昨年リリース。
世界中でユーザーを増やしている、
カーボン繊維複合材を用いた新世代シャフト、
その使用感について語っていただく
プロインタビューシリーズ。
6人目となる今回は、
今年からプレデタープロスタッフとなった
大阪の久保田知子プロにご登場いただきました。
…………
Tomoko Kubota
1978年12月26日
JPBA45期生（2011年プロ入り）
山口県出身・大阪府在住
所属店：『ウィリー』（大阪府豊中市）
2010年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝（当時アマ）
2015年『関西オープン』準優勝
2016年『全日本女子プロツアー第1戦』優勝
他、入賞多数
…………
左：プレーキュー PREDATOR Blak3-4
（REVOシャフト12.4。KAMUIオリジナルSS ※取材時）
中央：ブレイクキュー PREDATOR BK RUSH（ノーラップ）
右：ジャンプキュー PREDATOR AIR 2
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語り手：久保田知子プロ
聞き手：BD
――プレーキューは『Blak 3-4』。
これを選んだ理由は？
「もともとテストキューとして
『8K』シリーズと『P3』シリーズを
お借りしていました。
『P3』は自分にとっては少し硬いというか、
パワーがありすぎるなと感じましたし、
デザイン的には『Blak』シリーズが
良さそうだなと思ったので、後から
『Blak 3-4』を送っていただきました。
現物を見てやっぱりカッコイイなと」
――シャフトは『REVO』です。
真っ黒な見た目に違和感はなかったですか？
「全くなかったです。
むしろシャフトが黒い方が
球が狙いやすいと感じました。
昨年、まだ契約の話もない頃に、
他の人のREVOを触らせてもらったことがあり、
その時は少し違和感はありました。
撞いた感じがカキカキしていて。
でも、今は打感も違和感はないですね」
――太さは12.4と12.9、どちらですか？
「今は12.4を使ってます。
最初はたしか12.9だけを試してて、
その後12.4も送っていただいたんですが、
2つを比較すると、
12.9の方は強すぎるというか
球が出過ぎる感じがありました。
12.4も十分にパワーはあるんですけど、
手球の動きが少しだけ木のシャフトに
近いような感触があり、自分に合ってるなと
思ったので12.4にしました」
――グローブをして撞いてますね。
「REVOになってからは
常にグローブをしています。
それまではしたりしなかったりで、
してない時の方が長かったです。
REVOは最初はサラサラしてるんですけど、
使っていく内にサラサラ感が薄れて、
だんだんツヤツヤしてきます。
私が使い始めた頃は冬だったので
サラサラ感が少し残ってましたけど、
やっぱりあたたかくなると、
手汗もかきやすくなってくるので、
キュッキュッてなっちゃうんです。
試合だと気になるので、
グローブをするようになりました」
――やはりカーボン製シャフトは、
木のシャフトとは別物だと思いますか？
「基本的には違いますね。
初めは早く慣れることしか考えて
なかったから、どこがどう木と違うかを
意識することはなかったですけど、
慣れてくるにつれて、
『やっぱり別物だな』と思いました。
手に伝わる感触や球の動きが違うなと」
――パワーや押し引きヒネリの効きは？
「パワーはありますね。
基本的に前に行く力が強いです。
例えば押し球にしても、
はっきりと上を撞くと
かなり前に出て行きます。
フリのある球で押しのラインを見て、
『そんなに前に行くんだ』と驚いたほどです。
引き球も、以前より抑えたキュースピードで
引けるようになってます。
とりあえず手球を動かすのは
すごく簡単だなと思いましたし、
私がそういう球を撞いていたら、
お店のお客さんに、
『おっさんみたいな球撞くやん』
って言われました。
『シャフトが良いんで』って
答えておきましたけど（笑）。
それと、上手く表現出来ないんですが、
『REVOは撞点通りの動きをしてくれる』
シャフトだと思います」
――撞点がシビアということですか？
「そうですね。
今までは『撞点はとりあえず下めで』みたいに、
ぼやかした撞き方をすることも
あったんですが、REVOでそれをやると
その撞点のまま動いちゃう。
ごまかしの効かないシャフトだと思います。
その難しさはありますけど、
このパワーと、そこから来る安定感は
やっぱりすごい武器になります。
REVOで初めて出た試合
（1月『全日本女子プロツアー第1戦』）の時に、
ロングの球とか引き球とかで、
『こんなに不安なく撞けるんだ』と
感じました。
その時点ではまだキューに慣れてなくて、
バランス調整もだいたいで合わせて
出場したので、ちょっと重すぎて、
撞きにくい球もあったんですけど、
ロングの真っ直ぐのストップとか
少し引いたりっていう球が、
以前より怖くなくなりました。
キュースピードを上げなくて良いぶん、
楽な気持ちで撞けるんだと思います」
――ヒネった時のトビ（見越し）は？
「私はほとんどないと思ってます。
でも、『314シャフト』シリーズと同じで、
REVOはヒネる時にシャフトを
“撞点に平行移動して合わせて、
そのまま真っ直ぐ撞く”ものだと思うんですけど、
そうじゃなくて、
ちょっと”汚く”撞いた時……
こじったり、払ったりするような
撞き方をしてしまった時にカーブは出ますね。
そうならないように気を付けているので、
おかげで自分のストロークが
少し良くなっている気はします」
――REVOを使い始めて4ヶ月経ちました。
もう慣れましたか？
「今もまだキュー全体の重量バランスを
調整しながらやっているので、
完全に慣れたとは言えません。
それと、私だけかもしれないですけど、
REVOはタップの状態を見極めるのが、
木のシャフトよりも難しいと思いました。
今までだったら、
撞きながらタップの良し悪しや状態が
キューを通して伝わって来てたんですけど、
REVOではまだそこまでは感じ取れてないです。
はっきりとそのせいだとは言えないですが、
ある試合で、何度かミスキューを
やってしまったことがありました。
タップの摩耗が進んでいることに
気付かないまま使ってたんだと思います。
そして、シャフト自体の性能が高いから、
多少状態の良くないタップでも
そのまま使えてしまうということも
あるような気がします。
それもREVOならではの
特徴かもしれません」
――まだ不慣れなところはありつつも、
REVOのおかげで全体的なパフォーマンスは
アップしていると言って良いですか？
「それは間違いないです。
もともとの性能が高いので、
使い始めたその時点からレベルアップ出来ますし、
合わせていけばいくほど、
より楽に安定して撞けるようになります。
これはREVOに限った話じゃなくて、
PREDATORの314やVANTAGEやZといった
シャフトシリーズは全てそうだと思います。
どれも性能が高くてバラツキが少ないので、
自分に合うものを選べば、
確実にプレーレベルが向上すると思います」
――わかりました。次回、ブレイクキュー
『BK RUSH』などについてお聞きします。
（了）
※後編に続く
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