕がいる『Break』の
お客さんが会場で応援してくれてました」
――ご自身では、2日間よく撞けたと言えますか?
「予選の一発目で負けて、
いきなり敗者側に回ってるので、
『よく撞けた』とはよう言わんけど……(笑)。
でも、もともとローテーションという種目は
好きなんで、楽しんでプレー出来てたと
言えると思います。
ローテーションって、
やっぱりスネたくなるような流れに
なることもあり得るじゃないですか。
でも、今回はそうならずに、
一生懸命楽しんで撞けたってのはありますね。
今回はフォーマットが変わったので、
試合中にどういうふうな気持ちになるかも
わからんまま本番に臨んだんですけど、
率直な感想としては、
僕はこのフォーマットは面白いなって思いました。
まあ、今回勝ててるから
楽しいと思えるのは当たり前やろうし、
今後どうなっていくんかなというのは
ありますけど」
――プロランキングポイント対象試合での
優勝は約12年ぶり。「早く勝ちたい」と
思っていましたか?
「それはありましたね。
去年の『GPW-6』(10月)の決勝戦で
飯間プロに負けてるし、
今年初戦の『関西オープン』(1月)でも
準優勝(vs 栗林達)だった時には
『またかよ』って感じでしたから(笑)。
なんせ結果が出ることが
最良の薬になるだろうから、
早く優勝したいと思ってました」
――この12年の間には、
所属店が閉店してしまったりなど、
環境の変化も度々あったと思いますが……。
「特にここ2年ぐらいは
お店が変わったりすることが続いて大変でした。
個人のスポンサーさんが付いているプロも多い中で、
自分はどっちかと言うたら
サラリーマンっぽいというか。
ビリヤード場で週6勤務という形でやってます。
それで試合に出て、決勝戦で
個人スポンサーのいるプロに負けると、
やっぱり色々と葛藤がありました。
でも、この1年ぐらい思ってることなんですけど、
結果は出てなくても、腐らんと、
常にビリヤードに熱くプレーし続けていれば、
『なんかええことあるやろ』って
ずっと思ってました。
目標・目的というほどのものじゃないけど、
常にそういう気持ちでプレーするっていうのは
心掛けていたんです。
『賞金も安いし、プロって一体なんやねん』
っていうようなことって、
僕だけじゃなく、プロの皆さんもどこかで
思っていたりする部分じゃないかと思います。
でも、それを言うてたら、
自分が今やっていることを
全部否定することになってしまう。
そうではなしに、
熱く熱くビリヤードに向き合うこと。
自分に出来ることはそれだなと。
今も試合には、一戦一戦、
賞金を獲るぞと思って臨んでます。
これからもそういう感じでやり続けたいです」
――わかりました。最後に身の回りの方に
メッセージがあれば、お願いします。
「まず、Breakのスタッフやお客さんに感謝です。
相撞きしてくれるお客さんもたくさんいますし、
応援してもらっているので感謝しています。
家族にももちろん感謝です。
昨日はUSTREAMを見ててくれたみたいで(笑)。
皆さんに応援してもらった中で、
優勝出来たことが嬉しかったです。
ありがとうございました」
(了)