〈BD〉「決勝戦であれだけおかしくなったのも初めて」――全日本14-1初優勝・土方隼斗の談話

 

先週末の『全日本14-1』で初優勝を飾った

土方隼斗プロの談話をお届けします。

 

表彰式直後、熱気で上気したままの顔で

取材に応えてくれました。

 

談話中にもあるように、土方プロは、

JPBA公式戦で採用されている

9ボール、10ボール、8ボール、

ローテーション、14-1という

5種目全てでタイトルを獲得

(※現在8ボールの大会はありません)。

 

また、『全日本選手権』を除いて、

現在開催されている全てのプロ公式戦

(GPEと各オープン戦)で優勝しています。

 

さらに、今回の優勝で公式戦通算29勝。

あと一つで「30勝」となります。

 

次戦、6月の『ハウステンボス九州オープン』で

30勝到達となるでしょうか。

 

※詳しい戦績はビリヲカさんで。

 

…………

 

Hayato Hijikata

JPBA40期生

1989年3月16日生 東京都出身&在住

アマ時代の2005年に『世界ジュニア』銀メダル

2005年&2013年『関東オープン』優勝

2007年『ルカシージュニアワールドテンボール』優勝

2008年『北海道オープン』優勝

2010年『エイトボールオープン』優勝

2013年&2016年『ジャパンオープン』優勝

2013年、2014年、2016年『関西オープン』3勝

2013年『東海グランプリ』優勝

2016年『全日本ローテーション』優勝

2016年『ハウステンボス九州オープン』優勝

2016年『北陸オープン』優勝

2018年『全日本14-1』優勝

『GPE』通算16勝、他、入賞多数

2013年&2016年JPBA男子年間ランキング1位

使用キューはEXCEED & MEZZ

東京・赤坂『POOL SALON 503』所属 

 

…………

 

 

――必死さの伝わってくる決勝戦でした。

特に後半はプレッシャーも大きかったと思います。

 

「いや~、テンパったし、疲れました(笑)。

 

めちゃめちゃ勝ちたいと思っていたので、

だからこそプレッシャーがありました。

 

決勝の相手が羅さん

(JPBAきっての14-1の名手、羅立文プロ。

前年度覇者)だというのが、

なおさらプレッシャーでした。

 

羅さん相手で、14-1のファイナルで

こんなに展開に恵まれることは

もう二度とないだろうと思ったし、

今回勝てなきゃもう14-1では

優勝出来ないだろうとまで思いました。

 

僕は一昨年の決勝戦

カーリーさん(赤狩山幸男プロ)に負けてるし、

『今回こそは』という思いもあった。

 

内面に色々なものがありすぎて、

かなりテンパりました(苦笑)。

 

試合の決勝戦であれだけ

おかしくなったのも初めてじゃないかな。

 

14-1はテンパったら何をしていいか

わからなくなってしまう種目だなと

実感しました(苦笑)」

 

 

――最後は30点ランで上がりました。

あれはプラン通りには撞けてなかった?

 

「全く。というか、

プランがまとまりきらないまま撞いてました。

 

準決勝までは自分的に良い感じで撞けていて、

『14-1、出来てるな』って思ってたんです。

 

配置を見て、ちゃんと組み立てて、

キーポイントを意識して……って、

頭を働かせながら出来てたんですけど、

 

決勝戦の最後の方は、

もちろん考えてはいたつもりなんですけど、

実際には頭が回ってなかったんでしょうね。

 

思ったようにボールを動かせなくなってるし、

もう一球一球入れ繋いでた感じ。

 

『えー、またそうなるのか』の連続で、

『うわ~』ってなってましたよ(笑)」

 

――体力も集中力もフル稼働ですね。

 

「はい、ホントに。

今やっと汗がひいてきました(笑)。

 

予選日はパパパッと撞いたところも

あったんですけど、

決勝日は全体的に頭を使って撞いてたので、

体力はだいぶ消耗してますね。

 

でも、そのおかげか、

決勝戦の最後は別として、2日間を通して

14-1をよく撞けたかなと思ってます。

 

70点~80点代のハイランもあったし、

少なくても40~50点代が出てた。

そこは自分でも評価できるところです」

 

――優勝の喜びも格別ではないでしょうか。

 

「色々な意味でめちゃめちゃ嬉しいです。

 

まず初めての14-1タイトルだということ。

 

昔からすごく狙ってたという訳ではないけど、

国内ではまだこの14-1と『全日本選手権』は

勝ってなかったので、

昨年ぐらいから『勝ちたい』と意識してました。

 

それから、14-1を勝ったことで、

JPBAプロ公式戦で採用されている

全種目を制覇出来たんです。

 

8ボール、9ボール、10ボール、

ローテーション、そして14-1

(※現在は8ボールの大会はない)。

それも嬉しいですね。

 

誰も僕が14-1で優勝するとは

思ってなかっただろうから、

そういう意味では狙ってました(笑)。

 

そして、今年に入ってからずっと

成績が伴ってなかったんで、

その中でやっと勝てた嬉しさもあります」

 

――9ボールや10ボールでは何度も勝っていますが、

それらと14-1では勝利の味は違いますか?

 

「そうですね。

 

9ボールや10ボールの方が、

『このボールを入れたら形が出来る』とか

『このラックを取ったら優勝だ』という風に

意識することが多いというか、

 

緊張感の高まるショットや局面が

明確になっていて、それが何度か

巡ってくるっていう感覚です。

 

ゲームボールとかキーボールで

ガッと緊張が高まって、

そのショットを決めて『やった!』

っていうのが9ボールや10ボール。

 

でも、14-1で優勝したのは初めてなんで

まだ上手く言えないですけど、

14-1は9ボールや10ボールのような感じの

緊張感があるショットは少ないと思ってます。

 

特に今回僕はテンパってたんで、

ガーッとたかぶったというのは

最後のゲームボールぐらいかもしれないですね。

 

それもあって、『勝った~』というよりは、

『よく勝ったな』という気持ちもあります」

 

――今年ここまでは予選落ちも何度かあり、

思うような成績ではなかったと思います。

 

「はい、自分の状態はすごく良いんだけど、

相手にナイスプレーをされて

負けるっていうのが多かったです。

 

調子自体は全然悪くないし、

いつでも復活する準備は出来てたんですけど、

よく相手に入れられました。

 

この半年それが続いていて苦しかったですね。

 

勝ってないと周囲から

色々と心配もされちゃいますから。

 

でも、今回の優勝を機に、流れが大きく

変わってくれるんじゃないかという期待を持って、

この先の試合に挑んで行きたいと思います。

 

近い所で大きな目標は

『ジャパンオープン』(7月)になります。

また気持ちを入れ直して頑張ります!」

 

(了)

 

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