私はDetective K。
ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。
周囲からは”K”と呼ばれている。
昨日からの連投、
スーパービリヤードエキスポ調査その2だ。
現在真夜中の午前零時。
よって前置きなしでいくぜ。
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4月12日午前9時。
12日から15日の4日間で行われる、
エキスポの初日を迎えた。
ホテルの手配が遅れ、近隣のホテルが
取れないというヘマをやらかした。
車を飛ばして15分というロケーションでホテルを
確保できたのは、幸運としか言いようがない。
9時15分到着。
会場内の駐車場は、まだ空いている。
顔なじみが多いため、挨拶に時間をかけつつ、
会場入り口の扉をあけた。
ブースの正式オープンは午前11時からだが、
すでにいくつかは営業中。
アマチュアトーナメント出場受付や、
試合テーブルが並ぶエリアはすでに混み始めていた。
展示の準備で忙しく働くキューメーカーたちに
ちょっかいを出しつつ、挨拶しているうちに、
時間は過ぎてゆく。
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午前10時、アマチュアトーナメントの
プレイヤーズミーティング開始。
だが、1,024名のエントリーにもかかわらず、
参加者はまばら。
参加経験があり、自分の試合開始時間が
わかっているプレイヤーが多いためだ。
ただ、主催者側は「説明責任」があるため、
かなり細かいところまで説明せねば
ならないという義務感があるためだろう。
責任者は毎回時間をかけてしっかり説明している。
そうこうしているうち、午前11時。
オフィシャルなエキスポ開始時間だ。
キューメーカーやキューディーラーが
ブースを構えたエリアに、人が流れてゆく。
この時の高揚感は、言葉では言い表せないな。
まだ見ぬエモノが、オレを待っているという
期待で胸いっぱいになる。
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まずは、
アメリカン・キューメーカーズ・アソシエーション
(ACA)主催のキューコンテスト。
各メーカーの新作から1本ずつ持ち寄った
逸品のなかから、入場者投票で
1位から3位までを選ぶという趣向だ。
注目はなんといっても、
ジャコビーの『ザ・ロウニン』。
三千個以上のインレイと、
エクステンションに日本刀の柄巻をあしらった、
超絶作品だ。おそらく受賞は間違いないだろう。
それに続くのが、ペシャウアーや
ピート・トンキンといったところか。
そして、2月に来日し、
『関東レディースオープン』優勝を果たした
アリソン・フィッシャーがプロデュースする、
「アリソン・フィッシャー」キューにも注目。
自らの名前をブランドに冠し、
かつ長さの異なるシャフトを用意することで、
58インチのキューが56インチに短縮できるという、
ユニークなアイディア。
自身も56インチのキューを使用し、
「キューの長さは、
立てた時プレイヤーの肩ぐらいが理想」
という彼女らしいアイディアだ。
同時にチョークやブリッジ
(その名もロンドン橋!)も売り出し、
勢いを感じさせられる。
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さらに、毎年存在感を高める
日本メーカーのブースも見逃せない。
早川工房、3secondsがブースを構え、
高品質の「メイド・イン・ジャパン」をアピール。
国内ではおなじみのプロダクトが、
ここエキスポ会場で見ると、やけに新鮮だ。
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トーナメントは、アマチュアだけでなく
男子プロ10ボール、
女子プロ9ボールも開催される。
プロアリーナには16台のテーブルが用意され、
観客席で取り囲まれている。
一回戦から、S・V・ボーニングや、
A・パグラヤン、A・フィッシャーなどの
一流プレイヤーが登場するという、贅沢な顔ぶれ。
ブース巡りと試合観戦をしていると、
時間がいくらあっても足りないぜ。
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というわけで、駆け足の報告だ。
エキスポは始まったばかり。またレポートするぜ。
よろしくな、BD!
(to be continued…)
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