4月22日に行われた
『全日本ジュニア選手権』で初優勝を飾った
杉山功起(すぎやまこうき)選手。
岐阜県在住の杉山選手は現在17歳。
最近めきめき力を付けている
注目のジュニアプレイヤーです。
また、今年から始まった
KAMUI BRANDが主催する
対象プレイヤーでもあります
(※BD記事はこちら)
そこで、全日本ジュニアのこと、
現在のビリヤードライフ、
ジュニアパートナープレイヤーとして
心掛けていること、今後の目標
……などをまとめて聞いてみました。
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Kouki Sugiyama
生年月日:2000年10月7日
出身:岐阜県
所属店:『クイーンズコート』(岐阜県高山市)
ビリヤード歴:約4年(それ以前は遊びでやっていた)
使用プレーキュー:Black Jack(タップはKAMUIブラックM)
好きな/参考にしているプレイヤー:
日本では大井直幸プロ、
海外ではS・V・ボーニング、J・フィラー、
C・ビアド、J・ショウ
タイトル:
2017年『アジア選手権男子ジュニアダブルス』優勝
2017年『日本学生9ボール選手権』優勝
2018年『東海球聖位』優勝
2018年『全日本ジュニア9ボール選手権』優勝
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――全日本ジュニア、初優勝の感想は?
「すごく優勝したい大会だったので、勝つことが出来てホッとしてます」
――『優勝』を目標に臨んでいましたか?
「はい、今年で4回目の出場で、出られる最後の年だったので、優勝したい気持ちは強かったです。昨年は優勝まであと1歩だったんですけど、2位で。優勝を逃した悔しさがありました。だから、今回は目標にしてました。
それと、昨年初めて海外の試合に日本代表として行くことが出来て(『アジアジュニア』&『世界ジュニア』)、すごく良い経験をさせてもらって、『また行きたい』と思ってました。日本代表になるためにもここで良い成績を出したかったですし、実際に勝つことが出来て嬉しいです」
――プレー内容を振り返ると?
「予選ラウンドの時はメンタル面が良くなくて、あんまりいい球を撞けてなかったです。『このままだと厳しいかな』と弱気になった瞬間もあったんですけど、試合の合間に父に精神的な部分を叱られて、そこから気合いが入りました。それが優勝にも繋がったと思います。決勝リーグ入ってからは自分の球撞きが出来ていたし、ラッキーな場面も結構あったので、ツキにも恵まれてたと思います」
――1年前と比べて、自分自身でも成長は感じられましたか?
「はい、成長してると思います。技術的にはセーフティとか、気持ちのコントロールとか、そういう部分が昨年より良くなってるんじゃないかと思います」
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――さて、今年1月からKAMUIの『ジュニアパートナー育成・支援プログラム』の対象プレイヤーとなりました。改めて杉山選手自身のことを教えてください。まず、ビリヤードとの出会いは?
「本当の一番初めまでさかのぼると、全く記憶にない頃、1歳ぐらいの時です。父がビリヤードをやっていて家にはプロの試合のビデオがあったんですけど、自分でセットしてよく見てたそうです。その様子を見て、父がおもちゃのビリヤードを買ってくれたので、それが出会いです。それから遊びではずっとやってました。おもちゃのビリヤードもだんだん大きいのになって(笑)。
小学4年から中学にかけてずっと野球をやっていてそっちがメインだったので、ビリヤードは『野球の練習の後に遊ぶのもの』という感じでした」
――いつ、どのようにして競技の道を志したのですか?
「中2の夏頃です。まだ野球をやってましたけど、だんだんビリヤードを真剣にやるようになって。っていうのも、将来の夢としてプロ野球選手、競馬の騎手、ビリヤードのプロという3つがあったんですけど、野球の道は厳しいなと思って諦めてしまって、競馬学校は受験したんですけど2次試験で落ちちゃって。そんなこともあったので、より一層真剣にビリヤードに打ち込もうと思いました。それが14歳の時です。
当時は父もジュニアのレベルをよくわかってなかったので、僕はまだCクラスぐらいだったけど、『まず全日本ジュニアに出てみよう』ということになって、行ってみたらボッコボコにされて予選リーグ全敗(笑)。でも、出てみて僕も『上手い子がいっぱいいるんだな』ってすごく燃えてきたんです。そこから『次は予選突破だ』というふうに少しずつ目標を高くしていって、4回目の今年、優勝することが出来ました」
――普段はどのぐらい、どんな練習をしていますか?
「ほぼ毎日2~3時間ぐらい撞いてます。自分の苦手な球を練習したり、ブレイクして取り切る練習をしたり。相撞きしてくださる方がお店にいれば、一緒にやることもあります」
――ビリヤードのどんなところが好きで、どんなところが自分に合ってると思いますか?
「やっぱりボールが入ると気持ちいいですね。それから、球の音が好きです。ボール同士の当たる音、キューで手球を捉えた時の音、ブレイクの音とか。そして、狙いや撞点が1ミリずれるだけで、ボールの動きは大きく変わってしまいますよね。そこを思った通り正確にコントロール出来た時は嬉しいです。
僕は勝負ごとが好きなので、競技ビリヤードの世界は自分に合ってると思います。父には『お前はすぐ熱くなってしまうから向いてないんじゃないか』って言われますけど(笑)」
――ジュニアパートナー育成・支援プログラムのことを知った時、どう思いましたか? すぐ参加したいと思いましたか?
「初めはちょっと悩みました。プログラムの対象者は18歳までで、僕は今17歳だから、もし合格しても1年しか期間がありません(最長2年間サポートが受けられる)。
でも、お世話になっている富山の藤本共史さん(元JPBAプロ)に相談したら、『1年だけでも絶対応募した方が良い。ためになることが多いし、良い経験になるから』と言っていただき、背中を押してもらったような感じです。自分でも『これは良い機会だ』と前向きに考えることが出来て、応募することを決めました」
――ジュニアパートナープレイヤーでいるこの1年、目標や心掛けていることとは?
「支援に応えられるように、まずは大会で良い成績を残して、KAMUIジュニアパートナープレイヤーとして名前が残せたら一番良いなと思います。
周囲からは『あの子がそうか』という見方もされると思うので、いつ人に見られても恥ずかしくないような態度や言葉遣いを心掛けて、一人の人間として成長していきたいと思います」
――学校の勉強は好きですか? 得意科目は?
「勉強は……嫌いです(笑)。得意科目は体育と歴史です。今は世界史を習ってますけど、歴史は小学生の時から好きですね」
――この先、もっと力を入れたい科目や、学びたいこととは?
「国語と英語です。やっぱり日本人として自分の国の言葉がちゃんと使えるということは大事なことだと思うし、英語は昨年初めて海外に行って、すごく必要性を感じました。それまでは『英語なんか出来なくても苦労しないよ。海外行かないし』なんて思ってたけど、行ってみて、やっぱり英語が出来たら便利だし、出来ないと困ることもあるし、プレイヤーとしてやっていく上でもすごく大事だなと実感しました」
――今後どんなプレイヤー、どんな人になっていきたいですか?
「ビリヤードプレイヤーとしても一人の人間としても、見てもらえて、注目されて、好かれる人になりたいです。そのためには、ビリヤードの技術だけじゃなくて競技者としての態度や、人としての振る舞いが大事になると思うので、その意識を忘れずに、立派な人になれるようにしたいです」
――将来的にプロ入りは考えていますか?
「考えています。でも、時期はまだわかりません。早くなった方が良いということは、周囲のプロの方にも言われますし、僕自身もそう思ってますけど、実力が伴ってないのに急いでプロになっても……とも思います。だから、実力と環境が整った時にと考えています」
(了)