〈BD〉「チャンスが来た時に掴めるように」――北海道オープン優勝・鈴木清司の談話

Kiyoshi Suzuki won 2018 Hokkaido Open
Kiyoshi Suzuki won 2018 Hokkaido Open

 

先週末の『北海道オープン』で優勝した、

鈴木清司プロの談話です。

 

表彰式直後に取材しました。

 

…………

 

Kiyoshi Suzuki

1969年1月20日生

東京都出身

JPBA41期生

使用キューはMUSASHI(ADAM JAPAN)

2010年『グランプリイースト第2戦』優勝

2012年『グランプリイースト第6戦』優勝

2018年『北海道オープン』優勝

東京『オンリーワン』所属

 

※呉珈慶戦、大井直幸戦の上がり際動画はこちら

※北海道オープンフォトギャラリーはこちら

 

…………

 

――6年ぶりの優勝です。

 

「まだ実感がないです。

『俺、ホントに優勝したのかな』っていう。

 

不思議ですね。前回優勝した時は、

割とすぐ実感があったんだけど……。

 

きっとこの後、お酒を飲んで、

明日になったらたぶん湧いて来るでしょう。

 

表彰式でも言ったけど、

決勝戦(vs 山川英樹)の最後の方は、

『試合、終わってほしくないな』って

思ってました。

 

もちろん勝ちたいんだけど、

『もっとこのまま撞いてたいな』って。

 

そんな気持ちだったから、上がりの時も

そこまでしびれてなかったです」

 

――朝からずっと集中出来ていたんですか?

 

「いや、朝イチ(ベスト32 vs 杉原匡)は

いまいちでした。

 

頭がテーブルコンディションのことに

行ってたし、身体もまだぎこちなかった。

 

次の呉珈慶戦(ベスト16)で、

気持ちも身体もビッと決まってきましたね。

 

相手が相手だけに、

完全にチャレンジャーとして向かって行けた。

だから、気が楽でした。

 

間近で見た呉珈慶はやっぱりすごかった。

ショットの時に身体が全く動かない。

 

『世界トップはこうだよな』って

対戦しながら思ってました。

 

彼のプレーを見て、

こっちの気持ちはさらに引き締まったし、

身体のスイッチも完全に入った状態。

 

彼はほとんどミスしなかったけど、

その流れに僕も乗っていけた感じでした。

 

あの試合が今回の優勝の

大きなポイントだったかもしれないです」

 

――ヒルヒル決戦をマスワリで締めて、

呉珈慶を撃破。その勢いのまま

大井プロ戦(ベスト8)へ。

 

「ところがそうじゃなくて、

呉珈慶を倒して『ふう~』って、

一段落したまま試合に入っちゃった

感じがありました。

 

休憩時間も少なかったから、

気を引き締め直す間もなかった。

 

それで、前半は僕がポロポロミスしてて。

『まずいな』と思ったけど、

大井くんも2発ぐらいやってくれたんで、

また僕の流れになったんです。

 

あそこで立て直せたのが良かった。

途中から集中を取り戻せました」

 

――準決勝(vs 田中雅明)と

決勝(vs 山川英樹)は、

集中が持続しているように見えました。

 

「良い状態でしたね。

 

そうなれたのは、

この種目・このルールだったから

というのもあると思う。

 

9ボール、1オンフット、8ラック先取、

交互ブレイクというルールは、

常に緊張を強いられます。

 

どれだけリードしていても、

1回のブレイクイリーガルで

ガラッと流れが変わってしまったり、

信じられないようなことも起きちゃうから。

 

ビリヤードはどの種目のどのルールでも

そうなることがあるものだけど、

特に今回のルールは厳しいね。

 

1発のシュートミスも許されないという

緊張感の中、皆、結構しびれながら

プレーしてたんじゃないかと思います。

 

僕の場合は、全く気を抜かずにやっていたら

良い集中状態に入っていけて、

それが途切れることがなかった感じ。

 

準決勝と決勝はそんな心理状態でしたね」

 

 

 

――決勝戦の上がりの取り切り(↑)。

フリーボールで2番から撞きましたが、

手球が少し走り過ぎて隠れてしまいました。

 

「3番に真っ直ぐ出したかったけど、

サイドスクラッチもありえるし、

狙った所に手球を落とすのは難しい形。

最悪4番に当たっても……ぐらいの気持ちでした。

 

この2番から3番が大事だということは

もちろんわかっていたけど、

不安な気持ちのまま撞いてしまったかな。

 

『どうかなぁ?』で撞くと、ボールも

『どうかなぁ』って動きをするんだよね。

 

あそこはさらに時間をかけて、

不安を追い出してから撞けば良かったです。

 

でも、手球は隠れたけど、パッと3番を見て、

『あ、これはジャンプで行ける』って

直感しました。

 

ほぼ真っ直ぐだったし、

ポケットはそこそこ受けが良いから。

 

次の4番もコースは狭かったんだけど、

6番の横を通して、クッションを舐めても

入ってくれるだろうなと。

 

5番へのポジションも狙い通りで、

6番は遠い方のコーナーでも問題ないと

わかっていて……。

 

取り切れる確信があった訳じゃないけど、

すごく冷静に全てのボールを

見られていたとは思います」

 

――優勝から遠ざかっていたこの6年。

どんな思いでトーナメント活動を

していたのでしょうか。

 

「『勝ちたい』と思ってましたけど、

今は皆のレベルも上がって来ているし、

決勝日に残るのさえキツくなっているから

……なかなかね。

 

焦ってもしょうがないなと。

 

ただ、ちょっとでも妥協して練習したら、

絶対に良いことはないっていうのはわかってたから、

体調管理とかも含めて自分が出来る限りのことは

しっかりやり続けようと。

 

それで、ずっと一生懸命やっていれば

いつか良いことあるかな、みたいな。

 

チャンスが来た時にいつでも行けるように

という気持ちで準備をしていました。

 

でも、それが難しいんですよね。

 

僕も心が折れそうな時もあったし、

手を抜いて練習したこともあったから。

 

そういうことをすると、すぐプレーに出るし、

絶対良いことにはらない。

 

そんな体験もしてるから、

後で悔やむようなことをするのだけは止めよう。

その時その時で一生懸命、

自分の出来る限りのことをやろうと。

 

そんな思いで続けてきたし、

これからもやっていくつもりです」

 

――長く続けることの大切さと難しさ。

両方を感じる言葉です。

 

「あんまり年齢のことは言いたくないけど、

自分もこの年です。

 

でも、試合のテーブルについたら、

もう年もキャリアも関係なくなるじゃないですか。

そこがビリヤードの良さであり、

面白いところだと思います。

 

プロでもアマでも、なかなか結果が出なくて

苦しんでる人はいっぱいいると思う……

というか、

きっと結果が出ない人の方が多いですよね。

 

でも、やっぱり諦めないことです。

妥協しないで練習していれば、

チャンスが来た時に掴めるようになる。

 

そう信じて、日々練習を続けることが

大切なんだと思います。

 

結果を出す人っていうのは、

きっとそれをやっている人。

年齢やキャリアは関係ないです。

 

僕もこれからもまだまだ妥協せず

練習していきます」

 

 

(了)

 

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